紙選び
折り紙作品を本折りする際の紙について。
私が、折り紙を好きな理由の一つに、「本折りの際に使用する紙にこだわる」のが楽しいという事が確実にあります。
自作品でも、他の作家さんの作品を折る時にしても、本折りをする時に、「この作品に合う紙はどれかな~?」「どういう色にしようかな?」と色々考えます。より良い出来栄えにするために紙を選んでいる時が、私にはとても楽しい時間です。作品に適した紙が手元にない時は、紙屋さんまで探しに行くこともありますね。私は「折る」事と同じくらい、「自分の好きな紙を探す」事も好きなようです。
「折り紙」は「紙」を折るので、どういう紙を選定するかによって、できあがった作品に色々差が出てきます。どういう紙を使うかというのは、作品に及ぼす影響がすごく大きいと思います。
例えば、下はロッテのガムの包装紙で折った「オポッサム」
実際の色をイメージして紙を選んで折った「オポッサム」
紙を選んだ方が、良い作品に見えませんか?
だいたい、紙の選定が及ぼす影響としては以下のような事項があると感じています。
【色、模様】どういう色か、単一色か、色々な色を使っているのか、表と裏で色が異なるのか同じか、柄があるかないか、など → 作品の視覚的な評価に影響。
【厚さ、固さ、サイズ】どういう厚さ、固さの紙をどういうサイズで折るかによって、出来上がりが変わる。例えばコンプレックス作品など折り込みが多い場合に小さい厚い紙を選択する人はいないでしょう。
【素材】紙の繊維の長さ、塵入りなど → 紙の強度、ウェットフォールディングとの相性などに影響。
私はインサイドアウトを作品に取り入れる事が多いので、さらに、紙の表と裏で異なる色の紙を用意することが多いです。多くは、2枚の色の異なる紙をスプレー糊などで貼り合わせています。
などなど、紙を選ぶだけでも、色々気を付けてできるだけ良い作品ができるように工夫しております。いつも上手くいくわけではなく、失敗する事もいまだにありますが、上手くいった際は嬉しいものです。
さて、今回は、やろうと思ったアイディアを試してみました。
本折り用に色々な紙を買って使用していると、裁断した紙の切れ端がたまっていきます。もともと和紙など高価な紙の切れ端は、なかなか捨てる気になりません(;^_^A
小さすぎて正方形に切っても使い道がない紙の切れ端は、人に作品をプレゼントする際の緩衝材などに使っていました。それでもけっこうたまっているので、これを無地のクラフト紙の片面に糊で張り付け、色々な色を貼り合わせてカラフルな紙を作ってみたらどうかと思いつき、やってみました。
ここから、50㎝四方の正方形を切り出しました。
さあ何を折ろうか。。(今回は紙のアイディアが先で、折る作品を後で選ぶ私には珍しいパターン) カラフルな紙で違和感なくできそうなのは、手持ちのレパートリーを見るとドラゴンが相性良いのではないかと思い、ドラゴンを折る事にしました。
まず、当初折ったドラゴンはこちら。これは板締紙を使用しています。もともと紙に色々な色がまだらに入っているので使いにくい紙ですが、思わぬ面白い出来上がりになる事もあるので個人的には好きな紙です。この紙は結構うまくハマったと思いました。気に入っている作例です。
次に、顔の折りを変えた際に折ったドラゴン。これは緑の和紙を使用しました。多少むら染のような色の濃淡に差がある紙でしたが、出来上がりは単色に近いイメージになりました。
そして、今回の紙で折ったカラフルドラゴンはこちら。
割とイメージした感じに近く、色々な色がランダムで入っている作例にできて、まあまあ面白い出来かなと思いました。好みは分かれると思いますが。ただ、クラフト紙に和紙を貼った際、すき間を見せないために重ねてある部分は厚みが3枚分になっているため、50㎝四方と結構でかいサイズでしたが、凄く紙の厚みに苦戦しました。糊付けして握力でつぶして仕上げて、ギリギリ上手くいったかなという感じでした。あとは、貼る手間が思ったより大変でめんどくさかった。。
せっかく買った良い紙は切れ端でも有効に使いたいので、今回の手法は今後もたまにやってみようと思います。和紙などはなかなか良いお値段しますが、気に入った折り紙作品や自作品を折る際には、そのくらい紙に投資してもいいんじゃないかなと私は思います。
同じ作品を折っても、紙の色やサイズや厚さなどによって全くできあがりの印象も変わってくるので、色々な紙を試してみるのは面白いですよ!
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