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番外編 日々の歩み 福祉作業所の方のお話し

すごく嬉しいことがあったので
またまた番外編にお付き合いください。
備忘録のような書き方になりますが、悪しからず。
多くの方に知ってもらいたいと思い、こちらに記録します。

こびと農園では、野菜の袋詰め作業を週に2回1時間ずつ
福祉作業所へ委託をしています。
作業場に来ていただいて作業をしてもらうのですが
障害をもたれている利用者さん1名と付き添いの職員1名で来られています。

とても作業能力が高いと紹介いただいた利用者さんですが
取り組みを始めた時からほぼ毎回来てくださり早1年半が経とうとしています。
1年目は付き添いの職員さんもほぼ同じ方が来られていたのですが
2年目からは、作業所も人員不足とのことで付き添いの職員さんが頻繁に変わるようになりました。

作業所への委託をする場合、基本的に職員さんに説明をして
職員さんが利用者さんに説明、作業補助を行っていただくのですが
その職員さんが変わると一から説明をしなければならず、
1時間という限られた時間の中で、最大のパフォーマンスをするには
なかなか難しいなと思うこともありました。


少しもやもやしていた時
最近、毎回来てくださる利用者さんに少しずつ変化がみられるようになりました。
利用者さんが自ら作業の流れを覚えて積極的に質問をしてくださるようになってきたのです。
「この野菜は前回と同じ数で袋に詰めればいいですか?」
「(袋詰めした野菜は)箱にどうやって入れたらいいですか?」
など、今まで付き添いの職員さんが行っていた仕事を積極的に行ってくださるようになりました。
今まで数を数えるのが少し苦手だったようですが
きちんと袋詰めして出来上がった数を数えて元の箱に戻すという複雑な作業ができるようになりました。

今まで付き添いの職員さんが手取り足取り補助してくださっていたことが
職員さんが変わり、作業の段取りが分かるのは自分だと認識したときに
責任感が生まれ、私がやらなくてはいけないという意識に変わったのだと感じた瞬間でした。

そして、先日また新しい職員さんが付き添いで来られました。
普段は、新しく職員さんが来られたら段取りや作業の説明をこちらでするのですが
その日は、利用者さんが自ら段取りを職員さんに説明し
職員さんが担当する作業(シーラーで袋の口を留める作業)までも説明してくださっていたのです。
これにはさすがに私も驚きました。
今まで職員さんが担当する仕事(シーラーで袋の口を留める作業)は
利用者さんは一度も作業したことがなく、また私から説明をしたこともなかったからです。

私が毎回職員さんに説明している姿を見てくださっていたのですね。
きちんとポイントまで抑えて説明してくださり
作業する野菜の種類が変われば、自ら入れる袋の選定をして
詰める個数の確認までしてくださっていました。
ここまでくると我々が口出しすることはありません。

さらに驚いたことは
小休憩の際に、事業所が用意された水筒を持ってきて飲み物を飲んだ時に
スポーツ飲料が入っていたようです。
付き添いの職員さんが利用者さんに
「ポカリスエット好きなの?」と尋ねると
「違います、私は仕事に来ているからです。」と
仕事に来るから、自らスポーツ飲料を選んで持ってこられていたのです。
こびと農園で作業をしに来てくださる時は
仕事をしに来ていると自覚をもって来てくださっていること
私がやらなくてはいけないという責任感を持ってくださっていること
本当に感謝しなければならないなと改めて思いました。

わずか週に2時間だけなのですが
それでもここまで人は変われるのだと知った時に
無限の可能性があるのだと
その人の特性を引き延ばすことができるのだと
多くの人に知ってもらいたいと思い綴ることにしました。


こびと農園が農福連携に取り組み始めたのは
起業して間もないころ。
お互い手探りでしたが、良縁に恵まれ近隣の社会福祉法人さんに委託をすることができました。
社会福祉法人さんは大きい組織で、その中でデイセンターとして機能している事業所さんにお願いすることになりました。
一般的にデイサービスではいわゆる仕事ではなく、日中活動としての作業をすることになっています。
作業した場合、作業工賃として幾分か彼らにお支払いされています。

ボランティアではなく、きちんと対価をお支払いをすれば
事業所の運営に役立ったり、利用者さんの対価が増えれば生活が向上するかもしれません。

まだまだ賃金が低いと言われている福祉作業所での作業工賃が
少しでも上がってくれれば。仕事の請負が増えれば。
1人でも多くの人が社会活動に参加できればいいなと願い
微力ながら日々活動しています。