半端な距離が痛々しい

偶然、昔書いていたブログを開いてしまった。

ちょうど五年前が最後の記事。

大学生時代から、社会人三年目くらいまでが綴られていた。

大学生のころのは、何だか懐かしい気持ちになれるのに、

社会人になってからの記事が恥ずかしくてろくに読めなかった。

研修が、仕事が、どうのこうのと喋っていた。

一、二年前のことは楽しく思い出せて、

十年前のことはしみじみと思い出せる。

それなのに、ちょうど五年前くらいのことは、思い出すと痛々しい。

多分半端な距離がそうさせるんだろうなと思う。

そんなことを考えながら掃除をしていたら、その五年前あたりのカード明細まで出てきた。

調子にのって、百貨店で何か数万円するものを買っている。

きっと、冬の日付だからあのコート。

あの、もう捨てようか迷ってる白いコート。

すこしラメ糸の入った生地で、丸襟で、袖に信じられないくらいふわっふわのファーがついている。

そして、何より丈が短くてミニスカートに合う作り。

社会人の二、三年目の私にはそれがすごく似合う気がしたし、着てると通勤も飲み会への道もすべてがワクワクした。

会社でコートを脱ぐ瞬間さえも。

そのころは、若さとお金がはじめて自分の手に同時に揃った時だった。

多分、例え今後もＯＬくらい稼げて若さを保て続けていたとしても、

ああいう無敵感だけはもう持つことはないんじゃないかと思う。

一年前までは、どうしても白コートを着る必要があるとき、襟とファーをはずして、ノーカラーとしてなんとか着ていたけど。

さすがにこの冬は着ようと思わなかったなぁ。

白コートを捨てるかはまだちょっと迷っているけど、

思い切ってブログは何記事も削除して、カード明細は破って捨てた。

でもあのころも、もうあと五年したらしみじみする思い出になるのかもしれないと思ったら、少しだけ、認めていいような気もした。

早くあのころのヒリヒリが静まりますように、それまで寝かせましょうと思うとともに、

今のこのnoteとかが五年後黒歴史になったらどうしようと、少し心配になったりもする。