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【2023年版】タイのwebマーケティングは
「コンテンツ作り」が重要。効果的な施策についても紹介

今回はタイで有効なWebマーケティング施策を紹介し、Webマーケティングを運用する上で重要な「コンテンツ作り」についても解説します。タイでWebマーケティングをする上でも、コンテンツの作り方次第で成果に差を生み出すと考えております。

では「タイで成果を出すためのコンテンツ作り」は、どのような準備が必要かについて、オウンドメディアなどを現地で立ち上げた知見からお話しできればと思います。


タイの効果的なWebマーケティング施策について(BtoB / BtoC共通)

まずはBtoB、BtoCに共通して取り組める施策をピックアップしました。

オウンドメディア / ブログ

オウンドメディアやブログは、GoogleやYahooなどの検索エンジンからの検索流入を前提としたマーケティング手法です。一般的にSEO対策といわれていますが、タイでも有効です。

私も実際にタイでオウンドメディアを立ち上げておりましたが、情報やサービスへのニーズが高い見込み顧客を獲得することができました。

オウンドメディアは、成果が出るまでに時間がかかるため、取り組むかどうかの判断が難しい施策でもありますが、もしタイで中長期に渡って同じ事業を展開される際は、早めに自社ブログやオウンドメディアを展開することをおすすめします。

facebook運用

冒頭でもお伝えしたように、タイでは多くの方がfacebookを活用しています。友人の近況をキャッチアップするのもそうですが、旅行や商品、企業が発信するニュース、メディア記事を追ったりする際にもfacebookを利用しています。

タイのfacebook運用でおもしろい点は、日本と比べてタイでは気に入った投稿があればシェアする傾向にあり、有益な情報を提供できれば、多くの方に拡散され、広くリーチすることができます。

過去に運用していたfacebookページでは、広告なしで1投稿で200万リーチ以上を出すこともありました。日本ではfacebookよりもTwitterが活用されていますが、タイではfacebookがアクティブに使われています。

しかし、facebookのアルゴリズムが近年変わったこともあり、拡散されにく仕様になってしまったという声も現地のマーケターから聞くようになりました。

そのため、facebook運用だけをするのではなく、自社ブログやLINE、Youtubeなどのチャネルも同時に育成する必要はあります。

Google  / facebook広告

日本のマーケティングで使われるGoogleリスティング広告や、facebook広告も有効です。タイの方にとっても、Googleで調べることは一般的であるため、検索経由の広告も効果的です。

また先ほどお伝えしたように、facebookはアクティブユーザーが多いため、facebook広告からの流入も期待できます。新しくサービスを始める際にはこの2つから初めてみると良いかもしれません。

LINE

冒頭の資料でも記載がありましたが、タイの方のほとんどがLINEを使っています。日本企業でも導入されているLINE for businessでLINE登録者に情報配信するというマーケティング手法も有効です。

LINE内で使える広告もありますが、コストを抑えながら友達登録を獲得するためには、facebookやブログなどのチャネルを強化した上で、自然な流れでLINEに誘導する流れが良いでしょう。納得感を持って登録してもらうことで、登録後の開封率が高くなったり、すぐにブロックされないといったメリットがあります。

Youtube

世界中の方が動画コンテンツを消費していると思いますが、タイでもYoutubeは見られています。国に限らず、動画コンテンツは簡単に情報収集できる点がメリットです。

しかし、テキストのコンテンツに比べて、動画は制作コストがかかってしまうため、始める前に目的や予算などを整理してから始めるのが良いかもしれません。

またLINEと同様、すでに集客できるブログやfacebookページをお持ちの方は、それらのチャネルを活用してYoutubeに流入させると良いかもしれません。

タイのマーケティング施策 : BtoB向け

 次にBtoBマーケティングで使われるチャネルについて紹介します。

LinkedIn

facebookほど一般的ではないですが、それでもfacebookと併用して利用している企業も多くあります。facebookのコンテンツをLinkedInで再利用し、両方のチャネルを育成するといった方法もできるかと思います。

ウェビナー

タイでもコロナ禍に入ってすぐにウェビナーが流行りました。タイではfacebook LIVEを活用する企業も多く、アクティブユーザーの多いfacebookで開催することで、閲覧される可能性が高まります。

また私もfacebookライブでウェビナーを実施したことがありますが、コメントも多くいただけるため、顧客とのインタラクティブなコミュニケーションをとることができます。

ホワイトペーパー

日本でもよくリード獲得する上でホワイトペーパーを活用されますが、タイでも有効です。特にfacebook広告や自社ブログを活用して、ダウンロードを促進することでリードを獲得できるでしょう。

