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文字を書くスキルは学齢児にとって重要なスキルである

人が文字を書くときに必要な能力は、その言葉に関する記憶的知識や参考にする視覚的な文字情報を正しく捉えるだけでなく、手先の器用さも重要です。

学業において成功するためには文字を上手に書くスキルが必要不可欠である(Graham et al., 1998)とも言われています。いくつかの研究からは、手書きのスキルが高い児童ほど学業成績が高く、社会参加に積極的で、自尊心が成長していることが示されています(Cunningham et al., 1992; Engel-Yeger et al., 2009)。それに対して、書きの課題の困難さを抱える児童は学業不振につながりやすい(Graham et al., 1997, 2000)といったことも示されています。

Graham et al., 1997より引用

KNOTに書きで困っているということで来室されたお子さんを評価すると、「書き」の能力の問題というよりも、書くことへの意欲が低下しているお子さんが多くいらっしゃいます。
例えば、小学校の低学年のうちからテストや宿題などでひらがな・カタカナ・漢字をきれいに書くことができないことを指摘され、文字を書くことに対する負担感が募ると、学校の授業に対する意欲が低下してしまいます。学年が上がるにつれて徐々に書くことに対する抵抗感が強くなり、勉強に取り組む時間が減ってしまうことで、成績も低下してくるといったお子さんがしばしば見られます。 

こういったことを防ぐために,予防的に早期にトレーニングに取り組むことが重要です。
出来るだけ早く1年生や2年生のうちに、専門家にご相談されることをお勧めします。

KNOTでは、作業療法士による「書き」のトレーニングを実施しています。ご希望の方は、こちらからお申込みください。

Cunningham SJ (1992) Handwriting: Evaluation and Intervention in School Settings. Development of Handskills in the Child. Rockville, MD: American Occupational Therapy Association.Engel-Yeger, B., Nagauker-Yanuv, L., & Rosenblum, S. (2009). Handwriting performance, self-reports, and perceived self-efficacy among children with dysgraphia. The American Journal of Occupational Therapy, 63(2), 182-192.Graham, S., Berninger, V. W., Abbott, R. D., Abbott, S. P., & Whitaker, D. (1997). Role of mechanics in composing of elementary school students: A new methodological approach. Journal of educational psychology, 89(1), 170.Graham, S., Harris, K. R., & Fink, B. (2000). Is handwriting causally related to learning to write? Treatment of handwriting problems in beginning writers. Journal of educational psychology, 92(4), 620.

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