第21回 神戸・新開地「淀川長治を生んだ映画の街」
チャップリンとの出会い
新開地の映画館へ連日通い続けていたという淀川長治さん(1909年〜1998年。以下敬称略)の話は地元でもよく聞いていた。
当時、毎週日曜午後9時からの『日曜洋画劇場』で、「ハイ皆さん、こんばんは」から始まり、映画解説をするテレビ画面の淀川の姿は印象的だった。
ビデオテープやDVD、インターネットでの配信のない時代は、映画は映画館のスクリーンで観なければならなかった。数多くの映画館が立ち並ぶ新開地近くに住んでいた私たちは、比較的手軽に映画にアクセスで