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農を食と職に!農スクールの活動紹介【後編】具体的な活動内容

我々NPO法人農スクールの活動紹介なのですが、何を目指して行っているかは前編にまとめました。続いて後半は、具体的に行っていることをまとめます。

スクール事業

農業に興味を持った方で就農を目指そうという方に、訓練を提供する事業です。主に、生活困窮者や、ひきこもり状態の方など働きづらさを抱えている方を対象にしています。スクール事業は下の図でいうと、農作業の特訓の軽いところから実践までを対象としています。

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 ●農スクール通常プログラム

農作業を学び、就職就農を目指すプログラム。週に1度2時間のプログラムを10回、約3か月間の間、農作業を行います。
導入編・・・農作業が初めての方が多いので、農作業の負荷は少なめ。段々と体を慣らしていく。
基礎編・・・導入編に通った方で本気で就農を目指す方を対象にしています。地域の協力農家さんの元に行き、実際の現場で研修させていただくという内容です。

こちら↑が少しずつ形を変えながらも13年ほど前から行っているプログラムになります。農スクールのHPに掲載されているのもこちらになります。
農スクールHP⇒ 


 ●農スクール鎌倉

障害者等農業就労体験セミナーという名前で鎌倉市さんと共同で行っている農業就労を体験するセミナーです。こちらは、障害のある方、または就労・自立に不安があり、現在就労していない鎌倉市内在住の方なら誰でもご参加いただけます。
詳細はこちら⇒ 


 ●キャッシュフォーワーク

コロナ禍で職を失った方を雇用して賃金を支払い、地域の経済復興や困窮した方の自立支援を行っていく活動です。地域の農家・法人等に出向し、農作業をしながら、経営・営業・販売や地域とのつながりを活かした多様な仕事経験の機会を提供し、農業に限らない様々な仕事への就職を支援していきます。
現在(2021年6月21日時点)アルバイト募集をしておりますので、「44歳以下」で「コロナによって減収した」という方で興味がある方がいらっしゃいましたらご連絡ください!
詳細はこちら⇒

※こちらは、書類や面接で不採用にさせていただく事もございますのでご了承ください。

畑への入口事業

農スクールに関わらず、農業に関わる方を増やす事業です。農スクール通常プログラムに参加される方を増やす活動だけでなく、広く市民農園など農業や栽培に関わる人を増やすことを目的にしています。

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 ●「農の力で一歩踏み出すBook」

栽培を「上手に行うこと」は難しいですが、それが心理的なハードルになり栽培を始めないのはもったいない。始めないと上手くもならないですので、まずは畑を耕し、種をまいて栽培を始めてませんかと、栽培を始める方に向けた冊子です。

農の力でBOOK写真

神奈川県から地域の支え合い仕組みづくり事業という名で助成をいただき行っているもので、冊子要望ございましたら送付いたしますので、お気軽にご連絡ください。

※予算の都合上残り30件(2021年6月21日時点)の郵送料は頂かず送付いたします
※神奈川県から助成をいただいていることと、冊子の内容は藤沢市を題材にしておりますので、送付先は藤沢市近辺の方に限らせていただきます。

 ●畑オープンデー

農スクール通常プログラムは、働きづらさを抱えている本人だけを対象としているため、ご家族など周りの方から問い合わせがありましても説明会に来ていただくことしか対応していませんでした。
オープンデーは、何か働きづらさを抱えている方の周りの方でも誰でも、一人でも複数人でもちょっと畑に来ていただけるプログラムになっています。
常時募集中 詳細はこちら⇒ 

 ●野菜作りテキスト

連携している農園コトモファームと共に作り上げた野菜栽培テキスト「無農薬で楽しむ家庭菜園のコツ」。いつ、何を行えばよいかが分かる「月ごとにやること」をまとめた「実践編」と、より詳しく知りたくなった際に読むことが出来る「知識編」の2部構成のテキストです。
「ここのポイントを押さえておけば、成功する可能性が高まる」という点を最小限に絞った無駄のない構成で、初めて野菜栽培をやってみようと思っている方に向けて作りました。
ショップページはこちら⇒

就農を目指す出口事業

農スクールの通常プログラムを受講した後、就農につなげる事業です。

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これまで通常プログラム受講後には、全国農業会議所さんが行っている農業インターンシップを勧め、いくつかインターンに参加してみて就農先を選ぶのが良いと受講生にお伝えしていました。

