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【神戸新開地〜福原】シンカイチの人と思い出

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『定年後』(中公新書/2017)で25万部超えの大ベストセラーをかっとばし、『定年準備』『定年後のお金』『転身力』とヒット連打で、最新刊『75歳からの生き方ノート』(小学館)を出… もっと読む
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2023年4月の記事一覧

第3回 神戸・新開地「橘小学校の校門前から」

第3回 神戸・新開地「橘小学校の校門前から」

ノスタルジーの持つ力

かつて聞いた音楽を久しぶりに耳にしたときには、懐かしさとともに当時の場面が思い浮かぶときがある。
「木綿のハンカチーフ」(太田裕美)のイントロと彼女の甘えたような声を聴くと、曲のメッセージよりも、学生時代にやるべきことが見つからず焦っていた気持ちや、なぜか新開地本通りのパチンコ台の前に座っていた姿が蘇ってくる。

老人施設で、子どもの頃に流行った曲を一緒に歌うと一気に盛り上

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第2回 神戸・新開地「薬局の近所の人たち」

第2回 神戸・新開地「薬局の近所の人たち」

歓楽街にも日常生活がある

前回は、子どもの頃の薬局から見た風景を中心に書いてみた。

1905年に旧湊川を埋め立てた跡地である新開地本通りが、映画館や演芸場、飲食店、パチンコ店がずらっと立ち並ぶ当時のもっとも賑やかな場所だった。

その東側の南北に走る桜筋と、柳筋が色街である福原の中心である。薬局は柳筋の一本東の通りにあった。住所表示でいうと、兵庫区西上橘通である。「サウナKRC」があった通りと

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