転職(求職)活動おぼえがき2_自分の強みって?

11月に前職を辞してからかなり時間が経過した。年末年始や、転職業界は年末はすっからかんになるという傾向もあったのでのんびりしていたが、少し焦っている気持ちもある。1社非常に魅力的な企業があり、ようやく私の希望するポジションにバジェットがついたようなのでそこを狙っていきたい。

さて、タイトルにもある「強み」の話。ある程度働いていると、その経験や知識が「強み」になると考えるのが一般的だと思うが、もう少し深掘りしたい。
私はIT業界において、いわゆるインサイドセールスとしてそのキャリアを積んできた。いち営業として、時にはマネジメントも任されて売上達成に向けてあれこれとやってきた。
ITベンダーの社員として、あるいはインサイドセールスをサービスとして提供する側として、様々な商材、ハードウェア、ソフトウェア、SaaSサービスを扱ってきたが、その時々で自分の扱う商材のファン、エヴァンジェリストとなるべく活動してきた。

至極単純なのだが、自分が惚れ込んでいないと顧客に対して自信を持って勧められないし、最後のひと押しに説得力がないと考えるからだ。

営業の仕事は自社製品、ソリューションをいかに売るかがポイントだが、単に他社と比較して売るということではない。SNS全盛の現代において、顧客は真剣であればあるほど、よく勉強しているし、口コミを含めた情報収集を行っているので、単なる情報提供だけでは営業とは言えないし、価値もない。

では何が「営業」なのか。
それは製品、ソリューションが本当に顧客の業務、オペレーションに刺さるのか、顧客の悩みを解決し、成長を助けるものなのかどうかを見極めることだと私は考える。
上司には怒られるだろうが、時には他社製品を勧めることもあるだろう。それは顧客の状況をよく理解したうえでのアクションであれば致し方ないと思っている。完全無欠な製品・ソリューションは存在し得ないからだ。
(ただし、頭から湯気が出るほどに調査、考察を重ねた上での提案、アドバイスということはいうまでもない)

営業職に必要とされるスキルはコミュニケーションスキルだ。これは初対面の相手からいかに信頼され、情報を聞き出せるかということだ。そのためにあらゆるコミュニケーション方法(電話、メール、対面など)を駆使して、失礼の無いように、また無駄が無いようにお付き合いをしていくことが肝要と思う。

私は長年の経験から、その部分での活動スキルが自分の強みだと思っている。初対面の人間に自社のITの弱点や将来のプランを開示してくれるような人はいない。だから、例えば顧客事例を紹介したり、世間を騒がしている問題を提示したりしてなんとか共感を得ようとする。そのやりとりのなかで、「あれ、こいつ分かってる奴だな」
とか
「もしかして助けてくれるかも」
と思わせるために知恵を働かせるわけだ。
我々営業が顧客から許される会話の時間はそれほど多くない、特にリードや商談初期の段階であればなおさらだ。だからその少ない時間でいかに信頼されるか、そこは腕の見せ所だ。言い換えるとそのための引き出しの多さが結構重要だと思っている。「雑談力」の高さがポイントとも言えよう。

かつて自分がアカウントをアサインされたインサイドセールスだったころ、担当している主要顧客の社名をすべてGoogleアラートに登録していた。毎日の通勤時間でそれをチェックして、顧客の社内で何が起こっているのか、どこに行こうとしているのかを把握することは必要だったし、有効な手段だったと思う。
若い頃先輩に「日経新聞を読め」とか、「IR情報をチェックしろ」と言われたのは同じ理由だろう、四季報までは読まなくてよいと思うが、私は下記サイトでざっくり把握するということは今でもやっている。
バフェット・コード
https://www.buffett-code.com/

またちょっと不謹慎かもしれないが、「不景気ドットコム」というサイトもある。これは倒産情報、赤字決算情報、リストラ情報をチェックできるのでこれもまあまあ重宝する。特にインフラ側の製品・ソリューションを扱う場合には役に立ったと言える。赤字決算が続いてリストラ中の企業に対して営業をかけるのは危険な場合もあり、作戦を変えないといけない場合もあるわけで…

商談機会は顧客ごとに一度だけではない。今ではカスタマーサクセスというロールがあるので、ポストセールスのアップセル、クロスセルはカスタマーサクセスが担当することもあるが、営業としては長く、信頼されるためにもより深い理解を持って顧客と相対するべきと考えるし、私はそこまでのインサイトがあることが今「強み」と言えることだろう。

さて、そうは言ってもそろそろ現場に出ていきたい気持ちが日々高まっている。GAFAMやSalesforce.comの解雇が続くなか、正直転職活動はしんどい面もあるが、私にフィットした企業、ポジションがきっとあるはずだ。
冒頭に記したように、私が気になっている、気に入っている企業に入社できるのだとしたら嬉しい。ある意味暇な今の時期を自己研鑽の機会と考えて過ごしていきたい。

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