「今度○○のギネス記録に挑戦します。取材に来てもらえますか」。年に何度となく新聞社にはこんな取材依頼が寄せられます。
挑む記録にどんな価値があるかはよく分かりませんが、ギネスそのものが万人に周知されていること。達成すれば「世界で初めて」と認定されることなどから、「取り上げる価値がある」と判断し、大半は記事にしています。
こんにちはド・ローカルです。かつて私も取材に足を運んだことがありますが、個人的には「すごいことを成し遂げた」と驚くことは少なく、むしろ「世の中にはこんな記録があったんや」「よくこんなことを考えついたなあ」など、競技そのもののユニークさに感心します。
上記の写真は2014年11月1日、宝塚市の武庫川河川敷で市民ら4395人が1列に並んでラインダンスを踊り、ギネス認定された時のものです。「1万人のラインダンス」と銘打って参加者を募りましたが、集まったのは半分以下の4395人。それでも、これまでの記録が2569人だったため、大幅に記録を塗り替えました。ただ、この人数が1列に並んで踊ったため、取材する身としてはパノラマで撮影してもレンズに入る人数はしれており、その迫力をうまく写真で表現できませんでした(笑)。
新聞社のデータベースを調べてみると、数々のギネス記録が出てきます。その中から「なんじゃこれ?」と私が推す記事を紹介します。
線香花火1713人一斉に 宝塚でギネス新記録達成
またまた宝塚市民の挑戦です。相当ギネスに熱心な市民の方がいらっしゃるのでしょう。それにしても線香花火の記録に挑み、達成を祝って打ち上げ花火を上げる。こっけいな感じがするのは私だけでしょうか?
1029人腕組み「乾杯!」 宍粟でギネス記録
腕組み乾杯。コロナ禍の昨今では挑戦するのは難しいくらい〝密〟なイベントですが、よくこんな記録を探してきて、挑む心意気に感心します。
続いては音楽分野の記録をご紹介します。
マトリョーシカ型の楽器「マトリョミン」 289人が演奏 神戸でギネス認定
マトリョーシカは知っていましたが、楽器があることは初耳でした。参加されている方々の真剣な目力に圧倒されます。確か神戸にはマトリョーシカの職人さんもいらっしゃって、市民には広く愛されている民芸品です。
「最も長い絵馬の列」に挑戦 加古川でギネス新記録
これもなかなかの〝珍ギネス〟です。少しでも隙間が空いたり、重なったりしては認定されない。かなりの技術が求められますよね。主催が兵庫大学の「サプライズ企画部」とは。ほかにどんなサプライズを考えていたのか気になりますよね。
まだまだあるのですが、最後に3つの記録をまとめて1枚の写真=下記=に収めました。左側が丹波市内の高校生ら408人がビデオ会議アプリ「Zoom(ズーム)」を使い、丹波栗のモンブランを一斉に食べる競技に挑戦。291人が同時に食べたことが認定され、ギネス記録となしました。
右上が洲本市で行われた生のタマネギ1個を食べる速さを競う「たまねぎ早食い選手権大会」で、210グラムの生タマネギの早食い記録(48秒)に挑み、神戸市の男性が3秒早い45秒の記録を打ち立てました。右下は神戸市東灘区のサンシャインワーフ神戸に設置された「長さ世界一のうんてい」です。ギネスに認定された長さは、149・992m(はしごの数:556本)でした。
人は何故ギネス記録に挑むのか? オリンピックで金メダルを取ったり、ノーベル賞を受賞したりするほどの世界的偉業ではないですが、人生の中で、ちょっと元気が出たり、誇らしかっり、暮らしている町が盛り上がったり…。前向きに生きていけるきっかけになるからなのかもしれません。
<ド・ローカル>
1993年入社。ギネス記録達成の記事ばかり取り上げましたが、取材に行って失敗に終わるケースも結構あるんです。挑戦者は長い歳月をかけ、かなりの準備をしてくるので、失敗に終わった時の会場の空気感はなんとも言えません。機会があれば、その様子もお伝えしたいと思います。
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