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塩や砂糖がパンにもたらす効果・役割とは?リーンなパンの材料編

この記事は「こびとのカフェ」という【自家製酵母とパンのブログ】からお引越ししてきた記事です。過去記事の引越しを機に、レシピ本簡単サワー種でつくる本格ライ麦パン3200円1200円に変更しました。より多くの方に楽しんでいただければ幸いです^^
元記事公開日:2017年4月21日 11:46 PM

パンを作る材料(前半)

パンを作るうえでいつも使っている材料たちは、いったいパンにどんな影響・効果を与えているのでしょうか。

基本の材料から副材料までずらりと一覧にしてご紹介いたします!

長いのでリーンの材料とリッチの材料に分けて前半後半、二つの記事でご紹介します。

➤(後半)牛乳卵生クリームバターがパンに与える効果と役割は?リッチパン編


パンを作る材料の役割・リーン編

バゲットやカンパーニュなど、使う材料がシンプルなパンを「リーンなパン」と呼びます。

実際にはリーンの材料には「砂糖」は入らないのですが、入っている場合が多いので基本の材料に加えてご紹介いたします!


小麦粉の役割

パンを作るもっとも基本的な材料ですね!

基本的にはお菓子と違ってグルテン質やたんぱく質をより多く含む「強力粉」という粉を使いますが、パンによってはお菓子作りで使う「薄力粉」を使ったり、フランスパンなどには「準強力粉」と呼ばれる「中力粉と強力粉の中間くらい」の粉を使ったりします。

小麦粉は粉に含まれるたんぱく質や粒子の細かさなどによって

強力粉>準強力粉>中力粉>薄力粉

という順に低く小さくなっていきます。

強力粉に含まれるグルテン質が水と混ざり合い、こねられることでグルテンを形成します。これがパン生地に弾力や粘りをつくります。

そして生地の中で発酵し育った酵母(イースト)が作り出す炭酸ガスをこの弾力のある生地がグルテン膜となって包み込み、これによって僕たちが「気泡」と呼んでいるパンの中のふくらみが出来上がるのです。

パン作りに欠かせない材料、それが小麦粉なのです。


塩の役割

次に意外かもしれませんが、パン作りにおいてとても大切なのが塩です。塩を入れないでパンを作ってみてください。とってもおいしくないパンが出来上がります。

塩は味を決める大切な調味料であると同時に、もっと重要な役割を持っています。

それは「生地(グルテン膜)をキュッと引き締め強度をUPさせる」ことです。仮に塩を入れないでパン生地をつくるとグルテン膜は形成されるのですが膜の強度が弱いのでべたつきやすく、こねにくい生地になってしまいます。

さらに塩には「殺菌効果」があるのはよく知られているところですね。ただし粉に対して2%以上入れてしまうと酵母菌(イースト菌)をも殺してしまう恐れがあります。が、逆に「発酵のしすぎを抑える」という作用も担っていたりします。この2%を守れば「おいしく」「老化しにくく」「こねやすい」生地のパンを作ることができるのです。塩ってとっても大切ですね。


水の役割

水の役割は「小麦粉とこね合わせてグルテン膜を形成すること」と「デンプンと合体して(温めると)柔らかさを出すこと」です。

また、生地に含まれる水分が多い方がパンがしっとりしますよね。カサカサするパンは水分が足りていないのです。

また、水を入れることでイーストやほかの副材料を溶かしたり、成分を活性化させたりします。

使う水はミネラルウォーターでもいいですが、硬度が高すぎるとグルテンが固めになるし、軟水すぎても生地がべたつくので浄水器を通した普通の水道水で十分でしょう。

また、レシピに「ぬるま湯」と書いてあっても夏場はやめた方がよいでしょう。冷たい水道水を使った方が、急速に発酵しすぎず、パンのおいしさが引き出されます。発酵のスピードも大切ですね。


酵母・イーストの役割

酵母(イーストも酵母菌の一種)は糖分を食べて(糖分を分解して)増殖し、その過程でたくさんの炭酸ガス、そしてアルコールを作り出します。

さきほど説明したように、この炭酸ガスがグルテン膜に包まれて「気泡(ふくらみ)」ができるのです。また発生したアルコールはパンに風味や味、焼き色などを与えます。酵母菌の生命活動がパンを膨らませ、おいしくさせるなんてロマンチックで不思議ですよね。

酵母は市販のドライイーストや生イーストのほか、市販の天然酵母(ホシノ天然酵母や白神こだま酵母、あこ天然酵母など)があります。そして僕がやっている「自家製酵母」は、自分で食材や植物から野生の酵母菌を起こして育て、パン作りに使用することができます。酵母と言ってもいろんな種類がありますね。

自家製酵母について詳しくは、こちらの記事にまとめましたので、興味がおありの方はぜひご覧ください。

➤自家製天然酵母まとめ


砂糖の役割

砂糖は糖分なので酵母菌のエサになります。そしてパンに柔らかさや甘さを与えます。

またよくお肉を柔らかくするのに砂糖を揉みこんだりしますよね?それは砂糖に「吸水力・保水力」があるため、お肉が柔らかくなるからなのですが、パンに砂糖を入れると保水性が良くなりパンが日持ちしやすくなります。(パンの劣化は乾燥から始まるため)

さらにパンを焼くときに砂糖がカラメル化することで、あのおいしそうな「パンの焼き色(茶色)」になります。焼いても焼いてもいい焼き色が思ったようにつかない場合は砂糖を増やすといいかもしれません。


こびと

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