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NHKの財務諸表のでわかるP/Lでは287億円に見えたB/S剰余金4,000億円の謎…?  2021年度6月発表

NHKの経営計画は毎年公開されているので、計画がよくわかる。

NHKでの単体とグループ会社をあわせた連結の決算が発表された。

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単体の決算では、今年は251億円の売上総利益があったことがわかる。

しかし、連結の財務諸表をみるとがっぽり溜め込んで儲けていることがよくわかる。

2020年度(令和2年度)決算概要が発表された。
https://www.nhk.or.jp/info/pr/kessan/assets/pdf/2020/gaiyou_r02.pdf

#貸借対照表  をみると、2020年度のNHKグループの資産と負債がまるわかりになる。

NHKと子会社をまとめた連結決算は下記のとおりだ。

連結損益計算書

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事業収入は 7,554億円(NHK7,101億円  グループ子会社453億円

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受信料収入は7,005億円 で事業収入7,554億円のうち92.7%となる。
国・政府からの交付金(36億円)はほとんど不要と考えられる。むしろ、国からもらわないほうがメリットが大きい。
事業支出は7,306億円 248億円が事業での利益(収支収差金)だ。
一般企業でいうところの『売上総利益』だ。

通常の一般企業であれば、ここに固定費となる販売費および一般管理費で人件費を計上するところがNHKでは損益計算書に記載されていない。
つまり、『営業利益』がわからないのだ。

※NHKの販管費人件費の謎は…事業支出と営業経費(710億円)の経営計画に計上されている。


つづいて、
『計上事業外収支(営業外損益)』で+60億円で、経常利益は308億円となった。

そこから『特別収支(特別損益)』+4億円 をあわせて312億円の『税引前利益』

そこから23億円、わずか7.3%の税金だけ支払い287億円の『当期純利益』が発生する。

一方、貸借対照法に目をむけると、287億円の『当期純利益』の4,000億円の剰余金に変化している。


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■NHKの負債の3割は職員の退職引当金


固定負債(1年以内に返済しないでよい負債)のうち、退職給与引当金の1,451億円が目立ってわかる。つまり職員の人件費のうち、退職金を溜め込んで引当に備えているのだ。
その比率は、固定負債の74.1% 負債合計の30.7% となっている。

■実はNHKは4,000億円も儲かっていた?

連結剰余金は、4,063億円。2019年は3,777億円  286億円増え 7%アップだ。  損益計算P/Lの当期純利益が287億円だからこれが相当する。
純資産合計9,128億円の44.5%は利益剰余金である。

負債・純資産合計1兆3,851億円のうち、29.3%が利益剰余金
という超のつくほどの優秀企業だ。


■不可解な建設積立資産、財産安定のための繰越金

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建設積立資産が 1,693億円 財政安定のための繰越金1,590億円
あわせて、3,283億円


現在の連結剰余金 4,063億円との差額は、780億円となる。

NHKの連結子会社の営業利益は 248億円となっている。

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※NHKの販管費人件費の謎は…事業支出と営業経費(710億円)の経営計画に計上されている。

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人件費は制作費の中に含まれていた。

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NHKの会計決算は、一般企業同様に、
収益と変動費と固定費が明確にわかるように損益計算書を計上していただきたい。




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