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「幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない マインドフルネスから生まれた心理療法ACT入門」感想と要点紹介⑭最終回

こんにちは、papaたぬきです。
書籍「幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない マインドフルネスから生まれた心理療法ACT入門」より、
「コミットメント」についてまとめたものを記事にしたいと思います。
今回がシリーズ最終回になります。

コミットメント

「コミットメント」とは、価値に基づく行動をとることをいいます。
それは完璧にこなすこと、完遂させること、間違えないことではなく、
たとえ間違ったり道から逸れそうになったときでも自分を励まし、自分のすべきことを知り、目指す方向に前進し続けることを指します。
不安になったり、傷ついたりして、二度とやりたくないと考えるときもあるでしょうが、
常に立ち上がり、経験から学び、思考と感情を受け入れて、心を現在に置き、自分の価値とつながり、前進していくことだといわれています。
目標を達成できるかどうかを前もって知る方法はありません。
ひたすら自分の価値の方向に進んでいくしかないのです。

もし自分が価値の方向から脱線した場合は、
まずはそれを認識して、起こった事実と一緒にいることが大切です。
同時に、一度起こった事実は変えようがないということを受け入れる必要があります。
過去を反省し、次の機会にどう行動するか考えることは意味があるかもしれませんが、
過去を悔やみ、自分の愚かさを呪ってもまったく無意味なのです。
自分は人間で、故に不完全であることを受け入れましょう。
そして、今現在で可能な、重要で意味ある行動は何かを考え、実行しましょう。
もし最初の挑戦、行動でうまくいかなければ何度でもやってみましょう。
それでもうまくいかなければ、別のやり方でやってみましょう。
置かれた問題がどんなものであれ、そこからは何かを学ぶことができ、成長できるはずなのです。

行き詰まったら

行動しても変化を感じられず、いわゆる行き詰まりを感じることもあるかもしれません。
そのときは、以下のFEAR(フィアー、恐れ)のどれかに陥っているかもしれません。

F(Fusion) フュージョン
E(Excessive expectation) 過剰な期待
A(Avoidance of discomfort) 不快感の回避
R(Remoteness from your values) 価値との乖離

あなたが感情的に行き詰まったり、行動するのをためらっている場合、何が問題になっており、どうすれば解決できるのかを考えてみましょう。
否定的な思考とフュージョンしているのであれば「脱フュージョン」を試しましょう。
非現実的な期待をしているのであれば、目標を小さなステップに分け、自分にもっと時間を与え、失敗することを許しましょう。
恐怖や不安などの不快な感情を避けようとしているのなら、拡張のテクニックを使い、感情に居場所を与え、受け入れ、自然に過ぎゆくまで共にいるようにしましょう。
自分の価値を見失っている場合、足をとめて、目に見える形で書き出しながら、自分にとって大切にしたいことは何かをじっくり考えましょう。「どんな人間になりたいか」「心の奥底で欲しいと思っているのは何か」と自分に問いかけてみましょう。

心が乱れるときは、「今ここ」に全力で集中し接続しましょう。
深呼吸し、心に錨を降ろし、強い感情の嵐に巻き込まれたとしても自分を見失わないために地に足をつけましょう。
見えるもの、聞こえるもの、触れるもの、味わえるもの、香れるものを5つ探して、集中して実感しましょう。
落ち着き、冷静な心で、「何ができるか」を考え、実行しましょう。
間違えずに行動するのでなく、うまくいくまで繰り返し挑戦する積極性と、まだ見ぬ自分の可能性に開いた心で関われる好奇心を育みましょう。

最後に

ACTは、

「アクセプタンス・コミットメント・セラピー」

の頭文字をとったものだと言われていますが、他にも、

「アクセプタンス・コネクト・テイクアクション」

の頭文字をとったものともいえます。
現在と接続し、行動を重視した考え方でいえば後者の方がより「テイクアクション」の要素が強いように受け取れます。
私たちは変化を求めながらも不快さを回避したい気持ちもあるため、結局やりたいことは考えられていても行動が伴わないという状況が多くあるように思います。
そして「自分の価値は何か」と改めて意識的に考えることもなく、漫然と毎日を過ごしているようにも思えます。
より良い人生のために、自分の最期がきたとしても後悔の少ないように、できる行動を淡々としていくための心を育むメソッドでした。
正論や常識、人から与えられるものでなく、「自分がやりたいことを実行する」ためのサポートであり、私もとても参考になり、大好きになりました。

ありがとうございました。

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