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神戸市長田区のイメージ向上を考える~ワークショップ開催に至る経緯~

長田区まちづくり課職員のジョウです。
記念すべき神戸市長田区公式noteの記事第1号をお届けします。


2021年8月から9月にかけて、神戸市職員を対象とした「長田区生き残り戦略ワークショップ」(全4回)を開催中です。

本記事では、ワークショップをどのような経緯で開催することにしたのか、事務局の我々の整理もかねて、書いていきたいと思います。


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思い返せば、2020年のとある日。長田区長から、まちづくり課の職員である我々に、「長田区のイメージを上げるにはどうすれば良いか」というお題が与えられました。

魅力をアピールして移住促進するということ?それだったら子育て世帯にアピール?
長田区って交通の便が良い割に家賃が安いし、大学生にアピールしたら受けがいいかも?

どの方向から攻めていくのがよいか、そもそもどんなまちの姿が理想的なのか、職員同士で、時には区民と、ああでもないこうでもないと話し合いました。

その結果、まずは、長田区役所および新長田合同庁舎の職員(主に税関係の業務に従事。庁舎が長田区にあります。)を対象に「長田区生き残り戦略ワークショップ」を開催することにしました。

どういう流れでワークショップをするに至ったか飛躍していてよく分からないと思いますので、何に着目して「神戸市長田区のイメージ向上」のためにワークショップを開催することにしたのか、段階を追って綴っていきます。最後までお付き合いください。

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1.神戸市長田区のイメージって?

神戸市長田区と聞いたときに、なにをイメージされますか?

阪神・淡路大震災の甚大な被害を思い浮かべる方もいらっしゃると思いますし、こなもん・ぼっかけ・そばめしなどの食べものを連想する人もいるでしょう。シンボルとして鉄人28号のモニュメントを連想する人や、ケミカルシューズに代表されるようにものづくりが盛んなまちという印象をお持ちのもいらっしゃると思います。

長田区と言えば、ここ最近ビーチサンダル発祥の地って言って盛り上げてるよね、と思われる方がいらっしゃれば、長田区の動きにかなり詳しい方と言って間違いないです。

一方で、治安面などで悪いイメージを持っている方もいらっしゃると思います。

いやいや、神戸は知ってるけど、長田は初めて聞いたという方もいらっしゃるのではないでしょうか。全国的にみれば、知らないって人の方が多いかもしれません。


さて、ここからは、データを少し見ていきましょう。

住みたい自治体ランキング(リクルート発表)では、神戸市内にある9区のうち、長田区は毎年最下位です。大東建託が発表した「街の住みここち 自治体ランキング2021<兵庫県版>」では、なんと圏外という結果に(神戸市内の9区中でも最下位・・・)。
なかなか魅力的に映っていないという現状があるようです。

次のデータを見てみます。
空き家率や高齢化率、人口減少率は、神戸市内の9区中でもっとも高く、出生数は最下位、出生率は下から3番目となっています。このままで大丈夫なのか、だんだん不安になってきます。
*空き家率・・・18.3%(平成30年総務省統計局 住宅・土地統計調査結果より)
高齢化率・・・33.3%(令和3年3月31日現在住民基本台帳に基づく人口より) 
人口減少率・・・0.97%(令和2年10月1日現在の人口より算出)
出生数・・・542人(2020 年中の人口の動き(神戸市企画調整局企画課作成)より)
出生率・・・5.75‰(2020 年中の人口の動き(神戸市企画調整局企画課作成)より)

お先が暗くなるようなデータを紹介しましたが、果たして長田区の未来は暗いのでしょうか?

