見出し画像

フリーエンジニア SES契約のハナシ

 時間契約で仕事をしていると、稼働し過ぎてしまった場合は時間超過による精算を回避しないといけなくなり休みを取らないといけなくなる。
 今月は初っ端から60時間連続稼働なんて作業スケジュールに巻き込まれたため強制的にお休みをとることになった。

 普通の会社員ならアウトな稼働だろうけれど、フリーランスであれば全く問題がないのよな。プロパーやSESの会社員の立場の方々には2交代のシフトを作って作業スケジュールを組んで、フリーランスの方々には限界までやってもらった。フリーランスはキツそうなんて感想も出そうだけれど、実はキツくもなんともない。
 60時間の稼働は8日程度の稼働時間にあたる。3日働いて8日分の稼働が稼げるということは、5日分は休みを取っても問題ないどころか、休み切れなければ超過精算が貰える。フリーランスの1時間あたりの超過精算費用は、お店のお姉さんの時給を超えることもあるのだ。お姉さんのいるお店で飲めるカネが貰えるのに稼働を拒む理由があろうか。あるわけがない。

SES契約のパターン

 オッサンのようなヒト売りの案件を持っている人間のほとんどの場合は時間で契約している。標準的なのは160時間±20時間。一か月、140時間~180時間の間は契約金額で働けって内容となる。
 週5日稼働の案件であればこの契約になる。1カ月の営業日はだいだい20日程度なので会社員同等で働くことを求められるとこの契約になる。残業を挟むとギリギリになってしまい超過精算を避けるために月末にお休みを頂き帳尻を合わせるコトが多い。

 オッサンはメインの案件は120時間±15時間。105時間~135時間の間で働く契約になる。週4稼働なら、8時間×4日×4週=128時間。
 オッサンは既に90時間程度の稼働時間があるので、メインの案件は超過精算をさけるのであれば、今月は残り5日程度しか働くことができない。

 中には週3という案件や、週2という案件も存在していて、そこは働き方によるんだけれど稼働時間が少ない案件は、固定ではなくて時給精算になる方が多いようだ。オッサンのサブ案件は時給精算になっている。働いたら働いた分だけ精算して貰えるので、メイン案件の契約金額を超えることも珍しくない

 一昔前には、月額固定(精算なし・経費精算なし)とかいう案件も結構あったんだけれど、さすがにそんな条件が悪い仕事をやるフリーランスはおらず、見かけることはなくなった。この手の仕事を請けるのはみなし残業が一律固定額支給となっているような残念な会社ぐらいじゃないかな。この手の会社はみなし残業時間を超えても別途残業代を支給しない傾向があり、正社員として雇ったエンジニアを使い潰しながら活動していて、それに気が付いたエンジニアもバンバン転職していくので、通年大量採用していたりして、とても分かりやすい。

 最近のフリーランスは本当にスキルが高い人間が多いようで、条件の悪い案件はいつまでも残り続けることがあり、本当にエンジニアが必要なのであれば条件を見直すように案件斡旋会社が助言や提案をした方がいいと思うんだけれどな。
 フリーランスの案件探しなんて、常駐案件とか、真っ先に案件候補から外してくワケで。今は背広を着て社外常駐するような案件は、ヒト売り会社ぐらいしかやらないんじゃなかろうか。
 ポツポツと私服で社外常駐を許すSIも出てきたけれど、それでもなぁ。

超過精算について

 契約時間を超過した場合、超過精算の計算方法もいくつかあるので書いておこうと思う。一般的に多いのは中間割。
 月額80万円の160±20の案件だと180時間を超えた分が超過の精算時時間となる。この180時間を超えた1時間あたりの時間の計算方法を中間(つまり160)で割った額とする契約である。
 この場合、5000となるので、超過1時間あたり5000円になる。
 
 他に、上割、下割なんてのもある。上記の案件であれば、180時間で割るのが上割。140時間で割るのが下割。
 上割だと超過1時間あたり4444円
 下割だと超過1時間あたり5714円

 下割のケースはほとんど見たことがないが、上割は結構あるので契約条件の確認をする時に注目したいところ。超過は上割で控除は下割という条件を出してくる案件斡旋会社は相手にしない方がいいと思われる。

 他に、超過10時間毎に固定精算といった形のケースなど、色々なパターンがあるので案件を請けるときには注意したい。

これはやっちゃダメ、絶対

 どんな決まりに反しているかという細かい説明を省くけれど、やっちゃいけないことだけ書いておこうと思う。
 
 超過精算をした時間分だけ、翌日の稼働時間に回して超過精算が出ないようにして欲しい、なんてコンプライアンス完全無視した要望を出してくるお客さんがたまにいる、というか、一昔前はたくさんいた。
 
 ようは、超過精算の費用を出したくないので翌月の稼働時間と相殺するとうハナシなんだけれど、これは絶対にやっちゃダメなので応じない方がいい。応じるとしても間に入っている会社に調整をさせてノータッチの状態を維持する。そこら辺の細かいハナシは営業とやってもらっていいですか?といスタンスを崩さずに、どうしてもというハナシであれば応じないこと。

 過去に裁判沙汰一歩手前までいった事例をいくつか知っているので、君子危うきに近寄らず。というよりも、そんなハナシを持ってくるような案件斡旋会社やお客と付き合うこと自体がリスクなんで、さっさと手を切った方がいいと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?