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ブームは続くよ レトロな魅力の新スポット

こんにちは、ぶらっくまです。関西はここ数日、梅雨明け前ですが夏本番のような暑さが続いています。皆さん、お元気ですか。熱中症にはご注意を。

今回のテーマは「レトロ」です。「若者に昭和レトロがブーム」といったニュースを目にするようになって結構たつ気がしますが、ブームは続いているようです。数日前には、こんなイベントが神戸新聞で紹介されました。

昭和レトロ楽しんで 大丸神戸店で企画展

高度経済成長期の街並みを再現する「昭和なつかし商店街」のイメージ(大丸神戸店提供)

 近年、Z世代と呼ばれる若者らを中心に「レトロブーム」が続く中、昭和の世界をどっぷりと楽しんでもらおうと、大丸神戸店(神戸市中央区)は7月5~21日、「昭和レトロ展」を9階イベントホールで開く。
 純喫茶のクリームソーダやレンズ付きフィルム、レコードに代表される「レトロブーム」。当時人気を博した食品や生活雑貨などの「復刻」も相次いでいる。
 今回の企画では、高度経済成長期の商店やお茶の間を再現した「昭和なつかし商店街」、映画ポスター、俳優の等身大パネルなどを展示。輪投げや射的を楽しめる縁日も登場する。家庭用テレビゲーム機「ファミリーコンピュータ(ファミコン)」も無料体験できる。
 元町商店街で1969年から営業する「喫茶ポエム」が期間限定で出店し、鉄板ナポリタン(950円)やクリームソーダ(750円)を提供する。岐阜・飛騨高山の専門店による雑貨販売コーナーもある。
 一般・大学生600円、中高生400円、小学生以下(保護者の同伴が必要)は無料。会場内の催しは一部有料。
 会場前では開催期間中、昭和の大丸神戸店の写真展を催すほか、6、7日には神戸大ちんどんサークルが登場する。

7月4日付 神戸新聞朝刊記事より
往年の映画ポスターの展示イメージ(大丸神戸店提供)
元町商店街の「喫茶ポエム」が期間限定出店で提供するクリームソーダ(大丸神戸店提供)

上の記事でも少し触れている「レコード人気」については昨年、次のような記事を掲載しました。レコード店は私もたまにのぞくことがありますが、こんなホテルがあるとは知りませんでした。

なぜ?レコード人気再燃/生産 年200万枚に迫る/中古価格高騰/日本の70~80年代楽曲 海外でブーム

レコードとプレーヤーが設置された客室=京都市中京区車屋町、エースホテル京都

 アナログレコードの人気が再燃している。昭和の文化やアナログな商品などに若い世代が興味を抱く「レトロブーム」の広がりや、新型コロナウイルス禍で1人で音楽を楽しむ時間が見直されたことなどを背景に、ここ数年で中古レコードの取引価格が高騰。一時期落ち込んだ生産数も、年間200万枚に届く勢いだ。とはいえ、定額利用のデジタル配信「サブスクリプション」(サブスク)が主流の時代になぜ? 背景を探った。

