IRについてマーケティング的に考えてみる
こんにちは。Figurout の中村です。
裏IR系アドカレ1日目担当させていただきます!
昨年は重松さんが企画した「IR系アドカレ2022」を知り、「来年はこんなところにも出たいなー」という思いを胸に秘め、盛り上がりを陰ながらウォッチさせていただいておりました!
ということで、はやる思いでIRアドカレの裏のトップバッター務めさせていただきます!
ちなみに、余談ですが、この「IR系アドカレのトップバッターに名乗りを上げた後のタイミングで、何を思ったのか「資本主義のアップデートアドカレ」という別のアドカレ企画を立ち上げるということも突き進んでしまいまして、そちらも発起人として初日の投稿。
ダブルヘッダーで投稿させていただきます!
ちなみに、「資本主義のアップデートを考えるアドカレ」はこちら↓↓↓
IRとも関連深いかと思いますので、ぜひこちらもウォッチください!
今回は、表題の通り、「IRについてマーケティング的に考えてみる」というテーマでお届けしてみたいと思います。
私は、IRについては現在のFigurout という会社を立ち上げるタイミングで初めて携わっています。それまでは、ずっとマーケティングをやってきました。
ちなみに、Figurout ではこんな感じの「企業価値を可視化し、IRをデータドリブンに」するようなサービスを展開しています↓↓↓
なぜマーケティングからIRに転身したかの理由はこちら↓↓
マーケティング的にIRを考えてみる
さて、本題ですが、マーケティング的にIRを考えてみたいと思います。
マーケティングというと、「SNSでいかにバズらせるか」とか、「SEOで流入を獲得するためにgoogleをハックする方法は?」とか、テクニカルなところに目が行きがちですが、一番大事なのは、「顧客についての解像度を高め、その顧客に対して効果的な打ち手を行うこと」です。
顧客(ターゲット投資家)は誰なのか?
顧客(投資家)に提供する価値は?
顧客(投資家)にどうその商品(銘柄)を知ってもらい、届けるのか?
何となく「個人投資家」「機関投資家」といったあいまいな理解ではなく、それぞれ解像度高く設定した上で投資家とのコミュニケーションを行うことで、より"魅力が伝わる"コミュニケーションであり、IR施策が実施できるかと思います。
顧客(ターゲット投資家)は誰なのか
まずは、機関と個人と大別されますが、それぞれの中にもいくつかの属性区分があります。
また、例えば一口に「個人投資家」といっても、その中身は様々です。
テクニカル/ファンダメンタルといった投資タイプはよく言われる区分ですが、それ以外にも各投資家がどのようなきっかけでその銘柄を買ったかについても、いくつかのタイプがあります。
企業のステークホルダーとして、株主以外に「従業員」「取引先」「顧客」「地域」などがありますが、著名な大手企業ではない中小型株が株主に目をつけてもらうのは、これら何らかのステークホルダーとしてのかかわりがきっかけであることが多いです。
B2Cビジネスであれば消費者投資家の比率が大きいでしょうし、B2Bであれば業界人投資家が多いでしょう。
また、本人だけでなく身近な人(家族など)がその会社に関わったことがきっかけでその銘柄に興味を持った、といったケースも多いです。
スマホゲームの会社と、製造業の会社とでは、当然投資家の傾向は異なります。A社で有効だったIR施策がB社でも有効とは限らないので、きちんと顧客と向き合いながら、どのようなコミュニケーションが有効なのかを考える必要があります。
顧客(投資家)に提供する価値は?
