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あそどっぐインタビュー5日目 その2 「ヘルパーさんについて(後編)」

今さらだが、あかほしはあそさんが好きだ。
どうしてこんなに好きかわからない。
あそさんが今のあそさんになるまでの道筋もしらない。
だからそれを聞いて、会話して、もっと好きになりたいと思った。

あかほし(以下「ほし」): ヘルパーさんとケンカになることってありますか?
あそどっぐ(以下「あそ」): ケンカ・・・にはなりにくいよね、うん。
ほし: ヘルパーの江島さんも「あそさんは怒ったりしないからやりやすい」って言ってましたね。
あそ: そんなには怒んないんじゃないかなあと思うね、うん。
ほし: そうかあ・・・結婚してみると「他人が一緒に住むって大変なんだな」って思います。
あそ: あ〜やっぱそうよね。そうだと思うわあ、うん。
ほし: 結婚は結婚であれだけど、ヘルパーさんとはもっと密着しますよね。お風呂とか、トイレとか。そこはまた、結婚とはちがった難しさがありそう。
あそ: うんうん、なんかやっぱり大変・・・だよね慣れるまではね。気はつかう、よなあ。
ほし: トイレとかお風呂とかって、力使いそうじゃないですか?
あそ: ああ、力仕事だとおもう。うん。
ほし: そこは男性にしている・・・?
あそ: うん、そうそう。だからうちは、ごはんの時ぐらいかなあ、女性のヘルパーさんが来てくれるのは。基本的には男の人だね。
ほし: それはあそさんがオファーしたんですか?あちらの采配?
あそ: え〜っとねえ・・・今会社を4つ使ってて。で、8割方まかなってくれてるところが同性の人しか派遣しないシステムにしてるから。
ほし: あ〜そうなんだ。
あそ: そうそう。で、そうなってるね。
ほし: ぜんぜん知らなかった。
あそ: で、ややこしいのが、障害持ってる人が、オネエの場合があるから。そういうときはね「どっち・・・?」っていうのは、若干むずかしいみたい。
ほし: そういうこともあるのか。
あそ: 完全なオネエならあれだけど、両方イける人とかもおるし。
ほし: あ〜なるほど。
あそ: ヘルパーさん側にも、この人は隠れオネエだなっていう人もおるし。
ほし:そうか。それはマッチングに慎重さを求められそうですね、利用者にとってもヘルパーさんにとっても。・・・でも、どうしても近づくもんなあ、距離がなあ。
あそ: お互い話し合って納得しあって良いやり方を決めるのが理想かもしれん。
ほし: うん、ホントそうだ。介護されてかなり長いだろうから、受け手として相当鍛えられてるんじゃないでしょうか、あそさんは?
あそ: どうだろうねえ〜、うん。
ほし: あそさんを介護したことはないけど、吸引(あそどっぐは嚥下が難しいので、よだれを専用のスポイトで吸う。ペースは30分に1回くらい)ぐらいしかしたことないけど(笑)
あそ: (笑)うんうん。
ほし: あそさんは介護しやすそうという予感があります。任せてくれるところは任せてくれそうだから、任された部分をあんしんして全うできるというか。
あそ: ああ〜、なんかまあ、あんまりこだわりはすくない方・・・だからね。やっぱ、こだわりのつよい人とかは大変かもしんないね。
ほし: 出来心で重度訪問介護の資格をとるけど、やっぱり好きな相手の介護じゃないとキビシイなあと思っていまして。
あそ: まあそうだよね、2人で長い時間おるからね、キツいよねおたがいね。うん。
ほし: 「この利用者とこのヘルパーは相性がいい」というのを考える係の人っているんですか?
あそ: うん、コーディネーターさんがいる。で、え〜っとねえ、まあ〜・・・いま介護業界が人手不足って言うのもあるから。ヘルパーさんは売り手市場なので「あの家にはわたしは行きたくないけど、こっちは行ける」とか言う人はいるよ。
ほし: そうなんだ。