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2.神戸市長田区のイメージ向上を考えるうえで注目していること

長田は、神戸の都心・三宮へのアクセスが良く、電車で約10分と都会に近い環境です。それにもかかわらず下町的な顔が見える人間関係が残っていたり、近年はアーティストやクリエイターなどの移住が増加傾向にあったりします。尖った事業や面白い活動をされている人が多く、人が人を呼ぶ状態が加速しています。

下町的な人間関係が残っていることと、アーティストやクリエイターなどの移住には、実は関係があるのではないかと思っています。下町特有の寛容性や、おせっかいな人柄、面白い人を受け入れる豊かな風土があるからこそ、アーティストやクリエイターをはじめ、新しいことにチャレンジしたいという意欲的な人達にとって長田区は魅力的で、活動する場所として選ばれているのではないかと考えています。新しい人も加わることで、下町的な人間関係がさらに豊かになっているとも捉えられると思っています。

ここまでを整理してみると、ネガティブなデータがたくさんある長田区ですが、とても可能性を秘めた面白いまちに見えてきませんでしょうか。

誤解のないように申し添えるのですが、近年アーティストやクリエイターが集まってきているというのは、あくまでも長田区の魅力の背景や理由を考えるために着目したことです。長田区として、今後アーティストやクリエイターにどんどん集まってきてもらおう!と考えています、ということではありません。

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3.神戸市長田区をどんな街にしたいか

長田区のイメージ向上を考えていく過程で、長田区をどんな街にしていきたいかという理想像を明確にする必要性を感じました。

そこで考えたことは、「行政の職員数は減る一方で住民のニーズは多様化する。そんな中で、誰にとっても暮らしやすい街であり続けるためには、行政が提供するサービス以外にも、区民自らが互いの助け合いや協働によって地域の困りごとを解消したり、より住みよいまちにしたりする動きが活発に起こっていることが必要なのではないだろうか」ということでした(個人的な見解・思いも含まれています)。このような活発な動きがあれば、例えば子育て、防災、健康、福祉、環境といったさまざまな面で暮らしやすい街になっていくのではないでしょうか。

このような状態に近づけるために、自分たちで自分たちのまちの課題解決ができるような人間関係を築ける人に長田区に関わってもらえるようにしていきたいと考えています。言い換えると、長田区のことを知って、面白さを感じてもらい、自分の居場所として長田区を意識して、どう関わっていけるのかを考え続けてくれる人が増えて欲しいと願っています。

そういった方を増やしていくために、まずは、長田区に関わってもらいたい人はどういう人物像なのか、どういう行動や考え方をしていて、どうすればそんな人達に長田区の良さを届け、関わりたいと思ってもらえるのか、について考えてみることにしました。

そこで、その人物像を考える方法として、神戸市職員対象の「長田区生き残り戦略ワークショップ」を開催する運びとなりました。ようやく、開催に至った経緯にたどり着きました。ややセンセーショナルなタイトルですが、長田がこれからも長く愛されるまちであるためには、長田に関わろうとする人をどう増やしていくかが生き残りの鍵になるという意図で命名しました。

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4.ワークショップという形式を選んだ理由

ワークショップという形式を選んだ理由には、2つあります。

1つ目は、多様なメンバーが集まることが期待できることです。神戸市職員と一口に言っても、今までの経験や関心のあること、仕事で携わっていることは多種多様です。そんな職員が集まってグループを組み、それぞれが感じたことや考えたことを表明しながらグループでお題について考えていくことで、1人では思いつかないような発想ができるのではないかと思っています。ワークショップで生まれた素晴らしいアイデアを、事務局がありがたくいただき、次年度以降に実現していきたいという下心もちょっぴりあります。

2つ目は、仲間を増やしたいという想いです。普段からまちの方々と接する機会の多いまちづくり課の職員だけでなく、それ以外の部署の職員もまちの方々と接したり触れたりする機会を通じて刺激を得て欲しいですし、長田区のことをこれからももっと考えていきたいという風に思ってもらえると嬉しいなと思っています。そんな職員が増えることも、長田区のイメージ向上に不可欠なんじゃないかと思ったりもしています。

メンバーを公募したところ、10名もの職員が応募してくれました。参加動機を書いてもらったエントリーシートには、事務局が想定していたよりもびっしりと書いてあり、溢れ出る想いの数々に思わずこみ上げるものがありました。

最終回のレポートか!という感じになってしまいましたが、まだワークショップが始まる前です。

今後、ワークショップの開催の様子をお届けしていきます。

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