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マイナンバーカードとは何か④

 マイナンバー制度における根本的な問題は制度全体を見渡せるリーガルとテックの両利きの人材不足、そこからくる情報不足だと書きました。その結果アジャイル開発とデザイン思考の駄目駄目合体みたいなプロジェクト進行みたいなことになっていて、テストもなしに製品をリリースして、トライアンドエラー、でっかい国家がスモールスタートみたいな笑えない話になってしまっています。

 そして何しろ運用が滅茶苦茶です。

 これは結局仕組みが解らない人、リーガルとテックの両方が解らない人、小林さんがかじ取りをしてしまった結果なのですが、河野さんもかなりのものです。

 どうも河野さんはマイナンバーカードの技術仕様書を読んでいないようです。これは別にエンジニアでなくても読めるように書かれています。
 

マイナンバーカードの技術仕様と 利活用方式 - Fujitsu

 つまりSuicaとマイナンバーカードではICチップの規格が違うわけです。では紐づけが絶対に不可能かと言われると、逆に多くのエンジニアは「技術的には可能」と答える筈です。つまり「不可能とは言えないけれど、新しい規格を開発するくらいのコストがかかるけど」という意味です。
 現実的にはバックヤードのデータの紐づけだけなら簡単ですが、現在のマイナンバーカードの仕様ではセキュリティレベルがSuicaより高いので、タッチアンドゴーにはかなり障壁があるのではないかと思います。ピッピッと反応しなくてあちらこちらで閊えてチョッっと舌打ちされるということですね。

 スマホアプリとしてのSuicaとマイナンバーカードの紐づけにはそうした問題は生じないと思いますが、少なくとも話を実体としてのマイナンバーカードに限定した場合、河野さんはかなり乱暴なことを言っていることになります。

 将来的には実体としてのマイナンバーカードの発行に代えて直接スマホアプリとしてのマイナンバーカードの発行が選択できるようになると思いますが、その前提がないとSuicaとマイナンバーカードの紐づけというのはかなりナンセンスな話です。いや、正確には箆棒に金のかかる話なのです。

 また無駄な金が出て行くのかという話です。



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