 一般社団法人日本レコード協会(東京)によると、レコード生産数は1976年の約2億枚をピークに減少。2000年代には約10万枚まで落ち込んだが、09年から増加に転じ、17年以降は毎年100万枚以上が生産されている。21年には約191万枚と、約40億円の市場規模となった。
 復権の要因には、レトロブームに加え、日本にとどまらず、交流サイト(SNS)を利用する若者を中心に「昔の音楽」の魅力を再発見する動きがある。
 動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」では、「シティポップ」と呼ばれる日本の70~80年代の楽曲でダンスを踊るのが世界的ブームに。泰葉の「フライディ・チャイナタウン」、松原みきの「真夜中のドア~stay with me」は海外でリバイバルされ、デジタル音源で聞くだけでなく、当時の中古レコードを手に取る若者も増えているようだ。
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 「レコード店なんて超下火の時代。『まだあるの?』と言う人もいた」。神戸市中央区元町通1のレコード店「はんしゃ」店長の槇山悠さん(42)が、05年に店を構えた当時を振り返る。
 だが程なく海外でレコード人気が再燃し始めた。08年に米国のレコード店関係者らがレコードの魅力をアピールするイベント「レコード・ストア・デイ」(レコード店の日)を開催し、やがて毎年の世界的行事に拡大。槇山さんの店でも、保存状態の良い日本の中古レコードを求めるインバウンド(訪日客)が増えた。
 日本と海外の温度差を長らく感じていたが、数年前から日本でもじわじわと人気に。「サブスク配信をしていない山下達郎のレコードはブーム前に500円だったのが、今では約1万円に値上がりして入手困難」というから驚きだ。
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 20年開業の「エースホテル京都」(京都市中京区車屋町)は全室にレコードプレーヤーを設置。客室に日本と海外のレコードが計5枚置かれ、ロビーで貸し出しもある。宿泊客は30~50代が中心で、担当者は「レコードを初めて体験する層と懐かしく感じる層に分かれてはいるが、音楽を聞きながら部屋でゆっくり過ごされる方が多い」。デジタル世代には、音飛びのノイズなどノスタルジックな味わいも新鮮に映るようだ。
 同ホテルのレコードを選定している大阪市中央区の中古レコード店「レアグルーヴ」オーナーの佐藤憲男さん(43)は「サブスクの配信で聞いたアーティストのレコードを求めてやってくる日本の若者も増えている」。星野源や藤井風らレコードを発売する人気の若手歌手も増えており、「配信とレコード販売は対極と思われがちだが、実はレコード店が受けている恩恵は大きい」と話す。

2023年1月28日付 神戸新聞夕刊記事より
オーナーの槇山悠さんが選んだ名盤が並ぶレコード店「汎芽舎」=神戸市中央区元町通1

次は淡路島にオープンした、こだわりが詰まった昭和レトロなお店です。

赤ポスト、赤電話、懐かしい菓子のポスター、看板…/昭和レトロな純喫茶人気/淡路島の福栄珈琲店/店主のこだわり随所、コーヒーも厳選

昭和レトロな空間でコーヒーを味わうことができる=兵庫県南あわじ市神代社家

 タマネギ畑が広がる兵庫県南あわじ市神代社家の静かな通りに、青い屋根と昔ながらの赤いポストが目を引くカフェがオープンした。同市福良出身のふく眞人さん(46)が会社員から転身し、開いた「GOOD TIME(グッド・タイム) 福栄珈琲店」。純喫茶風と昭和レトロ風の2つのこだわり空間でコーヒーやトーストなどを味わえ「疲れた心を癒やし、また来たいと思ってもらえる店にしたい」と夢を膨らませる。

 2023年3月21日に開店し、提供できる料理や飲み物は徐々に増やしている。
 ウルトラマンのフィギュア、ダイヤル式の赤電話にテレビ、昭和期に売り出された菓子や薬のポスター、看板…。扉を開けると、左側の部屋は約千点の雑貨で埋め尽くされている。
 「タイムスリップできる」「昔に戻ったみたいで懐かしい」。しばし時間を忘れて過ごす客も多い。
 右側は純喫茶スペース。カウンター内の棚に色とりどりのカップが並び、しっとりと落ち着いた雰囲気にコーヒーの香りが映える。
 27年間、自動車製造業の会社に勤めた福榮さん。働く中で人生を見詰め直し「同じ努力をするなら好きなことでしたいと思った」。
 22年5月に退職した。元々空間作りが得意だった。加えてコーヒー好き。両方を生かし、喫茶カフェを開こうと決めた。
 「一切、妥協しない」。そんな思いで理想の店内、メニューを目指す。
 中でもこだわるのはコーヒーだ。オリジナルブレンド、シングルコーヒーなど約7種類をそろえる。「自分が本当においしいと思った豆を使う」ときっぱり。ばいせんはプロに頼む。
 「薄くも濃くもない、コーヒーのいいとこ取りをした味を追求している」といい、開店まで何度も分析を繰り返した。
 既にリピーターが多いといい、「お客さんにコーヒーの味を想像以上にほめてもらえた。やってきたことは間違っていなかったのかもと感じ、うれしい」と笑顔を見せる。
 火、水曜休み。GOOD TIME 福栄珈琲店☎0799・58・0181

