見出し画像

「新長田を彩るプレイヤー 〜社員と共に追求する、靴の美学〜」 -Part4-

株式会社 ロンタム
取締役社長 神農 英道さま

----------------------------------------------------

コロナ禍こそ社員を守る経営をするワケ

-記者-
“靴の美学“の話がありましたが、
社員の働く環境についてもこだわるとアンケートに記入されてますね
-神農さん-
僕らの業界の中では、他社と比べてめちゃめちゃこだわってるっていうだけで、一般企業としては当たり前のことやと思うんです
けどなかなかね、それが出来る世界じゃないんで
そういう意味ではうちは福利厚生も力をいれているんです

画像2


職場環境もそうですけど、何よりも福利厚生の面で休日や有休とかいう部分では、この業界の中ではそれなりにやっている方じゃないかと思います
-記者-
そもそもこういった想いを持たれるようになったのはいつ頃ですか?
-神農さん-
去年僕の代になっていきなり労働基準監督署が訪ねてきて
あれやこれやそれはもう色んなことを指摘されて、それによって色々勉強しましたね
この一年かけて整えたあと、労働基準監督署の人がこの前また来てくれて「ようここまで整えてくれましたね」って言ってくれました
いいタイミングでね、労働基準監督署がきてくれたんじゃないですか
ちゃんと社員の働く環境を整えずに、うまいこと逃げてグレーにしてたところで
まあ先はないんかなあと

画像1


-記者-
きっかけとしては労働基準監督署が訪問されたからですか?
-神農さん-
めちゃめちゃ大きいですね
その前から少しずつ改善はしてきましたけど、指摘されてドーンと背中を押されましたね
僕らみたいな製造業者は年配の方が多いんですけど
そうなると、福利厚生や社会保険の申告がよく分からん方もいるかもしれませんね
でも、そういった環境が整ってないのに誰が入社してくれるのって思いますよね
-記者-
確かに、福利厚生が整ってる会社の方がいいですね
-神農さん-
僕の会社は、社員の働く環境を整えることに力を入れてて、色んな若手の人が集まってきてます
その分負担も大きいけど、やっぱり土台を作っていかないと
僕らは売り先も大手の上場している会社が多いから、福利厚生面をちゃんとしていない会社に仕事を出すのかといったところも問題になってくる
そういう点も含め、僕らが福利厚生にこだわりを持つ理由があるんです

画像5


昔はそんなことは必要でなかった、でも今は大半の業界が福利厚生をちゃんとしているからなかなかこの業界に若い人が集まらないというね
本来は夢を持って入れる産業にしていかないといけないんだけど
ほんとに何も出来てない・・・
-記者-
この産業の未来を考えたときに人がまず入ってこないといけないということですか?
-神農さん-
そうですね!
どこでどうなるか分からんけど作るためには人がいないと作れないので
例えば僕らはファッションものなんで閑散期と繁忙期というのが乱雑に起こるんですよ
去年はこうやった、っていうのが通用しないんですよね
特にコロナなんてこうやって起こっちゃうと本当に予測がつかない
-記者-
その時々のファッションの流れに合わせて仕事をしていく必要があるということですね
-神農さん-
そうですね
“社員の大切さ”ということでいうと、
令和2年の5月、6月、7月に雇用調整助成金をうまく申告できず、実は何百万円かを受け取り損ねてしまったんですよね
-記者-
結構申告が難しいとニュースでも取り沙汰されていましたよね
-神農さん-
送り届けたのが一日遅れ、何百万円かパーになってしまいました
ですが、会社のお金で給料を3か月間保証しました
そのおかげで従業員が残ってくれたから、そのあと仕事がどさっと入ってきたときも対応ができて靴も作れたし、お客様からも信頼を得られたんですよ

画像4


いかに社員が大事かということをそこで初めて痛感して、全てしっかりしておかないと、多くの生産依頼があったときに乗り越えられないということを知り勉強になりました
工場環境もそうだし、福利厚生もそうだし、当たり前のことなんですけどね
-記者-
当たり前をいかに実践していくかというのはすごく大事ですよね


-記者-
社長になられてからは、社員の方の人生を背負うわけじゃないですか
やはりそのプレッシャーというのは私たちでは想像できないものなのかなと
-神農さん-
そうですね、コロナの影響があって、
やはり従業員の削減をせざるを得ないのかと思うこともあったんですが、
それこそ去年、従業員の大切さを知ったことを思い出しまして・・・
今からね、もう秋冬物の注文がやって来る頃なんで
その分を作っていかないと、逆にまたお客さんの信頼失ってしまうことになりますし、
だからもう今が耐え時で、耐えないと次のステップに行けないですよね
-記者-
そうですね
未来を考えつつ、目の前の仕事をこなさないといけないですよね

画像3


この記事が参加している募集

この街がすき

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?