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RICE: プロダクトマネージャーのためのシンプルな優先順位付け方法

この記事は、下記ブログ”RICE: Simple prioritization for product managers“を、著者の了解を得て日本語に抄訳し掲載しているものです。


ロードマップを作成する際、優先順位をつけるという作業は常に終わりのない課題です。あなたはまず最初に取り組むことをどのように決めていますか?

新しいアイデアのブレーンストーミング、改善点の発見、そしてフィードバックを得ることに注力する中で、優れたアイデアが満載の確かなロードマップを得られるでしょう。しかし、それらのアイデアを実現する順番を決めることは同じくらい重要なことです。あなたが上手に優先順位をつけるためには、それ相応の時間を費やさなければなりません。

優先順位付けは常に難しい問題
では、ロードマップの優先順位付けはなぜそれほど難しいのでしょうか。何通りあるか数えてみましょう:

・あなたとはあまり関係のない大規模なプロジェクトよりも、自分のためのペットのアイデアに取り組むことは非常に満足感を得ることができます。

・堅実で目標に直接影響を与えるとわかっているプロジェクトよりも、他のいい感じなアイデアを考えることに没頭するのは実に魅力的です。

・すでに自信を持っているプロジェクトではなく、新しいアイデアに取り組もうとするのは常にワクワクします。

・すでに手をつけたプロジェクトへの追加の努力は、新しいプロジェクトを始めることよりも簡単に見えます。

たとえあなたがこの精神的な地雷原をそのまま無傷で通過したとしても、全てのプロジェクトの各アイデアにおいて、これらの要素を一貫して組み合わせて比較するという困難な作業が残ります。ありがたいことに、実は頭の中でこれを行う必要はありません。

優先順位付けのためのシンプルなフレームワーク

ここで採点システムの登場です。優れた優先順位付けフレームワークは、プロジェクトアイディアに関する各要素を明確なルールで検討し、それらの要素を厳密で一貫した評価で組み合わせるのに役立ちます。

プロダクトマネジメントに採点システムでの優先順位付けを利用することは、確かに目新しいことではありません。コストと利益のバランスをとるように設計されたシステムはたくさんあります。しかし、一貫した方法でさまざまなアイデアを便利に比較できるようなものはほとんどないのです。

そのため、我々は第一原則をもとに優先順位付けのための独自の採点システムを開発し始めました。度重なるテストと改善の末、我々は4つの要素とそれらを組み合わせる方法に落ち着きました。

RICE: 優先順位を評価するための4つの要因

RICEは、各プロジェクトのアイデアを評価するために使用する4つの要素(リーチ数、影響度、確度、および労力)の頭字語です。


REACH(リーチ数)

自身が使用する機能への偏りを避けるために、各プロジェクトが一定期間内に何人に影響を与えるかを見積もります。私のチームで例えると、「このプロジェクトが1四半期に何人の顧客に影響を与えるか」ということです。

リーチ数は、期間あたりの人数/イベントの数で測定されます。それは「四半期ごとの顧客数」または「月ごとの取引数」などです。可能な限り、根拠のないデータではなく、製品統計データから実際の測定値を使用すべきです。

例)
プロジェクト1:毎月500人の顧客が登録ファネルのこのポイントに到達し、30%がこのオプションを選択します。リーチ数は、四半期あたり500×30%×3 = 450の顧客です。

プロジェクト2:四半期ごとにこの機能を使用するすべてのお客様に、この変更が影響します。リーチ数は四半期あたり2,000の顧客です。

プロジェクト3:この変更は既存の800社の顧客に一時的な影響を与え、継続的な影響はありません。リーチ数は四半期あたり800の顧客です。


Impact(影響度)

目標に向かって針を動かすプロジェクトに集中するには、個々への影響度を見積もります。私のチームにとっては、「このプロジェクトは、顧客と出くわしたときにコンバージョン率をどの程度向上させるか」です。あなたのチームでは、これを「採用を増やす」や「喜びの最大化」などの別の目標に置き換えることができます。

影響度を正確に測定することは困難です。なので、私は選択肢から選ぶようにしています:3は「大」、2は「高」、1は「中」、0.5は「低」、そして0.25は「極小」です。これらの数値は最終的なスコアに掛けられて重み付けられます。

影響度を選択肢から選ぶすることは非科学的に思われるかもしれません。しかし、もう一つの選択肢を思い出してください、あの腸がもつれてぐちゃぐちゃになった感覚ですよ。

例)
プロジェクト1:それを見る各顧客にとって、大きな影響を与えます。影響度スコアは3です。

プロジェクト2:これは各顧客への影響が少なめです。影響度スコアは1です。

プロジェクト3:影響という観点では、これは中間のどこかにあります。影響度スコアは2です。


Confidence(確度)

魅力的ではあるが不明確なアイデアに対する熱意を意図的に抑えるには、算出した見積りについての自信のレベルを考慮に入れてください。プロジェクトが大きな影響を及ぼす可能性があると考えていてもそれを裏付けるデータがないと考える場合は、確度に従ってコントロールすることができます。

確度はパーセンテージです、そして私は意思決定麻痺状態を避けるのを助けるために別の選択式の尺度を使います。 100%が「高い信頼」、80%が「中」、50%が「低い」です。それより下のものはすべて、「完全なムーンショット」です。あなた自身に問いかけてください:見積もりに対して、あなたはどの程度の自信がありますか?

