坂道のチャリ走行にお気をつけ下さい


あれは大学4年の12月。
卒論締め切りまであと2週間くらいという時期だっただろうか。自宅での集中力が皆無のため、小林は卒論を書くべく近所の図書館へ足を運んだ。
昼間から閉館時間まで卒論に勤しんだ小林は、まだ完成もしていないのに達成感に満ち溢れながら図書館を後にした。
自転車のカゴにノートパソコンと荷物を乗せ、意気揚々と坂を立ち乗りで駆け上がった。
坂を数メートル登った次の瞬間、小林の右足が自転車の車輪に巻き込まれたのだ。
そこからは一瞬の出来事だが、車輪に巻き込まれた右足がストッパーとなり小林とパソコンはチャリから真っ逆さまに落ちていった。

幸い小林の服や自転車は無事だったが、小林本体は負傷し、ノートパソコンも液晶がバキバキにいってしまった。
小林はマスクをしていたものの口を坂道に強打し唇と顎が血まみれ、前歯も欠けていた。しかしその程度で済んだことは非常にラッキーであった。
またパソコンもバキバキにはなったが、小林は教授の言いつけを守り、バックアップを複数取っていたため今まで書いた卒論が提出目前にデータ消滅という最悪の事態は免れたのだ。な

この経験を通して小林はバックアップの大切さを学んだのであった。あと、坂道での必死の立ち乗りは危ないということを。
以降チャリから転げ落ちることはなくなったが、データを消失させたこと数知れず。今後も落ち着いて着実に微笑みを持ってデータのバックアップに邁進することが求められる。

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