神戸農村スタートアッププログラム、noteはじめます!
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神戸農村スタートアッププログラム事務局の鶴巻と申します。普段は神戸市北区淡河(おうご)町という農村地域で、移住や創業、新規就農などの切り口で農村地域への入口を整備しつつ、自身でも小規模ながら農業をしているような生活をしています。
最初の投稿では、このプログラムの紹介をさせてください。
神戸に農村?
「神戸」と聞いてイメージするのは何でしょう。
港、食、異国情緒?
実は神戸では、北と西に少し足を伸ばすと豊かな田園を目にすることができます。 近畿圏の市町村の中でも、毎年TOP5に入る農業生産額を誇っている隠れ農業都市の顔も持っています。
しかし、全国の例に漏れず、神戸の農村地域でも近年、人口減少、農業や仕事、福祉や教育や交通など、様々な問題を抱えています。
そんな中、神戸市では、2015年頃から農村定住促進コーディネーターを配置したり、土地利用の規制緩和を進めたりするなど、農村の過疎化に歯止めをかける取り組みが始まりました。
こうした取り組みを進めていくと、実はこれまで相談窓口がなかっただけで、農村での暮らしを志向する人(しかも大都市三ノ宮まで30~40分!)がたくさんいることが分かりました。
農村地域に仕事がない?
一方で、農村での暮らしのネックとなるのが「仕事」です。一般的に、農村地域の仕事は、多くの雇用によって成り立つものではなく、それぞれが個人事業や家族経営として生計を立てています(個人的には、その各自が自律した働き方の集合体として農村が存在している感覚がとても好きなのですが)。
そのため、雇ってくれるような組織や会社が極端に少ないことから、
「移住だけでなく、仕事を創るサポートもセットで必要ではないか?」
という仮説から生まれたのが、神戸の農村、つまり北区、西区における、新しい事業や仕事の創出を支援するこのスタートアッププログラムです。
創業の形は、多様である方がおもしろい
このように書くと、
「農村で住むためには、誰もが会社を辞めて起業を目指すしかないのですか?」
ということになりますが、そうではありません。
農村のビジネスは、単体の事業だけで生活に必要な売上や利益を確保していくのはとても難しいと言われています。
また、かつての生業を想像してみると、農家の暮らしは、春から秋にかけ米や野菜をつくり、冬には日本酒の杜氏や、大工や茅葺き職人のお手伝い、また加工品づくりなど、複数の仕事をお互いに与え合いながら生活を成立させてきたのではないでしょうか。つまり、どこか1か所に所属し続ける、または同じ仕事をし続けるという働き方は、ここ数十年だけの特異な働き方である可能性もあります。また近年では、こうした過度な分業制への揺り戻しから、副業の解禁や、複業で働くといった流れもあります。
つまり、創業に正解や王道と言われる形はありません(言い切りましたが、個人的見解です…)。
しっかり資金を投入してビジネスを興していく形もあれば、小さな仕事をローリスクで複数育てていく形もあるでしょう。
また、会社を辞めずに休日を活用して副業をつくる形や、プロボノ(専門性を活かしたボランティア活動)として農村に関わり、金銭とは異なる対価を得ることによって生活の張りが出るかもしれません。
そして、必ず農村地域へ移住をする必要もありません。神戸は、農村の周辺に住宅街が広がっており、平日は駅やスーパーが近い便利な生活環境で暮らしながら、土日は15分車を走らせて農村でビジネスをするような形も大歓迎です。
神戸だからできる、新しい都市農村共生の形を
改めて、農村とは何なのでしょうか?
農村は、農作物を生産する場所です。人々の食を支える不可欠な場所です。
直接的でなくとも、様々な形で農村に関わる人たちが増え、食糧生産環境を守り、豊かなエコシステムをつくっていく。小さなことでも、何かを生産したりつくり出したりする行為は、人間にとってとても大切な営みではないでしょうか。
神戸は、約150万人のマーケットがあります。
神戸は、都市部と農村部を30分で行き来できる地理的環境があります。
そんな神戸だからこそできる、新しい時代の都市農村共生の仕組みがあると信じています。
創業を通して、ぜひ一緒に、神戸から新しいライフスタイルを創り出していきましょう。
このnoteでは、卒業生のストーリーを紹介していきます。
どうぞよろしくお願いします。