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フリーエンジニア 単価交渉のハナシ

働き方を考えるのもフリーランス

 人売りのハナシの記事である。

 同じ案件も契約期間が長くなってくると契約更新が複数回発生することになる。契約更改のタイミングでは、他の案件の方が単価がよいから別の仕事を請けようか、スキルアップを考えてそろそろ他に移ろうか、なんて色々な悩みと今の報酬額や仕事内容を天秤にかけることになる。毎月契約更新の人もいれば、3カ月、半年、と色々な更新のタイミングで他の案件を案件斡旋会社で探してもらったり自分で仕事を取りに行ったりとアクティブに動こうと思えば、案件アンテナを常に張っていなければならないが、実はとても疲れる。

報酬とは何かを考えてみる。

 人売りで働いているフリーのエンジニアにとって報酬額はエンジニアとしての評価と直結している。スキルが磨かれ高い技術を持てば報酬額が増える・・・とは簡単にいかないのもフリーのエンジニアの悩みどころ。
 フリーランスのエンジニアは、そもそも高いスキルを見込まれて単価報酬が決まっているので究極のハナシではあるが稼働している案件内でスキルが高くなろうとも単価報酬が上がるということは約束されていない。
 
 実も蓋もないハナシで案件の予算に依存している。

 参加する案件が稼働現場(これからは請け側と書こう)で受注した金額規模に直結してくる。その受注した金額でエンジニアの報酬も決まってきてしまう。
 100万円で受注した仕事にエンジニアの報酬を100万円払えない。60万円ぐらいが上限になるんじゃなかろうか。逆に言うとスキルを磨こうがこの仕事はそれ以上に報酬が増えることがない。予算上限は決まっている。報酬とは請け側の受注額や粗利が計算されるときにエンジニアの予算枠が確定されることになり、予算枠が決まっている以上、必要となる費用が増えるということを簡単に了承されることもない。

報酬が増えるということ。

 フリーランスのエンジニアが稼働している案件の単価が増えるということは裏を返せば請け側の利益が圧迫される、ことと同じ意味になる。案件斡旋営業会社の営業は、同じ案件に長期稼働しているのでそろそろ単価を上げて欲しい、なんて切り出したりするのだが、これが簡単に通らないのは予算が決まっているからでそうは上手くコトは運ばない。
 オッサンの過去の経験だと報酬単価を増やしやすい交渉が出来るタイミングは、同じ現場でも別案件に参加するといった打診がはいる頃がタイミングがいい。これが契約の更改時期と被っている案件斡旋会社の営業はいい感じに単価が増やす交渉をやってくれる。
 彼らとしてもエンジニア単価が増えるということは、中間マージンが増えることを意味するので積極的に増やしたい。その結果として現場に出ているエンジニアも報酬が増える。
 
 フリーランスのエンジニアは技術を使って報酬を稼いでいるかわりに積極的に営業をやっていないことが多いので、案件斡旋会社の営業をどうにか使って自分の報酬を増やす、なんてことも考えてみたりすることをお勧めする。このあたりは案件斡旋会社の営業と、ハラを割ってハナシてみてもいい。フリーランスにとって、斡旋会社の営業は敵ではなく味方なので積極的にコミュニケーションを取っていきたい。

契約期間を延ばすということ。

 会社員とは違い、フリーランスは受注した契約期間に報酬が発生するので契約が切れてしまえば無職になる。実に当たり前のハナシなのだが、これがなかなかしんどい。
 仕事が順調に行っている時はあまり考えない。淡々と書類を処理して、もっというと面倒くさいぐらいにか思わないのだが、プロジェクトが終わりに差し掛かり契約の終了が見えてくると少しずつ焦り始める。

 オッサンも昔は次の案件斡旋がないという時期があって焦った、という経験がそれなりにある。単価は高い代わりに契約が1カ月ごとの案件だったので、いつ契約終了が来てもおかしくない。報酬が高い代わりに2カ月先が全く見えないという状況で働いていたことになる。
 もちろん、案件斡旋会社が間に入っているので途切れないように案件を持って来てくれるんだが、自分がやりたい仕事が来るとは限らない。
 
 後にこの状態がストレスとなってしまい体調を崩すなんてことが起こってしまったので、月単価を少し減らす代わりに3カ月更新としてもらった。
 予算枠が決まっているのでその費用が減るのであれば請け側としては利益が増えるので飲みやすい。働いているエンジニアとしても4カ月先を考えればよくなるのでストレスが軽減される。
 もっとも、これも請け先の経理処理が絡んでくるので、どうしても1カ月ごとなんて会社も存在しているし、逆に3カ月ごとしか対応できないなんて会社もあるので、案件を請ける時に確認しておくのが前提であったりもするのだが。

オッサンの場合はどうしているか。

 オッサンの場合のことを少し書いてみる。 

 オッサンはメインの案件+サブの案件という形で常に最低2つの案件を受注している。正確にいうと3つの案件を請けているのだが、3つ目の案件については割愛。
 
 世の中には平日休みで土日祝日が通常営業日といった会社があって、そういう会社であってもエンジニアの需要はあるのでサブの案件は土日祝日で必要な時間だけ働いている。メインの案件は平日である。

 じゃぁ、週7日働いているのかというと、それも違う。
 オッサンは、メインの平日案件は160時間で働いていなくて、週3~4日の稼働にしてあって、稼働日数が少ない代わりに月単価をある程度はお値引きという形で3ヶ月契約となっている。
 
 ちなみに、記事を書いている今はサブ案件の休憩中である。

 サブ案件は稼働時間は決まってるものの常識的な範囲であれば適度に休憩をとるし、そこに文句を言うような面倒くさいお客さんの案件を請けたりしていない
 この案件は自分で営業をして取って来た仕事で、契約は1年毎の更新。
 このサブ案件で最低限の生活をするのに必要なカネを稼ぎだせるように調整している。

 今は平均すると週に平日1日休みになるだろうか。
 サラリーマンであればこんな働き方は許されないんだろうけれど、フリーランスとなった今では、誰にも何も言われない。

 技術と時間を使って、自分の得られるカネの最大化を考えて何が悪い。  

 今年は強制確定申告になる寸前まで売り上げが出てしまった。
 来年あたり法人化をしなければ税金で死んでしまうので、そのうち法人成りの記事を書いていくことになるんだろうか。

エンジニアは技術職なのか?

 最後に、ちょっとだけ面倒なハナシを書いてみようと思う。
 フリーのエンジニアとは技術職なのか、ということ。

 オッサンは、自分のコトを技術職だとは思っていない。
 サービス職だと思っている。

 お客さんに満足してもらってその対価として報酬を頂いている。
 どれだけ技術があろうが、知識があろうが、満足をして貰えなければ対価を頂くことができないし、逆も然り。

 スキルを磨いて、知識を付けて、それでも単価があがらない、なんて悩みを持っているようであれば、少しだけ考えてみてもいいのかもしれない。
 

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