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コロナ、脱炭素の契機に

コロナ、脱炭素の契機に 経済マヒで温暖化ガス急減(写真=AP)新型コロナウイルスの世界的流行で温暖化ガスの排出が急減している。都市の封鎖や工場停止、航空便のキャンセルなどが相次ぎ、社会www.nikkei.com

コロナの影響により温暖化ガスの排出が急減しているようです。
気候変動問題に限って見れば良い傾向に見えますが、これは経済活動がほぼストップしたためであり、これでは本質的な解決にはなりません。
経済活動と環境負荷が連動することは、ある意味当然のことであり、むしろ既定路線とも言えます。

経済活動が地球温暖化の要因であることが明確になった形だ。ただ人の自由や雇用が失われる温暖化ガスの削減は誰も望んでいない。

とあるように、このような形での削減はいわば跛行状態のようなものであり、望まれるべきことではありません。
私たちが目指さなくてはならいのは、経済成長と環境負荷のデカップリング状態です。
デカップリングとは、「切り離し」の意味であり、ここでは経済成長と環境負荷の切り離しを指します。
つまり、経済成長はしても環境負荷の増加を招かない状態ということです。
20世紀に入り、世界経済は加速度的に成長してきましたが、これは天然資源の消費増加に支えられたものであり、それに伴い環境負荷も急激に増加しました。
これまでは経済成長と環境負荷は密接な関係にあったということです。
当然、天然資源は無尽蔵ではないことから、また、気候変動問題など数多くの環境問題を引き起こしていることからも、環境負荷を軽減することは喫緊の課題です。
かと言って、今後益々の人口増加が見込まれる今の世界にあって、必然的に経済成長も伴わなければ人々は生きていけなくなりますので、こちらを犠牲にする訳にもいきません。
やはり目指すべき姿はデカップリングなのです。
と、簡単に言ってしまいましたが、「言うは易く行うは難し」です。
人類は今、非常に難しい課題に直面しているのです。
しかし、経済活動の停滞が原因とは言え、今回「やろうと思えば、できる」ということが示されたのは重要なことだと思います。
気候変動問題もコロナの脅威に劣らぬ、いやむしろ、より大きな脅威とも言えるため、これを契機に世の中の流れが変わることを期待します。

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