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西洋美術

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記事一覧

テルマエ展 お風呂でつながる古代ローマと日本 /パナソニック汐留美術館

「テルマエ」とは、古代ローマの公共浴場。厳格な階級社会のガス抜き策として、市民に広く提…

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MOTコレクション「歩く、赴く、移動する 1923→2020」:5 /東京都現代美術館

(承前)  関東大震災から戦後の復興期まで、最初の2室に4回分を割いてしまった。展示面積だ…

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福島県立美術館のコレクション展:2

(承前)  続く展示室Bは「50年前の美術 1970年代の姿かたち」。岡本太郎にはじまり、野田…

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デイヴィッド・ホックニー展:3 /東京都現代美術館

(承前)  現美のホックニー展。最大の見せ場は、ラストにやってきた。  コロナ禍のロック…

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デイヴィッド・ホックニー展:2 /東京都現代美術館

(承前)  龍安寺石庭のフォト・コラージュの裏の壁には、横長構図の絵画作品がいくつか展示…

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テート美術館展 光 ―ターナー、印象派から現代へ:2 /国立新美術館

(承前)  本展の心にくいところは、近年、日本での回顧展が好評・盛況を博した複数の作家を…

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テート美術館展 光 ―ターナー、印象派から現代へ:1 /国立新美術館

 イギリスの国立美術館・テートの所蔵品による、「光」をキーワードとした世界巡回展の東京展である。  出品作品は古くは1776年から、新しいところでは2014年までと幅が広い。  年代順におおむね逆らわない構成をとりながら、どの展示室においても現代アートの大作やインスタレーションがかならず配置されるという、やや変則的な展示手法がとられていた。  たとえば最初の展示室。  壁には、イギリスが生んだ偉大な風景画家ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナーの作品をはじめとする18~1

ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開:3 /アーティゾン美術館

(承前)  ある作家の作品を、館蔵品に加えてさらに数点借用して充実をはかっている例が、本…

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ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開:2 /アーティゾン美術館

(承前)  絵は、鏡に似ているなと思うことがある。  以前に観たことがある絵の前にもう一…

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マティス展:2 /東京都美術館

(承前)  マティス展の出品作から、独断と偏見により数点をご紹介。  リーフレットに掲載…

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マティス展:1 /東京都美術館

 20年ぶり……  待ちに待ったアンリ・マティスの大回顧展が、上野のお山へついにやってきた…

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ジョルジュ・ルオー― かたち、色、ハーモニー ―:2 /パナソニック汐留美術館

(承前)  ルオーの活動期は、2つの世界大戦にまたがっている。  戦争による苦しみ、葛藤、…

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ジョルジュ・ルオー― かたち、色、ハーモニー ―:1 /パナソニック汐留美術館

 この館のライフワークともいえる、ジョルジュ・ルオーの展覧会である。  副題となっている…

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クレーや紫紅や非水 所蔵作品展 MOMATコレクション:3 /東京国立近代美術館

(承前)  5室は、パウル・クレーの部屋。ニューカマーの《黄色の中の思考》を含む、収蔵する全15点+関連作家の作品で構成されている。  クレーの作品は、宮城県美術館に35点、アーティゾン美術館に25点が所蔵されている。  後者のうち24点は近年一括収蔵されたもので、お披露目展(2020年)ではひとつの部屋に25点すべてが並んでいた。しかも、類品の重複がないという内容。卒倒しそうになった。  このときほどではないにせよ、本展もそれを髣髴とさせるものだった。  《小さな秋の