文化に馴染む「戦略的オンボーディング」

さて、初めてのnoteです。僕はプロフィールの通り、ある人材系の会社で「早期離職防止」のプロダクトに携わっています。

採用した後にすぐに辞めてしまうのは、ちょっとしたボタンの掛け違いが原因だ、きちんと対処すればゼロにできる、というのが僕ないしはプロダクトの想いです。(もちろん、採用プロセスでのマッチングが上手く行っている前提で、の話です)

「早期離職防止」を深堀りしていくと、「オンボーディング」という言葉に行き着くと思います。「オンボーディング」とは、新しく入る人が組織に早く馴染み成果を出せるようにするための、組織・会社・上司側の一連の取り組みのこと。

ところが、「オンボーディング」の概念、定義、具体策などを調べていくと、実は日本にはあまり多くの情報がなく、ほとんどが海外(アメリカ)発信のものになります。

そこで、オンボーディングについての海外記事を一つずつ紹介しつつ、自分の所感も併せて発信していこうと考えました。このnoteの想定読者は、あくまで自分です笑。離職防止プロダクトの企画責任者として、オンボーディングについての最新情報のインプットをサボらず続けよう、そんな狙いでできるだけ定期的に書いていこうと思います。

第1回の記事はコチラです
↓↓

■引用記事:
https://hrexecutive.com/boost-retention-by-making-your-onboarding-program-strategic/
(2019.5.21)

■引用記事タイトル:
Boost Retention by Making Your Onboarding Program Strategic
By conducting a cultural audit, HR can make onboarding more meaningful and effective.

(オンボーディングプログラムを戦略的に実施することで定着率を高める。文化監査を実施することにより、人事部門は、より有意義で効果的なオンボーディングを行うことができます。)


■記事要約

戦略的オンボーディングは、次の4つの柱で構成されている。
1.文化的習熟(cultural mastery)
2.対人ネットワーク開発(interpersonal network development)
3.早期キャリア支援(early career support)
4.戦略への没入と方向づけ(strategy immersion and direction)

「文化的習熟」は重要な要素だが見落とされやすい。人事は自社の文化(カルチャー)を公式・非公式含めて全て明らかにして、入社者に理解させる必要がある。

多くの組織にとって自分たちの文化(カルチャー)を定義することは難しい。定義するために、このような質問に答えてみると良いかも知れない。

・「本当の」ストーリーとは何ですか?
・組織の成長と進化に伴い、何が変化していますか?
・明らかにする必要がある隠された認識はありますか?
・改善の必要がある古い伝統はありますか?
・組織は、今日存在するものとは異なる文化を構築することを望んでいますか?

さらに、文化監査(cultural audit)も有効である。文化監査とは、社員へのインタビュー等によって文化の言語化を試みること。

人事は、本物の文化的ストーリーを知って入社者に伝達することで、入社者が組織の真の文化に溶け込めるよう支援する。いくつかの推奨アプローチを以下に示す。

・現在の従業員からの短いビデオは、新入社員が本物の方法で文化の本当の感覚を得るのに最適な方法です。

・新入社員のバディを割り当てることで、新しい従業員は簡単かつ低圧力で仲間から文化を学ぶ機会を与えられます。

・最近の入社者(入社後半年~9か月)2、3名によるパネルディスカッションを開催することは、実際の経験を伝える良い方法です。

・文化について話し合うための具体的な問いかけをマネージャーに提供し、前職と入社した組織との違いを比べることを促します。

・ソーシャルイベントは、新入社員と既存の従業員がお互いを知り、組織の文化と「書かれていない規則」を説明する個人的な経験を共有する機会を促進する良い方法でもあります。


■所

人事が行うOnboardingの取り組みについて、副題の通り特に組織文化に馴染むことに焦点を当てて書かれた記事です。

この記事では戦略的オンボーディングの4つの柱を紹介したうえで、文化的習熟(cultural mastery)を第1の柱として掲げています。

また、「組織の文化」というフワッとした概念を具体的に言語化していくプロセスについても解説されています。

文化の言語化は絶対に大事だと思うのですが、実践するとなると、かなり難しい作業になることが想像されます・・・。

そこで、会社(上司)も入社者本人も、認識を少し変えることからスタートするのはいかがでしょうか。

つまり、入社者にとっては仕事を覚えること以上に、文化を理解し馴染むことが大事だ!そんな認識を入る側も受け入れる側も共通して持てれば、大きな第一歩だと思うのです。

つまり、
上司「中途入社者=即戦力、なんだから、文化がどうのこうの言う前に成果を出してよ!」
入社者「期待されて採用されたのに甘いこと言ってられない、、早く仕事覚えないと!」

このような「間違った考え」を捨てて、オンボーディングについて正しい知識を身につけましょう、という話です。

文化がキッチリと言語化されていなくても、文化を知る第一歩は、まず人を知ること。この記事にもある通り、新人へのバディ割り当て(メンター制など)も効果的です。入社者は、まず人を知って、人の行動や背景にある考え方を知る。それが結果的に文化に馴染むことになると思います。

たまに聞く反論としては、「私は会社の色に染まりたくない」というものですが、何も色に染めようとしているわけではないのです。

新しい組織で仕事を覚え、成果を出して注目を集めるためには、周りからの支援はかかせません。「俺は俺色」とか言っている人はなかなか周りの支援は得られにくい。

最初はあえて染まってみて、結果が出て自分の居場所ができ始めてからでも、俺のカラーを出すのは遅くありません。

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今日は組織の文化についての話でした。当然ながらこの領域は入社後よりも入社前にカルチャーフィットできるかが超重要なのは言うまでもありません。

その話もまた別の機会に、と思います。

※ちなみに英語はまったくの苦手です。誤訳・もっと良い訳がありましたらぜひアドバイス頂けますと幸いです!

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