発泡性ワイン/アスティ方式&アンセストラル方式【WSET Lv.3/JSAソムリエ・ワインエキスパート1次試験対策】
1度しか発酵を行わない発泡性ワイン
アスティ方式とアンセストラル方式はどちらも1度しか発酵を行わない。
JSAの一次試験を受けたときに、なんとなく理解はしていたこの2つの製法。
ですがきちんと自分の言葉で順を追って説明できずにいました。
WSETの勉強をして腑に落ちた内容の一つです。
今日も振り返り&まとめていきます。
アスティ方式(Asti Method)
イタリア、ピエモンテ州のアスティ地区で、甘口の微発泡性ワインを作る際に使用される製法です。
モスカート・ビアンコ種を用いて造られます。低いアルコール度数が特徴。
発酵は1回のみしか行われません。
アスティ製法の手順
1.ブドウの圧搾と清澄
これらが終わったら、果汁は必要になるまで冷やしておきます。
2.部分的な発酵
使う段階になったら果汁は温めて、加圧されたタンクで発酵を行います。
最初は炭酸ガスを逃すようにして、発酵の途中でタンクを密閉し、炭酸ガスを中に閉じ込めます。
そのまま発酵を続けます。
3.冷却
アルコール度数が7%、圧力が4〜5気圧になったところでワインを冷却して早めに発酵を止めます。
4.濾過
圧力下で濾過して酵母を取り除き、瓶詰めされます。
アルコール発酵を途中で止めることによって、糖分が残り、甘口で、アルコール度数の低いワインができあがるのですね。
※補足
JSAの教本ではタンク内方式(シャルマ方式)=アスティ方式
と明記されていますが、WSETのテキストに則ると厳密にはタンク方式とアスティ方式は異なる製法と言えます。
なぜならタンク内方式ではタンク内で二次発酵も行いますが、アスティ方式では果汁をタンク内で発酵させてガスを閉じ込めるから。1度しか発酵は行わないからです。
アンセストラル方式(田舎方式)
近年の自然派のワインブームに合わせるように人気が出てきた発泡性ワイン。こちらもアスティ方式と同じく発酵は1回しか行いません。
シャンパーニュの産みの親のドン・ペリ二ヨンがブレンドやコルクの使用を始める1670年以前はこちらの方式が発泡性ワインの主流だったそう。
アンセストラル方式で造られたワインは" ペティアン・ナチュレル"あるいは"ペット・ナット"と呼ばれます。
1.ブドウの圧搾と果汁の清澄
2.部分的な発酵
3.部分的に発酵した果汁を瓶詰め
発酵中の果汁は1回の発酵の途中で瓶詰めされます。ここで瓶内に炭酸ガスが閉じ込めれます。
4.発酵は瓶内で継続
5.動瓶と澱抜き(オプション)
デゴルジュマンは任意。行わない場合はワインに沈殿物や濁りがみられる。
同じ銘柄でもボトル差があり、圧力や残糖分もまちまち。
瓶詰めのタイミングを誤るとガス圧が強すぎたり、澱が出すぎてしまうことがあるため、この製法を使用するためにはスキルと経験が必要になってきます。
また、ナチュラルの観点から添加物を入れない物が多いです。
ミュズレやコルクではなく、王冠でキャップがされている物が多いことも特徴。気軽さや早飲みの観点から王冠を取り入れているそう。
現在、世界中でさまざまなブドウ品種で生産されており、味わいは辛口からオフドライが典型的(瓶内で辛口になるまで発酵が進んだかによって異なる)です。
余談ですが、noteの記事投稿のトップ画像はいろんなクリエイターさんからお借りすることができるのですね。
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