しかし、通常プログラムを受講したからと言って、いきなり縁もゆかりもない遠方へ就農しに行くことはハードルが高く、難しいという声もありました。

農スクールのある藤沢市では雇用就農先は九州や北海道など地方に比べ数が少ないという現状があります。そこで、下記のような取り組みも始めていきます。

 ●労働力需要調査

こちらはまだ本格的には着手できていないのですが、近隣農家さんの労働力の需要(いつ、どういった作業があり、どのくらいの人出を必要とするか)を調査していきます。
農スクール通常プログラムの基礎編で近隣の協力農家さんを回り、話を聞かせてもらっている中で、「手が足りない」「人手が欲しい」と同時に、「人を雇うのは難しい」「雇う気はない」とおっしゃる方が多いという印象でした。
実際に人を雇うことは自営業主である農家さんの大きな負担になります。雇用をするとなると、賃金以上に利益を増やす必要がでます。神奈川県だと現在最低賃金が時給1012円なので、雇った人にはそれ以上の利益を生み出す動きが求められますし、雇う側としてもそこが期待できるような業務の組み立てが必要になります。
そこで、農スクール通常プログラム基礎編で農家さんの元に研修として参加させてもらい「どの時期のどの作業なら、どのくらいの時間来てもらっても賃金を支払って良いか」を聞き取り、アルバイト雇用需要を掘り起こしていけたらと考えています。

 ●受入農家探し 遠征

こちらも今年度の事業予定で、まだ実際には出向けていないのですが、全国各地の農家さん(農業組織)の元に行き、農スクール通常プログラム受講生のインターンシップ受け入れ先を探していきます。
(もし農業者の方で、「うち来てみなよ~」とおっしゃっていただける方がいらっしゃいましたら、私ヤマダが可能な限り伺いますので、ご連絡お願いします!)


活動を拡げる事業

現在スクール事業は、神奈川県の藤沢市と鎌倉市でのみの開催となっています。農スクールの事業を全国に広げるための事業です。

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 ●トレーナー育成講座

農スクールの通常プログラムを行う上で必要なのは「畑」「通いたい人」そして「トレーナー」です。「畑」は全国にあるため、「トレーナー」さえいれば農スクールのプログラムを行うことができます。
こちらトレーナー育成の講座はこれまで独自に行ってきておりましたが、現在全国どこでも受講できるようWEB講座を準備しています。

 ●農福連携トレーナー育成事業

こちらは過去の事業ですが、2019年に藤沢市の農業水産課と地域包括ケアシステム推進室と共同で育成講座を開催しました。全8回の連続講座と多くの市民の方に知っていただくためのオープン講座を2回開催し、藤沢市の方を中心に400名を超える方にご参加いただきました。

活動を続ける事業

最後に、あまり目立たない事ではある点ですが、とても大事な点がこの活動を続ける事業です。資金調達や経理事務など、管理事業と呼ばれていたりもします。

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他の団体さんもそうだと思うのですが、活動を行う中で重要なのは「続けること」です。たとえ社会的に意義があることを行ったとしても、それが一過的なものだと社会は変えられません。
2008年に代表が活動を始め、2013年にNPO法人になり、現在まで続けてきている農スクールですが、一度のプログラムに通う方の数はとても少ないです。しかし、続けてきている中で、その数は増え、またプログラムを卒業した後も関係を続けてくれる方がたくさんいます。
農が社会のセーフティネットになるには、活動を継続し「どこそこに行けば農スクールがある」「社会生活で一度失敗しても、農スクールがあるからやり直せる」と人々に思ってもらえるようにならなければならないと思っています。
活動を継続するには、お金がいります。農スクールのプログラムは可能な方にはプログラム受講料を頂いていますが、経済的に余裕がないという方は無償、もしくは払える範囲でお支払い頂くといった方針をとっています。
また、この1~2年新たな事業を行うときは助成金などを利用しています。

しかし、長く活動を継続していくには賛同してくれる方からのご支援が必要です。もし、少しでも我々の活動に賛同いただけるようでしたら、何卒ご寄付をよろしくお願い致します!

おわりに

長い紹介文を最後までお読みいただきありがとうございました。少しでも当団体に興味を持ってもらえたら幸いです。

また何かありましたら、毎月行っているオープンデーや通常プログラム開催前に行っている説明会にお気軽にご参加くださいませ。

(スタッフ 山田)

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