タイのマーケティング施策 : BtoC

続いてBtoCマーケティングについて見ていきます。

Instagram運用


BtoCではInstgramが活用されています。運用の目的や仕様に関しては日本もタイも同じですが、コンテンツやクリエティブが少し違います。

タイでInstagramを運用する際は、タイの消費者に対して、違和感を与えないためにも、現地の競合のアカウントを研究し、現地の習慣に合わせたコンテンツ作りが重要です。

Shopee /  Lazada運用

タイのECはShopeeとLazadaが一番使われています。日本ではAmazonや楽天以外にも、公式サイトのECからも商品を購入しますが、タイではShopeeやLazadaからの購入が好まれます。

ShopeeやLazadaにはすでに支払い方法や住所が設定されているため、顧客にとっては簡単に商品を購入できます。

公式サイトのECなどは再度住所や支払い方法を設定する必要があり、かつ詐欺などで被害を受ける人も多いため、信頼できるプラットフォームで購入したいというニーズがあります。

すでにブランドに対する信頼や実績がある場合は、公式サイトでも売れるかもしれませんが、タイ国内で実績がない状態で公式サイトだけを展開するのは難しいかもしれません。

Shopee内にも、商品を露出するための広告機能もあるので、それらをうまく活用することで購買に至る確率を増やすことができます。

Tiktok

日本と同様、タイの若年層にもTiktokは人気があります。テキストよりも動画コンテンツの方が相性良い商品などはTiktokの活用も検討してみるのも良いかもしれません。

タイのWebマーケティングのポイントは「コンテンツ作り」

日本で普段使っているfacebookやgoogleなどのツールは国が変わっても、仕様(アルゴリズム)は変わりません。

しかし、多くの企業がタイのマーケティングに苦戦する理由として、コンテンツ作りにあると考えています。コンテンツのほとんどの部分を日本人が考えてしまい、「あとは翻訳するだけ」ですと、現地の方にとって違和感のある表現や伝え方になってしまうことがあります。

そのため、日本側で全て決め切るのではなく、方向性や軸をすり合わせ、それ以降のコンテンツ作りの大部分に関しては、ローカルメンバーに任せる方法が効果的です。

もちろん、サービスやブログを立ち上げ時はタイの方もどんなサービス・ブログかがわからないため、方向性のすり合わせをしっかり行い共通認識を持つことで成果は大きく変わると思います。

コンテンツ作りに関しては、こちらでも解説しておりますので、参考にしていただけますと幸いです。

このコミュニケーションが実は一番難しいところではありますが、習得することでグローバル展開の可能性が一層広がるでしょう。


タイのWebマーケティングで「コンテンツ作り」が重要な理由

タイに限らず、日本のWebマーケティングでもコンテンツ作りは重要であると考えています。コンテンツ作りはいわゆる、

  • 見ている方にとって伝わりやすい表現や言葉を選んでいるか

  • 頭に入ってきやすい記事構成になっているか

  • 顧客目線で考えた記事タイトルになっているか

といったライティングスキルが重要です。どれだけSEOのアルゴリズムを理解し、Google広告運用に長けていたとしても、最終的に顧客の目に触れる部分は、記事コンテンツやWebサイトの文章といった「クリエイティブ」です。

そのため、Webマーケティングで成果を出すためには、マーケターだけではなく、ライターの採用も力を入れていく必要があります。

タイ向けマーケティングのコンテンツ作りでよくある間違い

タイ向けにマーケティングを始めようとして、やってしまいがちな間違いとしては、日本のコンテンツをそのままタイ語に翻訳してしまうことです。

かくいう私も、タイに渡航した当初は右も左もわからずに、Google翻訳を使ってタイ語にしたものを公開して、後から入ってきたタイ人メンバーにドン引きされました。

コンテンツ制作でGoogle翻訳は使い物にならなかったですが、タイ人翻訳・通訳の方が日本語記事を翻訳する方法もおすすめできません。

もちろん、全くダメという訳ではありませんが、「Webマーケティングで大きな成果を出す」という視点で考えたときには、「ただ翻訳する」も避けるべき方法です。

その理由は大きく2つあります。

1.翻訳家は日本語スキルは高いが、タイ語のライティングが得意な訳ではない

私もタイでメディアを立ち上げた当初は、別の事業で採用されていた翻訳家の方に、日本語記事の翻訳を依頼していました。もちろんGoogle翻訳を使った場合に比べると全く違いますが、

