「日記の瞬間」突然のメールから生まれた新たな挑戦

7月下旬のある日、それは突然のことでした。
全く知らない人からnote経由で問い合わせのメールがありました。
メールの概要はこんな感じでした。

「『日記の瞬間』というWEBサイトを運営している山口と申します」
「noteを拝読し、やすねこ様にも本企画にご参加いただきたいと思いご連絡差し上げました。」
「大変勝手ではございますが、7月30日の日記を書いていただけますでしょうか」

そのメールを見て、「よくわからない、そして怪しい」という印象しかありませんでした。私のnoteは読者も少ないし、文章も決して上手いとは言えないのに、どうして私にそんな依頼をしてきたのか不思議でたまりませんでした。もしかしたら、私の文章から「騙されやすい素人」だと思われたのかも知れないと妄想し、ますます警戒心が強くなりました。

とにかく、この「日記の瞬間」というWEBサイトを見てみようと思いアクセスしました。その中で、このサイトの目的について、こんなことが書いてありました。

年代や性別を超えた様々な人たちが、日々の生活の中でどんなことを日記に書いてみようと思うのか。知り合いの日記を読んで「こんな些細なことで悩んだりするのか」と驚いてみたり、知らない人の日記を読んで「そういえば自分はあの瞬間が好きだったな」と同調してみたり。
色々な人の日記を読むことで、これまで見過ごしてきた無数の瞬間が書き残すべき「日記の瞬間」として立ち現れることを願って企画しています。
(中略)
この企画をきっかけに日記を書いてみようと思ってもらえれば何よりです。日記を書こうと思って一日を送ってみると、単調に思えた生活の中にも興味深い瞬間が無数に散らばっていることに気がつくはず……!

WEBサイト「日記の瞬間」より

そして、実際に投稿された日記を拝見してみると、多くの方々がいろんな視点から日々の出来事を綴っていました。それを見たとき、直感的に「書籍『Day to Day』に似てるな」と思いました。以前にも紹介した『Day to Day』は、100人の作家が100日間を掌編小説で順番に綴っていく・・・というものです。「日記の瞬間」はプロの作家ではなく一般の人達ですし、掌編小説ではなく日記ですが、「多くの人たちが日替わりで日々を繋いでいくことで、ひとつの作品が作られていく」という共通点を感じ、そのことが私の気持ちを「怪しい」から「面白そう、楽しそう」に変えていきました。そして、「自分みたいな素人でもお手伝いできるなら」と考え、参加することに決めました。

そうは思いつつも、不安は完全に消えた訳ではありませんでした。
他の方々は、文章が上手いし、内容もしっかりしていたので、「自分なんかが投稿して、本当に大丈夫かな?」という疑問は残ったままでした。それでも「やると決めたのだから、自分なりに頑張ってみよう」と気持ちを奮い立たせることで、不安を払拭させていました。

次に、「投稿する日記の内容をどうしようか?」と考え始めました。
「普段noteで書いていることは、基本的に自分のために書いているから、独りよがりな内容でも問題なかったし、必要以上に他人の目を気にしなくてもよかった」
「しかし、今回は依頼されて書く文章になるし、多くの方々が読んでくれる可能性もある」
「それならば、読んで下さった人に、少しでもいいから楽しんで欲しいなぁ」
・・・という気持ちが湧いてきて、普段のnoteの投稿にはない「完全に違うスイッチ」が入ったように感じました。
結果的に「サイトの本来の趣旨とは違う感じになるかも知れない」と思いつつ、個人的には「日記」というより「掌編小説」に近い感じにして、それと同時に「役に立つ」ことよりも「面白い」を優先させて記事を作成しました。
その結果がこちらになります・・・。

実際に記事が公開された訳ですが、私自身が読んでも、「何の役にも立たない、くだらない内容だなぁ」と思います(笑)
それでも、みんなが「誰かの役に立つような素敵な文章」ばかりを投稿していたら、それはそれで少し気持ち悪い感じもしますし、「文章を書く、投稿する」ということのハードルが上がり過ぎることも良くない気がしますので、「あまりレベルの高くない文章もあって良いのでは」と自分に言い聞かせています。

そして、私自身は「誰かに依頼されて文章を書く」ということが初めてだったので、とても嬉しかったですし、良い経験になったと思っています。

最後になりますが・・・
今になって思うのは、私のnoteでは、普段から大したことは書いていませんが、それでも火曜日と土曜日には欠かさずに投稿を続けてきましたので、「神様がちょっとだけご褒美をくれたのかも知れないなぁ」と理解するようにしています。

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