写真の「空気感」とは

写真の「空気感」という言葉があるが、空気感とは何なのだろう。

確かサプリという漫画に「写真の空気感」というような言葉が出てくる。空気感という表現だったか分からないが、一瞬で心を引き込む写真の空気感について、書かれていた。

サプリという漫画は、主人公の広告代理店のOLが仕事や恋愛に理不尽な目に合いながらも奮闘する話だ。ドラマ化もされたと思う。主人公の女性は、28歳くらいで、CM制作に携わっている。どういう仕事かというと、アートディレクションだ。要は、メーカーなど依頼主と打ち合わせし、どういったCMを作るか企画し、撮影会社や女優などを手配し、CMを作成する仕事だ。

主人公の藤井は、恋愛で悩みキツい思いをする中、あるカメラマンの自己紹介ファイルの、風景写真をたまたま見る。その時の写真の表現として「その場の空気が一瞬で分かるような、そんな写真に出会えることがある。まるで、その場にいるかのような」と漫画内では書かれる。(記憶があいまいだけど、そう書かれていたかと)

様々な写真を見てきたが、ひとつの答えがこれなのだと思う。その場の空気感が、伝わる写真。SNSでも、ほんのたまにそういう写真に出会える。前に、Twitterで霧が立ち込める森の中の鳥居の写真を見た。不思議なのが、その写真はモノクロなのに、朝の霧の中だ、と分かるのだ。昔、そういう朝霧の中の神社に行ったことがあるから、その記憶が呼び起こされたのだろう。色がないのに、朝だと分かる。

湿度かな、と思う。その写真には、湿度があった。湿度と書いたが、もしかすると空気感とは、被写体とカメラの間にあるもの(湿度つまり空気中の水蒸気、細かなごみ、光)が映ったものかもしれない。

写真の中の光や色、質感はレタッチである程度後づけできるが、湿度は出来ない。何か方法があるのかもしれないが、やり方が全く分からない。見当がつかない。

また、そういう空気感が分かる写真に出会えるのを楽しみにしている。

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