・どういう表現で伝えたいのか
・どうやってオーディエンスを惹きつけることができるか

といったマーケティング視点でのライティングは得意とは限りません。

また、現地の状況について詳しいのは日本人よりもタイ人の方です。現地に刺さる表現や伝え方を知らない日本人が考えたものをそのまま翻訳しても、現地の方にとっては魅力的に聞こえないでしょう。

2. 日本人が考えた文章や表現が全て伝わる訳ではない

日本人が考えた文章や表現は必ずしも、そのまま翻訳しても伝わるわけではありません。日本はハイコンテクスト文化であるため、少ない言葉でも多くの意味を伝えることができます。

そのため、日本人にとってはクリエティブに感じる表現でも、直訳するとタイの人にとっては「何をいってるんだ?」と捉えられることがよくあります。

そのため、日本語で一生懸命考えたクリエティブな表現をそのまま翻訳すると逆効果になってしまいので注意が必要です。

成果を出すためのタイでのコンテンツ作り

では、成果を出すためにはどのようなコンテンツ作りが必要かについて解説します。コンテンツを作る大まかなフローは主に以下です。

1. ライターを募集するための募集要項(Job description)を作成する
2. 求人サイトやfacebook、LinkedInを通じて募集をかける
3. 面接を実施する
4. オファーを出す
5. オンボーディングでサービスや製品、メディアの方向性を伝える
6. ライターの役割や期待する成果を明確にする
7. まずは日本人側でコンテンツの骨子を作成しライターに連携する
8. 翻訳ツールで内容を把握し、タイメンバーに細かい部分を確認依頼

1-4は採用に関するプロセスですが、社内にライターがいない場合には採用からはじめましょう。すでに社内にライターがいる場合はステップ5から進めていきます。

タイでのライター採用については今後別のnoteでまとめます。タイマーケティングにおいて、採用スキルは成果を大きく左右するので、私の失敗談も含めてタイライターの採用方法について紹介できればと思います。

ではプロセス5から順に見ていきましょう。

オンボーディングでサービスや製品、メディアの方向性を伝える

社内や業務委託などでライターがすでにいる状況のプロセス5から見ていきます。

まず成果を出す上で重要なポイントは、タイメンバーが製品やサービスについて、また会社の方向性を理解していることです。「一部の業務で動いてもらうだけだから、全体を説明する必要はない」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、チームとして最も効率の良い状態は、全メンバーが同じ目的を持って仕事に取り組むことです。

このコミュニケーションを疎かにしてしまうと、成果どころか、メンバーのモチベーションも下がってしまいます。そのため、新しく入ってきたメンバーには念入りにサービスの方向性についても説明しましょう。

ライターの役割や期待する成果を明確にする

日本では自分の範囲外の仕事も引き受けることがあると思います。しかし、タイではジョブ型の意向が強いため、自分の仕事の役割、範囲を明確にしたいという傾向があります。

また国や文化が変われば、日本人同士なら伝わることも、日本人とタイ人同士では伝わらなくなるため、常にメンバーには何を期待し、どんなアウトプットを出して欲しいかを伝える必要があります。

まずは日本人側でコンテンツの骨子を作成する

「まずは」と記載したのは最終的にはタイの方が自走して作る体制が望ましいためです。

しかし、最初から丸投げするとタイの方も何から着手すれば良いかわからないので、最初は依頼する方(日本人担当者)が骨子を作成して、タイの方に依頼する流れが良いでしょう。

日本人担当者がタイ語ができない場合は、骨子は英語で記載する必要があります。そのため、ある程度英語ができるタイライターの採用をおすすめします。

翻訳ツールで内容を把握し、タイメンバーに細かい部分を確認依頼

最後に確認作業をおこないます。内容は翻訳ツールを活用すれば8~9割の内容を把握することができます。そのため記事の方向性がずれていないか、などは日本人側でも確認することができます。

しかし、細かい表現や誤字などは、ライター本人、または他のタイの方にも確認してもらい、問題がなければ公開します。

日本人でも誤字はおきますが、同じくタイでも誤字脱字などはよく発生するので、ダブルチェックは実施します。

ローカルメンバーとのコミュニケーションが重要

これまで見てきたように、タイで良いコンテンツを作るためには、マーケティングスキルだけではなく、英語力、コミュニケーション能力、マネジメント能力、また時に現地のやり方に合わせる柔軟性も必要になります。そのため、どれだけテクノロジーが浸透しても海外マーケティングのハードルは依然高いのです。

タイのwebマーケティングはマーケティングスキルを持っているだけでは、うまくいかないことについて解説しました。一方で、今回紹介したハードルを越えることで、海外進出の可能性は大きく広がります。今後展開される際に、今回の記事を参考にしていただけますと幸いです。

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