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竜にかかわる薬まとめ(辰年)

あけましておめでとう、と書きそうになりましたが、1月も中旬でびっくりしています。薬剤師のK,Oです。

今年は辰年ということで、龍(竜)にかかわる薬を集めてみました。
ぱっと思いつくだけでもけっこうあり、まとめていて楽しかったです。




日本薬局方に収載されている生薬

現在、日本で「薬」として認められているもの。

リュウコツ(竜骨)

当然、龍の骨ではありませんが(それはそれで夢があるけれど)
古くから使われる生薬の一つで、基源は古代大型哺乳動物の化石化した骨
「そんなものまで薬にするの!」とちょっとビビります。

主要成分は炭酸カルシウムなど。中枢神経抑制作用を目的に用いられます。

調べてみると、現在はシカや牛、馬、豚などの化石が使われているそうですが、昔は恐竜の化石も使ったとか。(考古学者に怒られそう笑)


リュウタン(竜胆)

龍の胆のうぐらい苦い、という名前の薬。
胆のうってそもそも苦いのか?という疑問もあるかと思いますが、例えば熊の胆(くまのい)という生薬はとても苦いことで知られています。

竜胆はリンドウの根っこ。秋に咲く青い花で大好きな植物の一つ。苦み成分は胃薬になる。




リュウノヒゲ(生薬名:麦門冬)

植物名はジャノヒゲ。漢方薬で咳止めとして活躍。

道端や庭園にもよく植えられているのを見かける身近な植物。

ジャノヒゲはヤブランに似た植物ですが、中国や韓国では両方とも薬になるそうです。



リュウガンニク(竜眼肉)

竜の目玉っぽい実をつけるムクロジの仲間。

名前についている「肉」とは、種子をおおっている「仮種皮」という部分のこと。

RPGゲームに登場しそうな見た目をしていますが、滋養強壮作用があり、神経虚弱に使います。
有名な漢方処方の加味帰脾湯などに含まれています。




その他の生薬(薬局方に収載されてないもの)

現在の医療には使われていませんが、調べると色々ありました。

リュウノウギク(竜脳菊)…キクの仲間。
リュウゲソウ(竜牙草)… キンミズヒキ
リュウキ(竜葵)…イヌホオズキ
リュウケツ(竜血)…何であるかは所説あるが、赤みを帯びた固形物質。

龍に関わる薬をまとめてくれているサイトがありました。参考までに!
https://www.eisai.co.jp/museum/herb/familiar/dragon.html

龍に関わる植物も調べてみても面白いかもしれないですね。




漢方薬① 小青竜湯

水っぽい鼻水がでる場合によく効く漢方薬。(風邪薬としてご存知の方も多いのでは?)
最近では抗アレルギー作用があることで、花粉症にも使われます。

ちなみに中国には大青竜湯も存在する。

名前は中国の四神(朱雀、玄武、青龍、白虎)から由来。
中国医学の思想の名残で、名前的にも強くて、よく効きそうですよね。笑



漢方薬② 竜胆瀉肝湯

泌尿器や生殖器の炎症性疾患に用いる漢方薬。
先述の竜胆が主薬となる漢方ですが、胃薬ではなく患部の熱感をとる目的で配合されています。
他の生薬を組み合わせによって、役割(効能)が変わるのも面白いですね。


龍角散

のど飴で有名な龍角散。
漢方薬っぽい名前ですが、じつは100年前に生まれた比較的新しい薬です。
(1000年以上の歴史のある漢方薬と比べるとまだまだひよっこ)

生薬(キキョウ・セネガ・キョウニン・カンゾウ)などが入っています。




まだまだ探せば他にもありそうですね。
こんなのもあるよ!というのがあれば是非教えてください。

そんなこんなで今年もよろしくお願いいたします。

ではまた!

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