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障がいのある子どもの自立に必要なことは?

よく聞かれる質問です。
“自立”と言われて思いつくのは

一人で食べられること
一人でトイレへいかれること
一人でお風呂に入れること
洗濯物を洗って、干して、取り込んで、畳めて、しまえること
料理ができること
一人で買い物ができること…

それができないと自立ができないでしょ?
多くの親にそう言われます。
確かに、できるに越したことはないかもしれません。
他者の支援を受けない一人暮らしを目指すならそうですね。
でも、それだけが“自立”なのでしょうか。

物理的な自立(親から離れること)はいつか必ずやってきます。
その時までに最も必要なことは“精神的自立”だと私は思っています。

他人からの支援を受け入れることができること
楽しめる余暇を持っていること
(お仕事とは別にね。できれば家の中と外とそれぞれに。)
自分の思いを表現できること

このようなことの方が、子どもの人生をより豊かにするためにはいかに大切かということを感じています。
心からの笑顔で過ごせる時間が多ければ多いほど、その人生は素敵な人生なのではないでしょうか?家族以外の人と過ごす時間が「楽しい」と思えることが、自然と“精神的自立”に繋がっていくのではないでしょうか。

だから、ある程度の年齢になったら家族以外の人と過ごす時間を持ってくださいね、と伝えます。色々な人と出会って、楽しいことを経験してください、と話します。
楽しいことを経験して初めて“楽しいこと”と“楽しくないこと”を理解し、選択することができるのです。
色々な人と出会って初めて、自分と“合う人”と“合わない人”がいることを知ります。それは決して悪いことではありません。人との関係なので、合う、合わないがあって当然。でも、すべての他人を拒否してしまうことは、良いこととは思えません。
心地の良い人と楽しい時間を過ごせたら、明日へのエネルギーになります。

とは言うものの、これは色々な意味で難しく…
親はある程度の覚悟をして他人に我が子を託さなければいけません。また、親の思い優先で、子どもがまだ望んでいないのにどんどん外へ出そうとすると逆効果になることもあります。

子どもの心がどの辺りにあるのか、親の心はどの辺りか…
そんなことを見ていきながら無理なく進めていくことが、自然と「親と離れて過ごしたい」という真の自立に向かっていくのだと思います。

支援をする人間として、一人ひとりの笑顔を引き出すことが大きな役割一つだと思いながら日々を過ごしています。そのために、時にはちょっと演じたり、自分の関わり方をちょっと変えたり、あえての言動をしたり、バカなことをしたり(笑)しています。
ある意味、支援者は演者なのかもしれません。

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