あそ: うん、ヘルパーさん側が。
ほし: それはいろいろとむずかしいですね・・・。ヘルパーさんに嫌われないよう、利用者が萎縮して気疲れしてしまっても本末転倒だしね。
あそ: うん、それはイヤだしね、そういう生活はね。
ほし: そうですよね。
あそ: でもまあ「あの家には行きたくない」みたいなのはあるし。うん、そんでいまあれ、今ウチにしか来てない人とかもいるよ。
ほし: あら、そうなんだ、あそさんの人徳かしら。私も資格を取ったときの使い道、あそさんしか浮かばないや(笑)
あそ: そうだよね(笑)
ほし: バリバラに出てたメガネのおじちゃんは興味あるなあ( 「ヘルパーのお仕事(2)ヘルパーもつらいよ」の出演者)。すごい人そう。
あそ: ああ、うん、ほんとね!おもしろそうだね。
ほし: ね。やっぱり、おもしろい人のところにいきたいなあ!
あそ: (笑)
ほし: おもしろくなくて、心も狭いとかだと、もう・・・
あそ: (笑)うまいことね、いくといいけどね。こればっかりはね。
ほし: がんばる理由が見当たらない。「お金のためにしょうがないからやる」っていうふうには、極力やりたくないんですよね。もし自分が利用者でヘルパーさんにそんなふうに思われていたら、きっとキツいだろうし。もちろんそりゃあ生きるために要るけど・・・お金。それよりもおもしろさ・・・そんなこと言ってるヘルパー使うの大変ですよね、会社側からすると。
あそ: まあでも、どうせならたのしい方がいいもんな、うん。
ほし: あそさんは、ヘルパーやってみたいなって思ったことはある?
あそ: やってみたいな?あ〜、そうね。うん。動けたらやって・・・やるのもおもしろいかもしんないね。
ほし: やられる経験値すごいあるから、やる方も上手な可能性ありますよね。やられる側のきもちに寄り添えるだろうから。
あそ: あ〜〜う〜ん、かもしんない。
ほし: そこをなんか・・・どうにかなんないのかな。あそさんの介護される経験値がもったいなく感じます。だから講習に呼ばれてるんだろうけど。
あそ: そうだね、やっぱ講習とかしかないよね、活かせるとこっていうとね。
ほし: めちゃくちゃな話になるけど・・・介護される人が、実は動けて「俺をこういう風に介護してくれ」って1度ヘルパーさんにやってみせるっていうのが分かりやすいですよね。
あそ: まあね(笑)でもそれができたらね。
ほし: VRとか出てきたから、ひょっとすると科学が進めばできるのかな、そういうことも。私が介護される側だったら「ちょっとやってやるから覚えてくれ!」って気持ちになりそう。
あそ: (笑)あ〜、そういうのはあるよ、うんうん。
ほし: あそさんの身体のポジション変えるの、コツが要りそうですね。(注1:文末参照)
あそ: そうだね、あれはけっこう慣れるのに時間がかかるんだよね、やっぱ。言葉で説明してもなかなかね、うまく伝わんないしね。
ほし: あえてコツを言うならなんなんでしょう?ポジションチェンジの。
あそ: あ〜〜・・・「根気よくやる」しかないんじゃない?
ほし: そうか、リテイクにめげないってことですね。
あそ: (笑)うん、そうそう。
ほし: あそさん、ホントはもっと触りたいんだよなわたし。
あそ: (笑)
ほし: 人妻に触りたいと言われるってどんな気持ちなんでしょう。
あそ: び、びみょうやね。
ほし: そらそーか(笑)

注1:あそどっぐは腕や足、腰や首などを、ヘルパーさんの手を借りて、こまめに快適なポジションに動かして生活している。参照コント「オリンピック新種目

次回、「 "差別" とはなんぞや?」

あそどっぐ
1978年佐賀県生まれ。熊本在住。お笑い芸人。
あかほしあまね
1991年東京都生まれ。『コバガジン』のライター。

前回の記事はこちら 「ヘルパーさんについて(前編)

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