いや、まずは日本人を俯瞰しよ。
最近、仕事の都合で日本からタイにきた人が相談してきた。
「こっちで会う多くの日本人が『タイ人はバカ』っていうねん。」
彼がタイに来てすぐにこの話を自分にしてくれてよかったと思った。
そしてこれからグローバルに働きたいという方は、これから話す「現地成功者に教えてもらった海外での大切なマインドセット」をぜひ覚えていただきたい。
僕は現地向けの人事メディアを立ち上げてきた一方で、
・現地で成功している日本人経営者
・日系企業で働くタイ人の取材
・ローカル大企業のタイ人役員
など幅広い方を対象に取材してきた。
取材しながらも学ぶことはかなり多く、「自分の仕事でも適用させよ」と思うことばかりであった。
まず、現地で成功している日本人に共通して言えることは、
「タイ人はバカだ」と言わないこと。
現地の人を卑下している人など見たことはなく、日本人にも短所や長所があることを認め、タイ人にも同様に長所や短所があることを認めている。
そして現地の方と協力しながら仕事を進めていく姿勢があるということ。
つまり、現地に対してリスペクトがある。
なぜ一定数の人はタイ人をバカと感じるのだろう?
今回、「タイ人は本当にバカなのか?」と相談してくれた日本人の方には、
海外で働く上では、日本人をもっと俯瞰したほうがいい。
と伝えた。これも取材で学んだことである。
例えば以下のようなケースをちらほら聞く。
日本人:プロセスが10あるうち、1から10全部やってほしいのに、3,4,7,10しかしない。遅刻もかなりする。
タイ人:日本人プロセス守りすぎでルールも多い。プロセスの中で飛ばしたほうがいい仕事もあるのに。だから判断遅い。
あと、別に3分くらい会社に遅れてもいいじゃん。
ほうほう、なるほど。
確かにタイ人は日本人と比べて少し規律正しくはない人が多いかもしれないし、タイ人と比べて日本人は真面目すぎるかもしれない。どちらが正しいなんて答えはない。
おそらく、お互い自分の価値観に反することが目の前に現れると、少しばかりは憤りに近いものを感じるのだろう。
ここで「自分を俯瞰すること」が大事である。
(この図はイメージです。特に何かのデータを元にしたとかではない。)
日本人(自分)はもっと広い世界で見ると、どの位置に属するんだろう。
それに比べてタイ人(相手)はどこに位置するんだろう。
もしかして、日本人(自分)て真面目すぎるのではないか。
じゃあどのように伝えれば、相手に伝わるだろうか。
と、一旦俯瞰すること。そして一旦自分の長所、短所を客観的に捉えてみること。これをするだけでも現地の人とうまく仕事できるのではないかと思う。
相手の短所ばかり見ていると、せっかく才能ある人でも辞めてしまうことがあると思う。
相手の苦手な事ばかりをフォーカスしてそれを直そうとするよりも、彼らができることにフォーカスしてそれを伸ばしていったほうが最終的に良い結果になることもある。
自分も現地向けの人事メディアは、タイ人と一緒に協同してやっているが、もちろん彼らも苦手なところがある一方で、得意なところもある。
むしろ日本人の方があまり持っていないような創造力を発揮することもあり、「タイ人はバカだ」と決めつけ、上から押し付けるような関係であると引き出せなかったかもしれないな、と思うことが多々あった。
日本人も完璧ではないし、失敗することもあれば、規律の正しさが時としてディスアドバンテージになることもある。
他人をバカと思うほど傲慢になってはいけないし、自分を疑い続けることが大事だなと、彼の相談を聞いてふと感じたことを今回はシェアしました。
日本でも外国人労働者が増える時代にもなりますので、このコンテンツが少しでもお役に立てれば幸いです。では!
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