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できない (ゆらゆら帝国)

ドラム日記 第7回

次の練習曲の話に行くかと思いきや、スランプの話を少し。
あんまり面白い話ではないかもしれません。

優しくて子どもの扱いが上手なお師匠さまのおかげでなんとかここまで来れたボクでしたが、遅い反抗期のように、ボクにもスランプ時期がやってきました。

シャングリラを卒業した頃から、基礎パタンでも他の練習パタンでも練習曲でも、正しいところに音を置けなくなり、テンポ遅い16分連打すらいい感じにできなくなりました。思った通りに手が動かなくて、特に苦手な左手がどうにもならず、意識して無理して揃えようとすると右手までわからなくなり、そのうち正しいタイミングが頭でもわからなくなってきました。あら大変です。ゆらゆら帝国です。

シャングリラを気持ちよく終えたばかりなのになぜなんでしょう。

たくさんの理由が絡み合って、正直何が一番の原因だったかはよくわからないのですが、思うに、ちょっと叩けるようになってきて好きな曲をもっといい感じで叩かなきゃと思ったり、基礎練習でもっと早いテンポでもできるようにしなきゃとも思ったりして、一番大事なフォームの基礎が壊れてきて自己流になりつつあったせいな気がします。
無駄な力を抜いて、肘から下はちゃんと三角形を作り、手首をしっかり使ってストローク。それが崩れてしまい、どうにかしようとさらに無駄に力が入り、肘は内側に入ってきて、手首使えず腕全体で強引に叩く、というような感じになっていたんじゃないかと思います。
そして無理してたくさん叩くことで補正しようとしたせいで、右手首まで痛くなってきました。ヤバい。

こういう時こそ、お師匠さまの出番です。
ひとりでやってたらもっと深く闇に迷い込んでしまって、下手をすればもうドラムやだー!とかなってしまっていた可能性だってあります。
その後のレッスンで、ボクもうダメです、ぴえん、と泣きつくまでもなく、お決まりの基礎パタンを最初にやってみたら、あららら?どした?ってすぐ気づかれ、実は…と説明したら、練習やりすぎでーす!叩かない日つくったりしてみた方がいいかもね!と軽い感じで言われました。そしてその日はいつも通り基本フォームを復習し、それ以上叩くのはやめて、次の練習曲である魔法のコトバのスコアを読むのに時間を取りました。そんなレッスン始めて。

そのレッスンの後、4日間いっさい叩かない日を設けてみたら、なんと簡単にスランプ脱出することができました。そんなもんなんですね。ていうかお師匠さまやっぱりスゴイ。

ただ、このスランプや、手首痛くなったことを、思いのほかお師匠さまは印象的に捉えていて、以降のレッスンで、新しいトライをしようとするたびに、あんまり集中しすぎるとダメよ、と事あるごとに言うようになりました。

お師匠さまは、ボクが最初からすんなりと入っていけて、シャングリラをここまで半年かからないで叩けるようになったのを見て、最初は天性・感覚タイプなんだと思ってたそうです。でも実は結構おウチ練も欠かさずやってて、繰り返しトレーニングでマスターして来ていることを知ってから、実は努力・練習タイプとのハイブリッドなんだなって思ったそうです。
まあそれは多分間違ってなくて、B型感性と元来の器用さで、ある程度まではすぐできるようになりますが、壁にぶち当たるとそこからは全然ダメで、そこからは体育会系でひたすらトレーニングするしかないのです。音楽的な才能は皆無です。それに身体も鈍ったいい歳のおっs……。それは言わないで。

それをわかってからお師匠さまは、ちょっと指導の仕方を変えたような気もします。より基礎に時間を割くようになり、壁を見つけるとたっぷり時間をかけて(でも無理せず)克服していくようになっていきました。レッスンのペースも少し落ちて、おウチ練の時間が増えました。

そういう、その人に合ったやり方・時間配分・ペースでできるのが個人レッスンのいいところですね。というか、こんなのひとりで練習してて壁にぶつかったら絶対に乗り越えられない気がします。
お師匠さまは特に、子ども向けにレッスンたくさんやっているからか、レッスンの雛形みたいなものがほとんどなくて、柔軟に教えてくれるのでほんと最&高です。この人に出会うことができて本当に神様ありがとう

◇◇◇

ちなみにどうでもいい話ですが、今回のタイトル、ゆらゆら帝国の「できない」にしようか、ふくろうずの「できない」にしようか、すごーく悩みました。
どっちも大好きな曲なので。
どうぞ好きに選んだらいいよ、という声が聞こえてきますが。……はい。

◇◇◇

次回は、次の練習曲、スピッツの魔法の言葉です。スピッツ!スピッツ!!スピッツ!!!

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