坂道のチャリ走行にお気をつけ下さい
あれは大学4年の12月。
卒論締め切りまであと2週間くらいという時期だっただろうか。自宅での集中力が皆無のため、小林は卒論を書くべく近所の図書館へ足を運んだ。
昼間から閉館時間まで卒論に勤しんだ小林は、まだ完成もしていないのに達成感に満ち溢れながら図書館を後にした。
自転車のカゴにノートパソコンと荷物を乗せ、意気揚々と坂を立ち乗りで駆け上がった。
坂を数メートル登った次の瞬間、小林の右足が自転車の車輪に巻き込まれたのだ。
そこからは一瞬の出来事だが、車輪に巻き込まれた右足がス