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自身の経験を活かしたお仕事-体験農園の講師を引き受ける-


以前の記事で、体験農園の講師を引き受けた経緯などお話させていただきましたが
その仕事内容など、具体的にどんなことをしているのか
実際の仕事はどうなのか
お話させていただこうと思います。

現在、江戸川区が運営している体験農園と
小金井市が運営している都民農園の2ヶ所で
講師のお仕事をさせていただいていますが
今回は江戸川区の体験農園についてお話します

江戸川区 体験農園の講師を引き継ぐ


江戸川区では区民農園、体験農園の運営や
収穫体験の開催など積極的に行われています。
体験農園のひとつである「ファーマーズクラブ東葛西」での講師の依頼をいただきました。

「ファーマーズクラブ東葛西」では
農家が講師となり、決められた作物を決められた通りに栽培し、月2回ほど講習会が開かれます。

こちらの農園が開かれたのは約14年ほど前。
当時から講師として務められていた農家さんがご家庭の事情で講師の仕事が続けられなくなってしまいました。

そこで江戸川区の方が後任を探されていたところ
東京都農業会議を通じてご紹介いただきました。

最初お話を聞いた時は、新規就農の私に務まるだろうかという不安と
ベテラン農家さんの後を継ぐプレッシャーもありました。

また利用されている体験者さんも10年以上通われている方も多く
私以上にベテランでつまらない講習になるのではないかと不安になりました。

それでも、私が今まで勉強してきたことを伝えられるだけ伝えて
分からないことは調べようと割り切って引き受けました。

栽培方法は農家それぞれ。新しい発見

実際に講習会が始まってみると
案の定、勝手が分からないことだらけで
区の職員の方に聞いたり、
長年、体験農園のボランティアをされているスタッフさんにフォローしていただいたり
利用者さんにも心配をかけてしまうようなスタートでした。

去年までは
どうやって区割りをして
どうやって耕して
どうやってマルチを張って
どうやって苗のお世話をして
どうやって病害虫を予防していたのか…

前任の講師の方にも相談させていただきながら
毎回手探りで講習会の準備をしていました。

土質は赤土の粘土質で
土壌診断の結果も栄養過多ぎみ。
土壌病害が出ていたりと
なかなか体験したこともないような状況も多く
毎回勉強になっていました。

利用者さんとのコミユニケーションがとれるように

はじめのうちは、利用者さんとの交流も少なく
前任の講師とやり方違うよね
こうした方ががいいのにね
と陰で言われていました。

説明したことと全く違うやり方で栽培していたり
指定外の野菜を植えられていたりと
なかなか改善されない状況もありました。

頭ごなしにダメですとお伝えすると
角が立ってしまうため
理由をきちんと説明するように心がけました。
なぜ、今までと違う栽培方法にするのか
なぜ、指定外作物を植えてはいけないのか
なぜ、今のタイミングで種をまき、管理するのか

回数を重ねていくうちに
徐々に話しかけてくださる方が増えてきました。
今野菜がこういう状況だけどどうしたら良くなる?
毎年この時期になると病気になりやすいんだけど…
なかなか収量が増えないんだよね。

こちらからもお声かけをすることで
前回の講習時からの変化や
虫が増えてきたなどを教えてくださるようになり
より現場に沿ったお話ができるようになりました。


最終講習会で卒業される利用者さんから
また体験農園を利用出来る時がきたら
ぜひ教えてもらいたいとおっしゃっていただいた時は
やってみて良かったと思うことができました。


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