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現代は分別の時代。そして情熱のない時代。

私どもが運営するWEBメディアの記事ですが、私にとっては大変衝撃の大きいものでした。

「なぜ私が消費者を増やさなければならないのか」。マノンという26歳の女性はこのほど、フランスの国際ニュース専門テレビ局フランス24の取材に対し、 子供を望まない理由についてこう答えた。「西欧諸国では、利用可能な量よりも多くの資源を消費している」と主張する。 水や石油といった資源を大量に使うであろう子供を産むことで、資源が枯渇してしまうことを懸念しているようだ。フランス24は「環境問題を理由に子供を持たない選択をする若者が増えている」と報告している。

確かにその通りで、ある意味分別があると言えます。
しかし、そもそも自らの存在意義さえも否定しているとも捉えられます。
19世紀の哲学者、セーレン・キルケゴールはその著書『現代の批判』の中でこう言っています。

このように現代は本質的に分別の時代である。現代は平均しておそらく過去のどの世代よりも物知りだといえるだろう。しかし現代には情熱がない。だれもがたくさんのことを知っている。どの道を行くべきか、行ける道がどれだけあるか、われわれはみんな知っている。だが、だれひとり行こうとしない。

これが書かれて約170年後、まさにここに極まれり、といったところでしょうか。
「子供を増やさない、それが最良の道」分別くさく言えば、そうなのかも知れません。
しかし、その考えの根源は人間否定であり、その考えによる究極の行為とは人間の存在を消滅させることです。
今を生きる私たちの取るべき道はそこなのでしょうか。
私は他の道があると信じています。
そこにこそ情熱を傾けるべきだと考えます。
キルケゴールに言わせれば、「だったら早く行動せよ」なのかも知れませんが。
私はその道で、その行動にて、自分自身の存在を燃やしていきます。
今回の記事、3人の子を持つ親として、大変深く考えさせられました。


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