<金銭価値>
配当
値上がり
優待
金銭価値は、投資家が株式保持を経て得るメインの価値です。
配当や優待は投資家に対して「長期的に持ち続ける」という気持ちにさせますし、ボラティリティの高い株は山っ気の強い投資家を引き寄せます。
また、気を付けたいのはこれらの「金銭価値を提供できていないケース」。
過去に株価が高い時期があったりすると、その期間に買った株主は「含み損を抱え不満」という心情となるのは当然のことです。
総会の議決権行使や株主アンケートといったフィードバックを解釈する上では、こうした状況を踏まえて読み取ることが必要です。
<非金銭価値>
「株主」という感情的な位置づけ(ロイヤルカスタマー)
「無名のころから目を付けていた」といった自尊心
情報提供としての価値(機関投資家面談)
投資家の期待するものは金銭価値がメインとは言え、企業が株主に対してもたらす非金銭的価値も意外と無視できません。
その商品やブランドのファンである人が株主だったり、よく使う百貨店に「株主」でいられるという心理的ステータスなど。
誰も目を付けていない無名の会社が大きく成長したりすると、「儲けさせてもらった」という感謝の気持ちを持ちその銘柄の長期株主となっているケースなども耳にします。
また、機関投資家については面談を通じた人と人と関わり合い、という性質は無視できません。担当者の相性もあるでしょうし、「この担当者は業界事情に詳しいから」とか、「有益な情報を教えてくれるから」といった理由で、面談の優先順位が変わったりもします。
マーケティングにおいて「単純接触効果」は非常に大きいということは学術的にも認められています。
サービスの問い合わせや商品購入においては、「良い評判を聞いた」とか「誰かが使っているのを見た」という接触が複数回発生していることが潜在的なきっかけとなっていることが大半です。
投資家にとっての非金銭価値は、金銭価値よりも話題にされやすく、その意味でも決して無視できない重要な要素です。
顧客(投資家)にどうその商品(銘柄)を知ってもらい、届けるのか?
投資家に知ってもらい、購買に至るためには、一定のプロセスが必要です。
商品購入では「認知(Attension)→興味(Interest)→検索(Search)→購入(Action)→シェア(Share)」の頭文字をとってAISASと呼ばれたりしますが、投資家行動だと「認知⇒調査⇒候補化⇒購入⇒保持~売却」でしょうか。
それぞれのプロセスでの顧客との接点を書き出したものを「カスタマージャーニー」と呼びます。
認知を得るための施策は十分か
興味をもった投資家が調査をしている際に、自社HPでは十分な情報提供ができているか
興味をもって「タイミングが来たら買おう」と思っている投資家への再認知のきっかけづくりはできているか?
など、プロセスごとに考えてみると、施策のボトルネックとなっている箇所に気づくことができます。
また、それぞれの施策でのKPIを立てて把握することで、出来高などの成果への影響度が高い施策を見定めるPDCAを回すことが重要です。
仮説はあっても、データで検証しなければ、答え合わせはできません。
仮説をデータで検証しながら施策を行っていくことが、施策のレベルを引き上げていく唯一の方法です。
データに基づいたIR、やりましょう!
とまあ、色々書いてきたのですが、いかがでしたでしょうか。
IRの経験が豊富な方からすると「知ってるよ!」ということも多かったかもしれませんが、少しでも参考になる気づきがあったのであれば、嬉しく思います!
マーケティングのいいところは、「正解は顧客が決める(≒成果がよいことが正解)」という考え方に則り、データに基づいた検証を元に業界が発展してきたところかな、と思っています。
IRは成果の把握が難しいので、なかなか一筋縄ではいかないところはありますが、業界としてデータに基づいた検証しながら知見を蓄積して、IRの活動がより成果に結びつく、よりよい業界になっていけばいいな、と思っています。
そういう意味では、オープンにIRの知見を共有しあう、アドカレ企画は本当に素晴らしい企画だと思います!
企画してくださったシゲマツさん、本当にありがとうございます!
最後に宣伝!
というわけで、Figurout 社では、「データドリブンに企業価値を高めるIRのDXツール、HoooldersAnalytics」を提供しています。
無料トライアルもありますので、気になる方は是非触ってみてください!
ではでは!
Figurout 中村
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