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西洋美術

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記事一覧

カルダー そよぐ、感じる、日本 /麻布台ヒルズ ギャラリー

 昨年11月にオープンした「麻布台ヒルズ」の地下には、ギャラリーが併設されている。ギャラリ…

テルマエ展 お風呂でつながる古代ローマと日本 /パナソニック汐留美術館

「テルマエ」とは、古代ローマの公共浴場。厳格な階級社会のガス抜き策として、市民に広く提…

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MOTコレクション「歩く、赴く、移動する 1923→2020」:5 /東京都現代美術館

(承前)  関東大震災から戦後の復興期まで、最初の2室に4回分を割いてしまった。展示面積だ…

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福島県立美術館のコレクション展:2

(承前)  続く展示室Bは「50年前の美術 1970年代の姿かたち」。岡本太郎にはじまり、野田…

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デイヴィッド・ホックニー展:3 /東京都現代美術館

(承前)  現美のホックニー展。最大の見せ場は、ラストにやってきた。  コロナ禍のロック…

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デイヴィッド・ホックニー展:2 /東京都現代美術館

(承前)  龍安寺石庭のフォト・コラージュの裏の壁には、横長構図の絵画作品がいくつか展示…

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テート美術館展 光 ―ターナー、印象派から現代へ:2 /国立新美術館

(承前)  本展の心にくいところは、近年、日本での回顧展が好評・盛況を博した複数の作家を、リストに入れてきている点。  ヴィルヘルム・ハマスホイ(直近の回顧展は東京都美術館・2020年)、ゲルハルト・リヒター(東京国立近代美術館など・2022年)、オラファー・エリアソン(東京都現代美術館・2020年)は、いずれも日本の美術館にはあまり収蔵されてこなかった作家。最近、新規に収蔵する館も出てきたとはいえ、まだまだ国内ではお目にかかる機会が多くない。  これらの作家を目指して、本

テート美術館展 光 ―ターナー、印象派から現代へ:1 /国立新美術館

 イギリスの国立美術館・テートの所蔵品による、「光」をキーワードとした世界巡回展の東京展…

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ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開:3 /アーティゾン美術館

(承前)  ある作家の作品を、館蔵品に加えてさらに数点借用して充実をはかっている例が、本…

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ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開:2 /アーティゾン美術館

(承前)  絵は、鏡に似ているなと思うことがある。  以前に観たことがある絵の前にもう一…

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マティス展:2 /東京都美術館

(承前)  マティス展の出品作から、独断と偏見により数点をご紹介。  リーフレットに掲載…

マティス展:1 /東京都美術館

 20年ぶり……  待ちに待ったアンリ・マティスの大回顧展が、上野のお山へついにやってきた…

ジョルジュ・ルオー― かたち、色、ハーモニー ―:2 /パナソニック汐留美術館

(承前)  ルオーの活動期は、2つの世界大戦にまたがっている。  戦争による苦しみ、葛藤、…

ジョルジュ・ルオー― かたち、色、ハーモニー ―:1 /パナソニック汐留美術館

 この館のライフワークともいえる、ジョルジュ・ルオーの展覧会である。  副題となっている「かたち、色、ハーモニー」は、ルオーがみずからの目指すところとして、折に触れて述べてきた言葉。それをよく示す——すなわちルオーの真髄を表す名作が選りすぐられている。  今年のルオー展が例年と異なるのは、フランスのポンピドゥ・センター(パリ国立近代美術館)から多数の作品を借用できた点。これには、同館の大改修工事が関係している。出開帳(でがいちょう)の側面も、本展にはあるのだ。  パリからやっ