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西洋美術

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記事一覧

アンドリュー・ワイエス展 追憶のオルソン・ハウス /アサヒグループ大山崎山荘美術…

 アメリカの国民的画家、アンドリュー・ワイエス(1917〜2009)。大地を這いつくばって進もう…

出光佐三、美の交感 波山・放菴・ルオー /出光美術館

 今年の6月1日から7月7日まで開催されていた、長期休館前の一大シリーズ企画「出光美術館の軌…

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川村記念美術館へのいざない コレクション展示

 一昨日の更新で少しだけ触れた、今夏の川村記念美術館での鑑賞について、今回は振り返ってみ…

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川村記念美術館の「これから」

 神奈川の川崎から千葉の市川へと引っ越してきて、いちばん嬉しかったのは、千葉市美術館や佐…

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TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション:3/東京国立近代美術館

(承前)  本展に《青い鳥》が出ているキュビスムの画家、ジャン・メッツァンジェ。  本人…

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TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション:2/東京国立近代美術館

(承前)  本展に登場する「トリオ」は、全34組。つまり、34のテーマからなる。  ぱっと見…

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TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション:1/東京国立近代美術館

 東京国立近代美術館、大阪中之島美術館、フランスのパリ市立近代美術館。  大都市の公立3館が、国境を超えてタッグを組んだコラボ展である。  パリといえば、先日まで五輪が開催されていた。パリ市立近代美術館はあのドブ川セーヌ川沿いにあるというから、もしかすると開会式の映像にも映り込んでいたのかもしれない。  本展の会期は5月21日から8月25日までで、すなわち、五輪の開催期間をまるまるカバーしている。  拝見したのは6月末だったから、オリンピック・ムードといったものは、少なくと

村上華岳・山口薫・北大路魯山人展:1/何必館・京都現代美術館

  「何必」と書いて「かひつ」と読む。   「何ぞ、必ずしも」——固定観念を疑い、問いかけ…

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カルダー そよぐ、感じる、日本 /麻布台ヒルズ ギャラリー

 昨年11月にオープンした「麻布台ヒルズ」の地下には、ギャラリーが併設されている。ギャラリ…

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テルマエ展 お風呂でつながる古代ローマと日本 /パナソニック汐留美術館

  「テルマエ」とは、古代ローマの公共浴場。厳格な階級社会のガス抜き策として、市民に広く…

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MOTコレクション「歩く、赴く、移動する 1923→2020」:5 /東京都現代美術館

(承前)  関東大震災から戦後の復興期まで、最初の2室に4回分を割いてしまった。展示面積だ…

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福島県立美術館のコレクション展:2

(承前)  続く展示室Bは「50年前の美術 1970年代の姿かたち」。岡本太郎にはじまり、野田…

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デイヴィッド・ホックニー展:3 /東京都現代美術館

(承前)  現美のホックニー展。最大の見せ場は、ラストにやってきた。  コロナ禍のロック…

デイヴィッド・ホックニー展:2 /東京都現代美術館

(承前)  龍安寺石庭のフォト・コラージュの裏の壁には、横長構図の絵画作品がいくつか展示されていた。中国の画巻から着想を得たものという。複数の視点・時間をひとつの画面に取り込むために、ホックニーは引き続き東洋の古典をヒントとしたのである。  解説のなかで「中国の画巻」というキーワードに出くわして、妙に納得するところがあった。だから、東洋人のわたしにも、ホックニーのこの種の作品が受け入れやすいのだ。  同様の感触は、エスカレーターを降りた下のフロアでより強く感じられた。こち