見出し画像

ライフスキル、身に付いていますか?

ヒトは成長していく過程で、さまざまな場面に直面し、その都度状況に応じた振る舞いをすることで日々を円滑に過ごしています。
この日常生活において必要とされる様々な能力や技能のことをライフスキルと言います。

ここで、社会で生きていくためにはどのようなスキルが必要なのか、少し考えてみましょう。

近くのコンビニにお昼ご飯のおにぎりと飲み物を買いに行くとします。

まず、コンビニに行く前に持ち物の準備が必要です。
お財布、スマートフォン、家の鍵、場合によってはエコバッグなど。
それぞれの持ち物ごとに目的があるはずです。

  • お財布は、お金を持っていくため

  • スマートフォンは、手持ちの現金が足りなくなるかもしれないので、電子決済としても使うため

  • 家の鍵は、家から出る時には安全管理のために鍵をかけるため

  • エコバッグは、ビニール袋を購入せずに済むため

すでに家を出る前から、いくつかのライフスキルが必要です。
まず、先を見越してどのような物を持っていくべきかという「身辺自立」が必要でした。そして、鍵をかけるという「安全管理」も必要です。
コンビニに向かう途中で、顔見知りのご近所さんに会ったら会釈をしたり、知り合いに会ったら自分から会話を切り出したり(社会性)する必要もあるかもしれません。
さらに、コンビニについてからも値段を考慮しながらおにぎりや飲み物を選び「金銭管理」、店員さんとの「コミュニケーション」なども必要になります。

このように日常生活内の簡単な行動でさえ、複数のスキルが必要になります。生活を維持するためには、仕事だけでなく、日常生活やコミュニケーションスキルが必要です。孤独ではない生活を送り、より良い状態(well-being)であるためには、社会性も欠かせないでしょう。自立した生活を送り、人生をより良くするためには、ライフスキルを身につけていくことは欠かせません。

スキルが身につくとは?

スキルは「知っている」「やればできる」ではスキルとして身についているとは言えません。
「1人で通常または習慣的にしている」ことでやっと身についていると言えます。
「時々あるいは部分的にしている」のは、まだスキルの獲得の途中経過と判断します。このようなスキルを見つけて、しっかり獲得できるように、促したり、生活を見直していくことはとても有益です。お子さんだけでなく、保護者の関わり方や家庭内の環境調整もスキルアップには必要な要素と言えます。

現在どれだけのライフスキルを持っているのかを把握することで、次に獲得すべきスキルを明確にすることにもつながり、スキルの獲得を促進できます。

まず何から取り組む?

このように考えていくとライフスキルは、実にたくさんのことが含まれることがわかります。お子さんは、これまでに獲得してきたスキルもあれば、未獲得のスキルもあるでしょう。

  • 何から取り組めば良いの?

  • 未獲得のスキルは、だいたいどのくらいの時期に身につけるものなの?

  • どんなふうに促せばいいの?

そのような疑問にお答えするには、ライフスキルを評価するのがおすすめです。ライフスキルの評価には、Vineland-Ⅱ適応行動尺度が役立ちます。Vineland-Ⅱは、コミュニケーション、日常生活スキル、社会性の3領域からお子さんのスキルを評価でき、結果は知能検査のように数値で表されるため、スキル獲得状況の目安が得られ、次のレベルのスキルも明確になります。

この評価は、医療機関でもあまり使われていないかもしれませんが、個々の能力や発達の段階を包括的に評価し、適切な支援や介入方法を選択する上で非常に有益な情報を提供してくれます。

KNOTでは、Vineland-Ⅱをはじめとする様々な評価バッテリーを組合せることでお子さんの強みと弱みをさまざまな視点から理解し、適切な支援方法を選ぶことを目指しています。

ご希望の方は、こちらからお申込みください。


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?