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蛙化現象⑧

これは投稿者本人の恋愛体験を記録したものである。最初から読みたい方は「蛙化現象①」からご覧ください。

前回までのあらすじ
僕は大学を休学し、ある場所で働いていた。そこで、明日香という女性客に出会う。接客中、徐々に僕の心は明日香に惹かれていった。しかし実際には2回しか会えないまま、僕はその仕事を辞め、大学に復学。その後、あるきっかけで僕たちは連絡をとるようになる。改めて、明日香に対する気持ちは強くなり、僕は自分の気持ちを伝えた。はっきりした返事を聞けないまま、福岡で再開する。その日の夜、明日香からの返事の結果、2019年12月22日、僕たちの遠距離恋愛が始まった。

第三章 遠距離恋愛

1ヵ月

「来月も会える」

福岡空港で明日香を見送った後、僕は帰りの電車内で呟いていた。

この再開の後、すぐに1月も会いに来てくれることになった。僕が学生だからといって、移動費のことを考え気を遣ってくれた。明日香は優しい女性だ。

僕は以前付き合っていた彼女とも遠距離恋愛だった。その時は、電話が酷で仕方がなかった。

しかし今回は違う。卒論とバイトに追われる中でも、僕は明日香との電話の時間を確保した。それだけ明日香を愛していた。大好きだった。

そんな付き合ったばかりの頃、明日香は電話で打ち明けてきた。

「婚活アプリ消したよ。」

明日香はこの時すでに27歳。幼少期に母を亡くし継母からの虐待を受け、学校ではいじめにあう。そして大きくなってからは、元カレからのDVを受けていた。加えて、違う元カレとは婚約を破棄していた。

年齢と壮絶な人生経験から、彼女にとって暖かい家庭を築くことが人生においての使命となっていた。だからこそ、アプリを使って必死に相手を探していたそうだ。

「ありがとう。もう一生使うことないばい。」

僕はそう答えた。

そんな会話をした後、僕はこんな質問をした。

「異性の好きなタイプを3つあげてみて。」

明日香は唐突すぎる質問に困惑しつつも答えてくれた。

「ん~好きになった人がタイプになるんだよね私って。でも3つ挙げるとしたら、、、、ん~、、、、、優しくて、身長が私より高くて、好きって言ってくれる人かな。」

僕は続けて質問した。

「なら4つ目あげるとしたら?」

これは心理ゲームのようなもの。4つ目に求めるものが、本人が心から求めているものらしい。友達から聞いた本当かも分からない心理ゲームで、僕は明日香の理想の相手になろうとした。

「ん~、、、4つ目はないかも。強いていうなら、好きって言ってくれる人がいい。」

彼女はそう答えた。その後、このゲームの趣旨を説明した。明日香は驚いていた。「今日から電話終わりは、必ず好きって伝えよう」単純な僕は心に決めた。本当の自分を押し殺してまでも、明日香の幸せを願いたかった。

そして次は明日香が、僕に聞いてきた。

「あんちゃんの4つ目は?」

「俺が4つ目に挙げるのは、浮気せん人かな。」

以前、友達に答えた回答を明日香にも伝えた。すると明日香はこう言った。

「私そういえば、元カレに浮気もされたことあるんだよね~。だからされた側の気持ちが分かるからしないよ。」

そう言って、会話の話題は自然と違う話題に移った。この言葉が印象に残りすぎて、その後の会話は一切覚えていない。

幼い頃に母を亡くし、虐待、いじめ、DV、浮気、婚約破棄。明日香は、平凡な僕とは正反対の人生を送っていた。

浮気されたこと以外は、付き合う前から知っていた。その過去について僕は、嫌な気持ちはしない。過去は変えることはできないからだ。一方、いざ明日香の彼氏になって、強くなった思いがある。

「明日香を幸せにしてあげたい」

この「してあげたい」の思いの下、僕の世界は明日香を中心に回っていった。電話終わりに必ず好きを伝えるように。

もし当時の自分に会えるなら言いたい。「お前何様?してあげたいって何や?」と。そう当時の自分に言えたなら、蛙化現象なんかに出会わなかった。こんな厄介者に出会わずにすんだ。今では分かる気がする。

この電話から数週間後の2020年1月末。僕たちは博多駅に集合し、付き合って2回目のデートが始まった。


今後も、恋愛経験を綴っていこうと思います。現在の時点では、彼女とは別れていません。しかし今後どんな関係になろうと、この過去は大切にしたいと風呂場でビビっと感じました。そこで投稿すること決めました。もし僕の友達がこの投稿を見たら、以下はご理解ください。病んでません。
今後しばらくは、このタイトルでnoteを作成していきます。
それでは続きはまた明日。







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