![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/29735076/rectangle_large_type_2_749860e997999e551a9297140ed8af19.jpg?width=800)
イギリスは美味い物だらけや。
執筆者:大阪人
―――イギリスには美味しいもの無い。
こんな固定概念は今すぐ捨てるべきだ。
確かに多くの外食店は期待を裏切ることの方が圧倒的に多いし、そのくせ値段も高い。日頃値段とクオリティが切磋琢磨される日本の大衆店に足を運ぶ我々には、少々物足りない味付けもよくある話だ。だからこそ、イギリスのレストランにおいて、あまりにも多いそのハズレに対する恐怖から、視界に入る未知の店への訪問をあきらめてしまうことも大いに有り得る。
この値段を払って美味しくなかったらどうしよう、多分美味しくないだろうな。という半ばあきらめに近い感情は、おおよそ10店舗くらい足を運んだ時点で往々にして発生する。
そんな中で、Uber Eatsや口コミなどを頼りにして、いくつかの美味しいお店を発見したことも事実であるし、未知の料理に舌鼓を打ったことだってもちろんある。我々の次にバーミンガムを訪れる人に対して、ここは美味しいだとか、〇〇料理は日本人にも合うだとか、色んなことを伝えてあげることもできるはずだ。
・中東料理のデザート。サクサクの食感が魅力のバクラヴァ。ハロウミチーズもおススメだ。日本でのうのうと過ごしていたら出会うことはなかっただろう。
しかし、貧乏な私には、レストランをあれこれ試すのは中々難しい。毎日外食なんてできるはずもないし、先ほども述べたように失敗の不安要素があまりにも多すぎる。
そこで実践してきたのが、食材の探求だ。
素材レベルで見れば、食にうるさい人のお眼鏡にかなうものはたくさんある。これは自身の探求で実証されている。あらゆるものを試しまくって、実証していくことでやっと発見することができるのだ。つまり、自らが探求心を失わず、「どうせイギリスだろ」などと云うつまらぬ固定概念を捨て去り、興味関心を持ち続けることで達成するいばらの道だということである。
せっかく留学したり駐在したりしても、イギリスの飯はまずいまずいと言いながら、近所のスーパーで手に入れただけの食材に文句をつけ続けるのは如何なものか。あまりにも調査不足ではないか。僕はそうして殻に閉じこもってきた過去を捨て去り、積極的に調査を開始した。
イギリスには中心市街地のマーケットから、ファーマーズマーケット、オリジナルブランドの豊富なスーパー、そしてインターネットまで、様々な形態の商業施設がある。それらが扱う品も当然様々なランク付けがされているほか、輸入されている国々ですら大きく異なるのだ。さすがは移民大国。彼らのためにも、様々な食材が取り揃えられている。
食材ごとに存在するアワードの存在を知っているか。産地や熟成度による味の違いまで確かめたか。手に入るはずがないと思い込んでいた食材を、インターネットやマーケットで探してみたことはあるか。いくつかの同じ食材を食べ比べしてみたことはあるか。
これらを念頭に、頭に浮かんだものはすぐに調べ、吟味して買ってみた。
↑スーパーごとのイチゴランキング。スーパーごとに決めるというのは、プライベートブランドによる指定農家がひしめき合うイギリスならでは。日本では「イオンのイチゴ」よりも「福岡のイチゴ」というように、産地が重視されるが、イギリスでは産地もさることながら、どのスーパーが美味しいイチゴを仕入れているのかが重要なのだ。
このように、今は先人たちの知恵や知識がインターネットを介して簡単に手に入る時代になった。イギリス人もたくさんの情報をネットに公開しているし、調べれば信憑性の高いたくさんの記事が転がっている。味に無頓着だとか、保守的と言われるイギリス人たちも、上記の記事のようにイチゴの味ランキングを結構綿密に調査したり、豚肉のアワードを設けて競ったり、多くの取り組みによって食材のレベルは格段に上がっている。
ただ、これを実証的に確認するためには、やはり実際に試してみることが一番大切であり、そこから自分の好みであったり普遍的なおいしさを発見していくべきである。
生魚が食べたいなら、卸売市場まで足を運んでみたらいいし、今飲んでいるノーマル牛乳が気に食わないなら、農家から取り寄せてみたらいいし、品種改良されたぶどうが食べたいなら、高級スーパーをはしごしてみたらいい。
食材とは、ある意味その国の多様性や環境を体現する一つの指標である。
イギリスにもマンゴーはたくさんの品種が輸入されている。片っ端から品種ごとに食べてみたり、追熟期間を調べてみても楽しい。
イギリスの牛肉は基本カチカチだが、試行錯誤してしっとり超柔らかローストビーフを作ることができる。このローストビーフが完成した時、イギリスの牛肉に対する固定観念は吹き飛んだ。
アイスクリームもたくさんの種類があり、様々な地域でそのレベルが競われている。
片っ端から試してようやくたどり着いた美味しいソーセージ。ポーランド産やけど。
実際に住んでみて、いろんな調理法や食材を試したり、探求してようやくイギリスやっぱ微妙やな、とかイギリスもまだまだ捨てたもんじゃないぜ!とか、現実味のある感想が持てるようになるんだと思う。
2回や3回訪れて、チラッと飯を食ってみただけでイギリス飯を知った気になるのはまだまだ早い。僕も20数年日本に住んで、色んなものを食べ、試し、その良さに気づいてきたはずだ。1年やそこらでもまだまだ少ないが、自ら探究心を失わずトライしまくることで、ようやく真のイギリス飯が見えてくるはずだ。
面白いことは探してみるとその辺にたくさん転がっている。
刮目せよ!さすれば道は開かれん!!!!
・・・・・つって。
うわ。偉そうなこと言ってる場合じゃない卒論書かなやばい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?