見出し画像

【読書感想文】フランス人は人生を三分割して味わい尽くす (講談社+α新書)

読書感想文(備忘録)です。

「人生を三分割」とは?

 人生を3段階に分けて、それぞれの段階を語るフランスの保険会社がおもしろい。
 第1段階は、オギャアと生まれて幼稚園に通い始め大学を卒業するまでの、いうなれば『学びの段階』である。第2段階は社会に巣立ち、男女それぞれに世の中で責任ある立場になり、なおかつ家族を持つ、いうなれば『育ての段階』だ。そして家族を扶養し、会社で頑張るとか、公私ともにすべての責任から解放されて、自分にふさわしい『バラ色の充実人生』とも言える第3段階が待っている。子供を育てながら大学に通うとか、退職してからの年の差婚があってもいいが、人生3分割の考え方が一般的。
(p.68)

出産を大前提としているのがフランスっぽいと感じました。

社会的な責任から解放される第3ステージは、日本でも話題の"FIRE"をきっかけに目指す人が増えた印象があります。フランスではそれを当然のようにライフプランに組み込んでいるのは、人生を謳歌しようとする姿勢の現れでしょうか。素敵ですね。

安いものでも長く大切に着るフランス人

フランス人は、いいものを末永く大切に使うと思われている。着るものも良質な服地でいい仕立ての服を、長く大事に着ると思われている。だが、それは誤解である。彼ら、彼女たちは、たとえ安いものでも長く大切にする。服や靴やカバンに限らず、どんなものでも壊れるまで使う。少しぐらい壊れても、下手でも適当に修理して使い続ける。

洋服を買った翌日にほつれてしまって、店員さんに相談しても「あ、そう」と言われるだけで交換対応はないんだそうです。大量生産大量消費を是とする消費社会を好まない身として、

・「らしさ」を求めてファッションを選ぶ
・お気に入りの服の自慢ポイントは「古さ」
・信じるのは体重計よりも姿見
安くて良いサービスを期待していない

という項目には共感しました。

そもそも、日本のお店においてある殆どのモノって「高くていいものvs安くてわるいもの」の構図ではないと思うんですよね。たいていどっちもいい。流行やブランド、希少性を外聞から選択するのではなく、純粋に好みで選べたほうがQOL上がりそうです。

あと、安くていいものを求め続ける限り、みんな少しずつ確実に貧乏になっていくじゃないですか。だから、好きなことにはちゃんとお金を払おうと考えています。(僕の場合は本。新古どちらもよく買います)

余談ですが、学生時代には貰った楽器やコンポを修理して使ったり、楽譜やCDをブックオフで探し歩いたりしていました。おかげで自分は中古品というものにまったく抵抗がありません。
ゲームはダウンロード、本は電子書籍が当たり前の現代っ子達が大人になったとき、彼らの目に「中古品」という選択肢はどのように目に映るのか想像しながら読みました。

おわりに

バゲット・オ・ショコラ(フランスパンに板チョコを挟んだやつ)が食べたくなる一冊でした。

コロナの流行で海外旅行計画がふいになってから2年近く経ちますが、もうすこし落ち着いたらフランス旅行行きたいな。

2021.10.31 knowsagi

この記事が参加している募集

#読書感想文

190,642件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?