2023年6月20日付 神戸新聞朝刊記事より抜粋
GOOD TIMEブレンドとピザトースト。福榮さん(奥)がコーヒーを準備中=兵庫県南あわじ市神代社家

最後は昭和より遥かに時をさかのぼり、築140年超の建物を生かしたお店です。心地良さを追求して改装し、レトロモダンな空間に生まれ変わりました。お店の営業形態もユニークです。

築140年の元金物店、風情そのままに改装/レトロモダンな本・酒店に/姫路/商品棚を生かしシェア型書店/地下に「角打ち」やパン販売も

2階の回廊からはシェア型書店の本棚が見下ろせる=兵庫県姫路市網干区新在家

 姫路・網干の橋本町商店街で10年以上閉まっていた築140年超の商家が、書店と酒店の機能を兼ね備えた「本と酒 鍛冶六」(兵庫県姫路市網干区新在家)として再びのれんを掲げた。土間を見下ろす2階の回廊や洋風の応接間、ひし形の窓枠などモダンな造りは昔のままに、心地よく過ごせるよう改装した。店主の浜田大規さん(30)は「外から来た人も地元の人も、誰もが気軽に立ち寄れる店にしたい」と話す。

 前身は明治初期創業の金物店。2011年まで、4代にわたり商いを続けた。18年、隣接する元銀行がレストラン「旧網干銀行湊」として改装される際に、同倶楽部のオーナーが駐車場用地として取得。しかし、建物に趣があったことから取り壊しを思いとどまり、保存していた。
 その後、同倶楽部の従業員でもあり、酒好きの浜田さんらが別会社を設立して店舗運営に当たることに。観光拠点整備のための国の補助金を活用して改装を進め、23年5月に本格オープンした。「鍛冶六」は創業者永尾六兵衛の名に由来する金物店の屋号を継承した。
 地上2階、地下1階建て。1階の玄関を入ってすぐ、まず左右の壁に作り付けの商品棚を活用したシェア型書店が目を引く。本を売りたい人が専用のスペースを借りて陳列するシステムで、棚が多い元金物店の構造を生かした。ちなみに利用者のことはたなをもじり「棚子」と呼ぶ。現在、約20人が契約している。
 酒店は、地下に続く階段を下りた先にある。穴蔵のような空間に、手に入りにくいという佐賀県の地酒などが所狭しと並ぶ。買って帰ることもできるが、簡単なつまみとともにその場で味わう立ち飲み「角打ち」としても楽しめる。
 さらに、湊倶楽部の料理長がプロデュースしたパンの店舗としての側面も。四角い「キューブパン」4種(各330円)を月4回販売している。1階で売っているコーヒーやジュースと一緒に、2階の和室や回廊で座って食べてもいい。2階ではワークショップや展覧会の利用も見込む。
 午前10時~午後7時。不定休。パンは月4回の販売。鍛冶六☎079・280・4347

2023年9月14日付 神戸新聞朝刊記事より抜粋
書店の棚には「棚子」イチオシの本が並ぶ=兵庫県姫路市網干区新在家
築140年超の商家を改装した「本と酒 鍛冶六」の外観=兵庫県姫路市網干区新在家

〈ぶらっくま〉
1999年入社、神戸出身。近頃、新しい音楽やファッション、ドラマなどでも、どこか懐かしさを感じさせるものが多くなった気がします。といっても昔に流行したものと同じではなく、うまく現代のセンスと融合させているのがポイントでしょう。ファッション業界に「20年周期説」があるように、それも当然のことなのかもしれませんが。そうした循環の中からまた、新しいブームも生まれてくるのだと思います。