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野球肩を予防する!カラダづくり

前回のnoteでは野球肩を予防するトレーニング方法を解説つきで《10種類》ご紹介させていただきました。

《基礎編》と《応用編》にわけ、
関節を安定させる上で必要な<部分的な筋肉のトレーニング>と<複合的な動きによりトレーニングする方法>を載せてあります。



ぜひ、ご活用いただけたらと思います。

今回のテーマは「カラダづくり」について

野球以外のスポーツにも共通するところですが、パフォーマンスを向上するためのトレーニングを構成する上で、パフォーマンスピラミッドという考えがあります。

パフォーマンスには3層構造のピラミッドからなります。

1番下の基礎となる層が「動き」であり、その上に「体力」が乗り、頂点には「技術」がきます。

パフォーマンスを上げるうえで、「技術」や「体力」はとても重要な要素ですが、そのベースとなるのが「動き」です。

「動き」とはどんなものを指すのでしょうか

より具体的に捉えると「動き」は動作パターンのことです。この動作パターンが悪いといくら「技術練習」や「体力トレーニング」を磨いてもパフォーマンスは大きく上がりません。

カラダをつくる上で、この土台となる「動き」の部分を補強し積み上げ、次のステップに進むことがまさに<カラダづくり>になると考えています。

今回のnoteでは”投球障害予防”の観点を入れたトレーニングを中心に解説していきたいと思います。

■カラダつくりの土台となる3つのポイント

はじめに冒頭でパフォーマンスピラミッドを解説させていただきました。

ピラミッドの基盤である「動き」の部分の強化が三角形を大きくする、すなわちパフォーマンスをあげる大切な要素となります。

ここからは「動き」の構成要素となる3つのポイントを解説していきます。

①柔軟性


投球動作をするためには、肩の回旋運動は最も大きくなります。
肩だけでなく、肩甲骨、胸郭が相互的に動くことでしなりが生まれます。

カラダのかたい選手はしなりがつくりにくいため、肩の運動にたよった投球動作になりやすいため、故障の可能性が高くなります。

②安定性


ケガの予防にあたって、効率よく動くためには、関節の安定性が重要です。そのためには、関節を構成する骨同士がしっかりと噛み合うことが求められます。

安定性を強化するためには、噛み合った状態で動き、維持していくためのトレーニングが必要となります。

③協調性

投球動作は全身の運動が連鎖した動きです。カラダのパーツが単体で動くのではなく、それぞれが互いに連動できるように動かすことが求められます。

脚と体幹、体幹と腕が連動した動き、すなわちカラダの使い方を強化できることがパフォーマンスの土台を支えます。

つまり、土台となる動きの部分を強化するためには、
①関節の動きを拡げ、投球動作に必要な動きを獲得する(柔軟性)
②拡げた動きを動かしていくための筋力、関節が噛み合った状態を保つ(安定性) ③全身運動をコントロールするために、関節同士が動きを補完しあい連動した動きができる(協調性)

■協調性をつくるために必要なポイント

柔軟性などの身体機能に低下がなければ速い球が投げられるかというとそうではありません。

投球動作は下肢(脚)→体幹→上肢(腕)の流れるような運動連鎖によって行われる一連の動きによって起こります。

この動きにおける力の伝達をスムーズに行うためには、下肢→体幹・体幹→上肢をつなぐ「つなぎめ」を強化することが大切です。

つなぎめでの力の伝達が不足することがパフォーマンスの低下、局所的なオーバーユースを生み故障をきたす理由にもなります。

|つなぎめを強化するには

ここで必要となる強化は、先程の「動き」の構成要素でもご紹介した

<柔軟性>・<安定性>・<協調性>になります。

投球動作を見てみましょう。

①下肢→体幹をつなぐ「股関節」

②体幹→上肢をつなぐ「肩甲骨」

はどちらにおいても、投球動作を行う上で大きな可動域が求められ、連動した動きをつくるための「動きの支点」「つなぎめ」として、とても重要になります。

■トレーニング方法の紹介

ここまで解説してきました<柔軟性><安定性><協調性>それぞれのトレーニングをご紹介していきます!

▶柔軟性

このようなストレッチをご紹介しています!

肩まわりの硬くなりやすい胸・脇腹・腕をほぐし、ストレッチをしていきます!

胸郭の前・横・後ろ側の動きをしっかり出していきます!

胸椎を回旋したストレッチも取り入れていきます!

▶安定性

肩・胸郭の安定性を強化するトレーニングをご紹介しています!

▶協調性

ここでのトレーニングは動きの支点である「つなぎめ」として、関節の動きに注目し、パフォーマンスの土台となる「動き」の改善を目指すトレーニングをご紹介していきます。

|胸郭‐足関節の連動性

投球動作における回転運動にともない、胸郭を回旋していくためには下半身の安定性が必須になります。前脚の足の機能は回転運動を支えるうえで重要です。

動画の選手はマシンを使用していますが、ゴムチューブでも代用できます。

|下半身~体幹の回転運動

回転運動を強化する上で、下半身~体幹の回旋の連鎖した動きが求められます。おしりともも裏の間にズボンの”しわ”ができるような動きが大切です。

股関節は下半身と体幹の重要な「つなぎめ」です。

|足関節‐股関節の連動性

チューブを引っ張った状態で両足で押さえます。地面から伝わる力(反力)を利用して回転運動をしていきます。

|胸郭‐足関節連動性

下記のツイート内でも解説していますが、後ろ脚が大切です。

カラダを横に倒していくことにつれて、足の母趾球・小趾球が地面から離れないような脚の支持性が求められます。

|重りをコントロールした回転運動

前方に上げた重りの位置が変わらないように回転運動をしていきます。

《動きの支点》となる股関節・肩甲骨の安定性が求められる運動です。

|まとめ

ここまで3つの要素のトレーニングをご紹介しました。

柔軟性だけ特化していればいいわけではなく、それぞれが十分に機能していくことがパフォーマンスの土台を強固にする要素となります。

からだが柔らかくても速い球を投げられるわけではありません。

自分のカラダの動きをコントロールする部分が整うこと、動きの支点が安定していることが重要です。

1月から全3回にわたって、野球肩を予防するシリーズをお届けしてきました。投球障害に悩む選手やそれを支える指導者さんに少しでも多く情報をお届けできたらと思います。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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