ステップファミリーというかたち

ステップファミリーという、少し違う家族のカタチをしている私たち。
離婚→事実婚→再婚というステップを踏んで、私たち夫婦は家族のカタチについて何度も話し合ったし、今でもずっと考えます。

再婚するつもりはなかった

離婚したばかりのころ、お互いに再婚の意思は全くない状態で出会い、付き合うに至りました。2人とも離婚したばかりだったこと、前回の結婚でかなり消耗していることが理由でした。

再婚するつもりはなかったけれど、一緒に住むという選択を取ったのは、お互いに生活を送るだけで必死で、生活を一緒にする以外に時間を共にすることが不可能だったからです。
私も息子と2人で生きていくだけの生活費を稼がないといけなかったので、必死で働いていました。夫も、この時はがむしゃらにお金を稼ぐことしか考えていませんでした。その理由は、また別の機会に。

事実婚のパートナーに

一緒に住み始めた私たちでしたが、すぐに夫が仕事に行けなくなりました。
配送の仕事をしていましたが、とにかく拘束時間が長く、体力も必要な仕事。加えて歩合給だったので、数をこなさないと拘束時間に見合った報酬が得られません。焦った夫は無理をしすぎたようです。

このとき、生活に関するお金などについてたくさん話し合い、無理をしなくてもいいから最低限必要な収入を得られる仕事を探そう、と決めた夫。2ヶ月弱仕事をしていない期間があったので、健康保険や年金などの関係で私の扶養に入れるため、世帯を1つにして事実婚の届け出をしました。
こうして私たちは、事実婚のパートナーになります。

娘2人の親権で元夫と揉める

一緒に住み始めてから半年くらいしたころです。元夫から「娘たちを連れて実家を出ようと思う」という趣旨の連絡が入ります。母親に面倒を見てもらっていたが、その母親が「面倒見切れないから施設に入れろ」と言い出したとのことでした。

元夫はシフト制で長時間拘束のサービス業をしています。実家よりも職場に近いところに住んだからといって、到底保育園のお迎えに間に合うような仕事ではなく、正社員のまま日曜勤務をなくしてもらうことも不可能な職場です。(私も同じ職場で働いていました)

大阪なので、保育園もどこも待機児童でいっぱい。すぐに入れるわけではありません。
そこで、私が数ヶ月休職して、保育園に入れるまで娘たちを預かることになりました。次女はすぐに保育園が見つかりましたが、長女はどこの園にも入れず、私は求職することになりました。

休職中の生活とは・・・

私が休職している間、子どもたちは私の家で生活して、元夫休みの日だけ泊まりに行ったりして過ごしました。養育費と生活費としていくらかお金を入れてもらっていましたが、足りなかったので私は深夜バイトに出ていました。

元夫は仕事をしながら子育てをするイメージが持てなかったのでしょう。当たり前です。結婚中は私が、離婚後は元義母が育児を担っていたんですから。

当たり前ですが、私が深夜バイトに出ている間、子どもたちを見るのは夫でした。(見ると言っても子どもが寝てからの仕事だったので、見守り程度ですが)夫からしたら、かなり急な話で困惑しただろうと思います。

じぶんで選択して良いよ

私は夫にこう言いました。

娘2人も私の子どもなので、義母が「施設に入れろ」なんて言っている以上、放ってはおけない。元夫が無理だというなら引き取るつもりでいる。
あなたがこのままここで暮らすか、別々に暮らすかはよく考えて自分で決めていいし、今ここにいると決めても無理だと思ったらいつでも出て行っていいよ。

と。納得して一緒に住み始めるわけではなく、そうするしかないから一緒に住み始めた娘たちと夫。もちろん、娘たちから拒否のサインが出たらその時点で別居も視野に入れていました(それは今も変わりありません)。

結果的に5人家族に

こうして私たちは5人家族になり、その後しばらく一緒に住んだ後、正式に再婚することになりました。そのきっかけは、もし今どちらかに何かあった時、そばにいられないかもしれないと思ったことでした。

大変な時にこそ一緒にいたい

お互いに再婚を望んでいなかった頃は、「お互いに自立した関係でいたい」と思っていました。私の中でその考えが少しずつ変わってきます。

夫が仕事を辞め、過去の浮気が発覚し、借金まであることがわかり・・・ひどい言い方をすると、夫と一緒にいるメリットは何もなかったです。だけど私は仕事に行けなくなった理由も、浮気や借金の理由も受け入れて、夫を許すことにしました。
それは、「大変な時にこそ一緒にいたい」と思ったからです。

そして、今どちらかが病気で意識不明になったとしたら、今のままでは家族の証明ができないから一緒にいられないかもしれない・・・と思いました。
最近は事実婚の夫婦も増えて、いろんな場所で理解されるようになってきましたが、戸籍上夫婦でないことが理由で、大変な時にそばにいられないかもしれない。それが嫌だったのです。

夫の気持ちがかたまるまで

とはいえ、まだまだ5人で暮らし始めたばかりで、生活もどうなるかわかりません。私は夫の気持ちがかたまるまで待つことにしました。

時々話題には挙げるものの、確信めいた話は私からはしないようにしました。夫は10ヶ月くらい悩みに悩んで、自分にできる最大限の努力をして子どもたちに向き合い、私との再婚を決めたようでした。

今は夫の実子も生まれて6人家族に

再婚してしばらくしてから夫との間に子どもを授かり、無事に生まれたので現在は大人2人、子ども4人の6人家族です。
元夫は徒歩10分かからない距離に住んでいて、月に6回くらいは連れ子3人が泊まりにいっています。子どもたちはパパ(元夫)にも変わりなく交流していて、夫とは夫との新しい関係を築いています。

再婚したころ、「子どもたちの父親にならなくてよい」ということは夫と2人で話し合いました。これは今も変わっていません。父親ではないけれど、一緒に暮らす家族として尊重し合える関係を築けるよう、夫は頑張っているし、私はそのサポートをしているつもりです。

良い家族かどうかは結果論でしかない

どんな人もそうだと思うのですが、良い家族をどうしても目指してしまいますよね。特に再婚家庭だと、他人の目も気になるし、学校の先生なんかから色々言われたりする人もいます。

「良い家族でいなければ」と頑張りすぎる人が多いなあと思います。うちも頑張っていますが、良い家族を目指しているわけではありません。常々、「私たちが頑張った結果、子どもたちに自分の家族が良い家族だと思ってもらえたらいいよね」と夫と話しています。

良い家族かどうかは、私たち大人が決めることではなく、成長した子どもたちが感じることだと思っているので、人と違おうが普通じゃなかろうが、私たちは私たちにできるベストを尽くしていきたいです。

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