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人生のチュートリアルを終えて

先月、大学の卒業式があった。出席はしていない。半強制的に参加する中学や高校の卒業式と違って、友人との思い出作りでもなければ、卒業おめでとう、という祝福ムードの場に馴染める気がしなかった。

浪人もしたし、留年もしたし、卒延もした。これから挑む国家試験の結果次第では、まだ何か付け足されるかもしれない。

そんな状況下では、ウェブ上で卒業発表を目にした瞬間でさえ何も思わなかった。
卒業認定試験の自己採点が終わったあとは少しだけホッとしたけれど、明日にはまた受験勉強を始めるわけで、珍しく立ち止まることなく歩いている。
本当の卒業は来春までお預けだ。

それよりも小学生か、もっと以前。幼稚園から続いた思ったよりも長引いた序章があっけなく終わったことに不思議な感覚を覚えた。

早く社会に出ることを望んでいた私の現在の肩書きは受験生、学生。社会人だったら中堅に差し掛かる域に達している世界線もあったはずで。

人生は何が起こるかわからない。私にとってここ数年が情勢の変化も相まって言葉の意味を知る時間だったと思う。こんなはずでは……と後悔の混じるセリフが口から出かける。でもどうすることもできない情勢は別として、自分の物語は自分で作ってきたはずだ。覆せなかったことあったけど、立て直す機会も同時にあった。何が起こるかわからない道を確実に自分が作ってきた。
だから手放しで運やタイミングに寄りかかるつもりはない。
「チャンスは準備した人のところにやってくる」
唯一心に残っている高校の担任の先生がくれた言葉のように、積み重ねた時間が結果を与えてくれると信じて踏ん張ってやろうという気持ちだ。

不安や焦りは常に心に敷かれている。でもこの言葉を忘れない間はめげずにいようと思う。

ひとまずは来春まで独り占めできる今を我儘に使いたい。たった一つのことについて一日費やすとか、作っては壊して結局何も残らなかった一日とかをたくさん経験したい。今日はリハビリだと思って朝9時から机の前に座ったら、今日が終わってた。夜23時。肩は痛いが心は軽い。

ありがとうございます!