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【第6回】「健康経営」はこうあってほしい

(1)健康経営とは

そもそも健康経営とは、

「健康経営」とは、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することです。

引用:経済産業省
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/kenko_keiei.html

とされています。

 従業員は会社の「資産」、従業員の健康増進や労働環境を整えることを「投資」と考え、従業員の生産性の向上や組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上や会社の価値の向上につながるにつながるという考え方です。
また、健康経営は、日本再興戦略、未来投資戦略に位置づけられた「国民の健康寿命の延伸」に関する取り組みの一つでもあります。
 簡単に言えば、健康な働き手をたくさん増やして、医療費も削減し、しっかり働いてもらおう!ということです。実際に企業の健康関連総コストの割合として、怪我や病気による欠勤(アブセンティーイズム)によるものが4パーセント程度なのに対し、頭痛や腰痛といった人からは分かりにくい症状で生産性が低下している状態(プレゼンティーイズム)によるものは78%と非常に高くなっています。直接費用として支払う医療費や労災保険料が18%程度なので、プレゼンティーイズムによる損失は非常に大きいです。

引用:ストレスチェックマガジン https://www.altpaper.net/b/2358

 このような損失を少なくしていくために、健康経営の取り組みを導入する企業は増えていますが、いま取り組まれているものが本当に従業員のためになっているのか?と私は疑問に思っています。

(2)健康経営の現状

 下記は2021年10月に実施された、「健康経営の実践に関するアンケート」の①健康経営実践の目的と②健康経営で実践している取組みの結果です。

【①健康経営実践の目的】
(引用:HR総研「健康経営に関する調査」2021年10月実施)
【②健康経営で実践している取組み】
(引用:HR総研「健康経営に関する調査」2021年10月実施)

 上記のアンケート結果からも分かるように、健康経営はあくまでも従業員や企業の「労働生産性の維持向上」を目的に行われており、取り組み内容もストレスチェックや労働時間や休暇の把握など、形式的に行われているものが多いです。
このようなアンケートの結果からも、本当に従業員の健康を思って取り組まれているのか、健康経営が会社都合で行われている場合が多いのではないか、と私は思っています。

(3)私が思う健康経営のあるべき姿

 上記のアンケート結果にあるような、ストレスチェックや労働時間・休暇取得の把握、管理職への教育といった形式的な取り組みでは、従業員の健康改善にはつながっていかないのではと私は考えます。また、「健康経営」となると、医療的な部分のサポートが多く目立っているのが現状です。

「健康な体は、健康な心から」
定期的なリフレッシュで日々のストレスなどを軽減し、健康な心を保つことで、健康な体が手に入ると思います。ストレスがたまると暴飲暴食をしたり、うつ状態になって体に不調が出たり、心の不健康は体の不健康につながっていくのではないでしょうか?

休暇には自然豊かな場所で、緑に囲まれてリフレッシュをする。
家族とゆったりした気持ちで過ごす時間を作る。
心が落ち着く場所と時間を作る。

医療的な部分のサポートも必要ですが、企業は従業員の「心の健康」にももっと着目してみてもいいのではないでしょうか?
健康経営の取り組みとして、心のリフレッシュや癒しの時間や空間を従業員へ提供する企業(経営者)が増えることを、私は願っています。