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蛙化現象⑨

前回までのあらすじ
僕は大学を休学し、千葉のある場所で働いていた。そこで、明日香という女性客に出会う。接客中、徐々に僕の心は明日香に惹かれていった。福岡の大学に復学後、あるきっかけで僕たちは連絡をとるようになる。改めて、明日香に対する気持ちが強くなった僕は、自分の気持ちを電話で伝えた。はっきりした返事を聞けないまま、僕たちは福岡で再開することに。その日の夜、明日香からの返事を貰い2019年12月22日、僕たちの遠距離恋愛が始まった。そして翌年の1月、明日香はまた福岡に会いに来てくれた。

第三章 遠距離恋愛

2ヵ月

2020年1月末、記念すべき2回目のデートが始まった。「幸せにしてあげたい」という思いの下、僕は1ヵ月前からこのデートの計画を立てていた。

1日目は太宰府→宝満宮→マンモス展→屋台→チームラボという順番で回って行った。

「愛・地球博覚えてる?愛知万博のことね。あれにさ、マンモス展来てたんだよ!でも家族で私だけ万博に行けなくて、マンモス展行けなくて。だからいつかリベンジしたかったんだよね。最近は東京に来てたらしいけど、それにも行けなくてさー。」

以前の福岡デートの際、駅のマンモス展のチラシを見ながら明日香は言っていた。だからこそ特にマンモス展はどうしても連れて行きたかった。

明日香は実際に展示せれているマンモスを見て、

「これこれ!!!!」

と子供のようにはしゃいでいた。マンモスを見て、これだけ喜んでいる女性は生まれて初めてだ。

「本当に万博に行きたかったやな。でも当時色々あったんやな。」楽しそうな笑みを浮かべている一方で、幼き頃の明日香の心境を悟った。同時に「この子の望みは何でも叶えさせてあげたい」そう強く思った。

そして2日目も無事計画通りのデートができ、明日香は東京へ帰って行った。東京へ帰った後も、僕たちは電話を続けた。

ある日の電話で、明日香は今回のデートの感想を伝えてきた。

「なんか1月のデートで、あんちゃんの彼氏感が増したよ。本当に付き合ってるんだって感じられた。凄い嬉しかった。」

「遠距離やと、なかなか感じれんよね。でも1月のデートが楽しかったならよかった。これからも色んな所に行かなね!思い出いっぱい創らなね!」

明日香の感想に、僕はこう答えた。どうやら2日間のデートを、非常に満足してくれたようだ。

そのうち付き合って2か月にも関わらず、僕たちは未来のことも話すようになった。付き合う前からお互いに、「次の恋愛を最後にしたい」そう話していたため、僕たちにとっては自然なことだった。

例えば結婚式について。

僕「結婚式は盛大にやりたい?」

明日香「ん~家族婚がいいな。その分のお金を新婚旅行に使いたいし。」

僕「なら家族婚っていくらかかると?」

明日香「式場と地域にもよるかな!もし東京だと、、、、、」

明日香は僕の質問に「1回全部調べたことあるから何でも聞いて!まあ前は全部キャンセルしたけどね(笑)」と冗談を混じえながら、ノリノリで答えてくれた。どのくらいの貯金が必要で、そのためにはいつから、何円の貯金をすればいいのか?明日香は全部知っていた。しかも僕と付き合った月から、未来の式のために貯金を始めたらしい。学生でお金がなかった僕にとって、明日香かが非常に大人びて見えた。

「ここまで真剣に考えてくれているんだ。僕たちなら絶対大丈夫。このまま一直線に結婚だ!」そんな妄想を描いては、1人でにやけてしまった。

この猛スピードで加速し続ける、結婚行きの電車に乗った僕たち。幸せでしかなかった2ヵ月間。

一方でこの電車が、蛙化現象という駅に向かっているとは、当時誰も気づいていなかった。

そして翌月の2月末。次は僕が明日香の待つ東京を訪れた。


今後も、恋愛経験を綴っていこうと思います。現在の時点では、彼女とは別れていません。しかし今後どんな関係になろうと、この過去は大切にしたいと風呂場でビビっと感じました。そこで投稿すること決めました。もし僕の友達がこの投稿を見たら、以下はご理解ください。病んでません。
今後しばらくは、このタイトルでnoteを作成していきます。
それでは続きはまた明日。

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