例)
プロジェクト1:リーチ数に関する定量的な指標、影響度に関するユーザー調査、および労力に関する工学的な見積もりがあります。このプロジェクトには100%の確度があると言えます。

プロジェクト2:リーチ数と労力を裏付けるデータがありますが、その影響度についてはよくわかりません。このプロジェクトは、80%の確度があると言えます。

プロジェクト3:リーチ数と影響度は予想よりも低くなる可能性があり、労力はより高くなる可能性があります。このプロジェクトは50%の確度があると言えます。


Effort(労力)

最短の時間、最小限の労力で最大の影響度を与えるには、プロジェクトチームのすべてのメンバー(製品開発、設計、および実装)に要する合計時間を見積もることが必要とされます。

労力とは、1人のチームメンバーが1ヶ月にできる仕事「人月 」の数として推定されます。多くの未知数が存在するので、私は整数に固執することで見積もりを大まかにするようにしてしています(または1か月以下のものには0.5を設定)。他の上記肯定的な要因とは異なり、より多くの労力は悪いことを意味するので、この数値で全体のスコアを除算します。

例)

プロジェクト1:これには約1週間の計画、1〜2週間の設計、および2〜4週間の実装時間がかかります。私はこれを2人月と見積るつもりです。

プロジェクト2:このプロジェクトでは、数週間の計画、かなりの設計期間、および少なくとも2ヵ月のエンジニア1人の時間がかかります。私はそれに4人月と見積ります。

プロジェクト3:これに必要なのは1週間の計画だけで、新しい設計は不要で、数週間のエンジニアリング時間がかかります。私はそれを1人月と見積ります。

RICEスコアを取得するために要素を組み合わせる

私たちの上記4つの要因を簡単にまとめると:

Reach: 何人の人がこれによって影響を受けるでしょうか? (決められた期間内での見積り)
Impact: これは各々にとってどれくらいの影響がありますか? (大= 3倍、高= 2倍、中= 1倍、低= 0.5倍、最小= 0.25倍)
Confidence: あなたの見積もりにどの程度自信がありますか? (高= 100%、中= 80%、低= 50%)
Effort: これには何「人月」かかりますか? (整数を使用し、半月以上を使用してください。必要以上に見積りを詳細に作ることにハマらないように)

これらの要因を推定し終えたら、プロジェクトを一目で比較できるように、それらを1つのスコアにまとめます。これがそのシンプルな数式です。

得られるスコアは、「作業時間あたりの総影響量」、つまり我々が最大にしたいもの、を測定してくれます。自動的にスコアを計算するようにスプレッドシートを作成しました。

ご自由にスプレッドシートを複製し、あなたのプロジェクトで利用してください。または.xlsバージョンをダウンロードしてください。

最初の採点が完了したら、リストを並べ替えて再評価します。スコアが高すぎる、または低すぎると思われるプロジェクトはありませんか?もしそういうものがあれば、見積りを再検討して変更を加えるか、あなたの直感が間違っているかもしれないことを受け入れてください。

RICEは、比較が難しいアイデアを決定するときに非常に役立ちます。なぜプロジェクトのアイデアが影響を与えるのかを考えさせ、達成するために必要な労力について正確に見積らせます。

RICEスコアを効果的に利用するために

もちろんRICEスコアは、絶対厳守の規則として運用されるべきではありません。最初に低いスコアのプロジェクトに取り組まなければならない場合はたくさんあります。あるプロジェクトが別のプロジェクトへの依存関係にある可能性がある場合、スコアが低くても最初にそれを実行する必要があります。また、ある別の機能は、特定の顧客に販売するための「テーブルステークス(必要最低限の要件)」かもしれません。

時々、あなたはプロジェクトを「順不同」に取り組みたいと思うかもしれません。そしてそれは何ら問題ありません!採点システムが設定されていると、いつこれらのトレードオフを行っているのかを明確に認識することができるからです。

RICEのような優先順位付けフレームワークは、何を最初にすべきかについてより多くの情報を得た上で決定し、それらの決定を他の人々に浸透させることを補助します。 あなた自身の優先順位付けプロセスでRICEを試してみて、それがどのように機能するかを私たちに教えてください。

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スタートアップ界隈にいたデザイナー、現在はみどりの会社。(ここでの発言は個人の見解であり、所属する組織の公式見解ではありません) デジタルが持つ質感を表現したい。https://sunfrancisco.net/
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