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書籍紹介①入社1年目の教科書

 「俺が言いたいことは全部この本に書いてあるから、この本を読め」
先輩にそう手渡されたのがこの本です。私がまさに入社1年目のころだったかと思います。折に触れて、何度も読み返してきた書籍です。2011年の書籍ですので、流石に古びた内容もあるでしょう。それでも、今でも重要だな、と思う点はいくつもあり、自分の仕事のやり方や考え方のベースになっている本の一つです。

 この本では、3つの仕事の原則と、50の仕事の指針が記述されているのですが、その中でも、特に自分の基礎になっている/印象に残っている部分を5つ、紹介します。

5つの項目

  • 【原則2】50点で構わないから早く出せ(p.5)

  • 17.情報は原典に当たれ(p.84)

  • 25.社会人の勉強は、アウトプットがゴール(p.117)

  • 【コラム2】70歳になっても勉強し続ける意味(p.132)

  • おわりに(p.220)

Ⅰ 【原則2】50点で構わないから早く出せ(p.5)

 突然ですが、あなたは見栄っ張りな方ですか?恥をかきたくないと思う方ですか?叱られたり、ダメ出しされるのが嫌いですか?どんなものでも完璧な仕事を追求してしまいますか?

 私は全てあてはまります。特に、かっこつけたり、自分を良く見せたりしがちな傾向があります。そんな方こそ気をつけて欲しいのがこれ。
 
 書籍に書いてある通り、アイデアだろうが、企画書だろうが、作りこんで没になるより、途中段階で早めにみせた方が明らかに効率は良いですし、意見をもらうことを躊躇する理由はないです。なのに、作りこみたくなっちゃうんですよね。私の場合は、この理由の一つに、自分の能力を認めて欲しい、という意識がある気がします。こんな意識をもつのはくだらないと分かってますが、まぁもうこれは治らないですね。
 私と同じような性格の方は、自ら恥をかきにいく、くらいの意識でいくと、この50点で構わないから早く出せ、が実践できるかと思います。自分から怒られにいく、ダメ出しを受けにいく、という意識。ちなみに、逃げ腰になって怒られたくないな、、、と思っているのに怒られるのと、怒ってください!という態度で向かって怒られるのでは、自分のダメージも大分違います。今はあまり、怒る・叱る、といったことが職場ではないかと思いますので、優しく改善点を伝えてくれる方が多いのではないでしょうか。
 余談ですが、年齢を重ねて良かったなと思うのは、自分の弱みを変えよう/改善しようとするのではなく、弱みはしょうがないと受け止めて、対策が出来るようになったことですね。

Ⅱ 情報は原典にあたれ(p.84)

 この項目の情報収集の仕方を、そのまま私も真似しました。参考文献から、芋づる式に1次情報まであたる。答えてくれなそうな人や企業にもとりあえずきいてみる。その2つが書いてあります。2つ目の、「とにかくきいてみる」というやり方は、前述の、恥をかくことに慣れる訓練としても良いかと思います。
 新しい仕事を担当する際に、どうしたらいいかわからず思考停止してしまう方がたまにいますが、そういう時はとりあえず調べてみることをオススメします。「無駄に情報収集せずに、まず仮説をたてつつ調べる」というのがベストですが、戦略立案や企画に慣れていないと、いきなり仮説たてようとしても難しいことが多いです。出来る方もいるかと思いますが、少なくとも私には無理でした。
 今考えると、変に仮説をたてようとして考えるよりは、まず調べる、という行動から始めるべきだったなと思います。悩むより行動。

Ⅲ 25.社会人の勉強は、アウトプットがゴール(p.117)

 社会人に限らずだと思いますが、学んだことは、実際に使わないとほぼ確実に忘れます。よく言われることですが、勉強のこわいところは、インプットしただけで、自分でも出来るような気になってしまうこと。インプットしたらアウトプット、これを習慣化することが重要です。
 私の経験上、一番効率が良いビジネス書の読み方は、仕事で必要な本を読んでそれを実践する、だと思います。提案をしないといけない状況に自分を追い込むと、必死で読んでアウトプットするため、身に付き方が違うのでおすすめです。例えば自分がやったことない領域の自主提案をします、といって、それに間に合うように本を読み、情報収集しながら提案書つくる、とかですね。ただ、学んだことをそのまま使うと失敗することも多いので、重要な提案には、新しい知識をそのまま使うのは避けた方が良いかとも思います。

Ⅳ【コラム2】70歳になっても勉強し続ける意味(p.132)

 このコラムでは、勉強し続ける人とそうでない人は大きな差が出ます、ということが書かれています。
 
 ちなみに皆さん、今までどんなことで勉強/練習/努力をしてきましたか?部活やサークル活動、趣味、学校の勉強、なんでもよいですが、まったく努力や勉強をしたことがない、という方は少ないのではないでしょうか。その頃の努力や努力と、今仕事でしている勉強や努力を比べてみてください。

 どうですかね?

 仕事で勉強する方は、意外と少ない。これが私の実感です。

 更に、年をとっても勉強し続ける方は、更に少ないと思います。自分の経験が蓄積されると、それである程度仕事が出来てしまうので。自戒も込めてこの本に書かれている「常に学び続ける」ということを意識しています。

 昔、もと甲子園球児の社長にお話をきいた際に「部活に比べたら、仕事なんてみんな全然努力しないんで、楽勝ですよ」とおっしゃっていたのが非常に印象に残っています。

Ⅴ おわりに(p.220)


 分かりづらいですが、このnote記事の最後ということではなく、「1年目の教科書」の「おわりに」の部分についてのお話です。

 「1年目の教科書」の「おわりに」には、テレビ出演の依頼がきた際に、岩瀬さんがどのような準備をして本番に臨んだか、が書いてあります。これが若いころの自分にとっては、非常に参考になりました。仕事の依頼がきてから、提案までどんな風に動くか、この本に書かれている内容の総括にもなっていると思うので、是非読んでみてください。

●このnoteのおわりに

 このnoteを書くにあたって、改めて書籍を読んでみましたが、この書籍に書かれていることは、私自身も結局全部は実践できていません。単純にできなかったこともありますし、昔はしていたけどやめたこともいくつかあります。読み返しすぎて内容はだいたい覚えてしまったので、読み返すことは少なくなりましたが、1年目~5年目くらいまでは、折に触れて読み返して、自分が出来ているかどうかチェックをしていました。

 なにしろ3つの原則&50項目もあるので、一気に実践しようとしても難しいかと思います。1年目の教科書といいつつ、何年も見返して使える書籍かと思うので、特に若手の皆さんは、是非読んでみてください。


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