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うつ病体験記27:休職中の不安まとめ

休職期間中に不安になったことや気になったことなどのうち代表的なものを記録する。

不安や気になったこと1:お金

休職期間中はずっとお金について不安を抱いていた。

生活が成り立つのか?
今後もし寛解しなかったら生きていけるのか?
という不安だ。

そりゃそうだ、労働収入がなくなるのだから。

とはいえ、貯金がなかったわけじゃない。
もともと支出も少ない方だ。
計算上、1年くらいは働かなくても生きていけるだけはあった。

でも、残高が減っていくことにはただただ恐怖があった。
もしこのまま復職できずお金がなくなったら?
大きな出費があるたび考えてしまった。

収入がゼロになるわけではない。
会社員は傷病手当金などもあり、収入の2/3くらいはもらえる。

しかし、税金は天引きされないので、自分で払う。
傷病手当金が入っても4,5万くらいが一気に飛ぶ。

こういう万単位のまとまったお金が一気になくなることがとても不安だった。

でも、当時の自分に、今ならこう言う。

お金は気にせずまずはちゃんと休め。
慢性的になる前にとにかく休め。
あとからなんとでもなる。
会社辞めちゃっても楽なバイトとかすればいい。
書くことは得意だし、クラウドソーシングでWebライターでもやっていける。
最悪生活保護だってあるから大丈夫。

もちろん休職中はそんなこと考える余裕もない。
今でも実際に収入がなくなったら不安でいっぱいになるだろう。

まあでも大抵のことはなんとかなるのだ。

不安や気になったこと2:社会復帰できるのか

休職中はずっと、「復職できるのか」と焦っている自分との戦いだった。
わりと仕事人間だったので、そればかりが頭に浮かぶ。

周りの友達は優秀な人も多く、置いていかれている感もあった。

超有名企業に転職する友達
社内表彰を受けている友達
ベンチャーでCXOになった友達
独立する友達・・・

なおさら焦る。

そして、本当にうつ病が治るのか?と疑問だった。
一生この辛い感情と生きていかなきゃいけないのかもと思った。

そうだとしたら、もう復職なんてできないと思った。
生きるの辞めよう、と。

でも、当時の自分に、今ならこう言う。

まずは心から休むことが先決。
慢性化しないようにだけ気をつけろ。
うつ病は再発を繰り返すとどんどん寛解する可能性が低くなっていく。
だから再発とならないようにちゃんと休め。
ただ休んでても、脳が働いちゃうから、何も考えないことができるようになるまで休め。

当時は復職できるか不安だったので、ビジネス書の読書とかして頭働かせようとしていた。
でもそれもやめたほうがいい。

文字が、内容が、頭に入ってこないことに焦るからだ。
焦ることは脳に負荷をかけることになる。
逆効果だ。

まずは読書もしない。
寝たりぼーっとするだけでいい。
読んでも小説とか、リラックスできるものを読むこと。

不安や気になったこと3:前の自分に戻れるか

元の自分に戻れるか、不安だった。

もともと、論理思考な方だったが、うつ病のときはいろんなことがわからなくなった。

考えようとしてもぐちゃぐちゃになる。
嫌だ、情けないと思い、頭が悪くなった。

そう思い、とにかくうつ病前の自分に戻りたかった。

でも、当時の自分に、今ならこう言う。

前の自分に戻るのは諦めよう。
脳が休まれば論理思考とかは戻ってくる。
前の自分に戻るというより、新たな価値観を携えて進化したと捉えよう。
まずは諦めるのだ。

諦めるとは、「明らかにする」ということ。
できないこと、病気なことを自分の中でちゃんと納得(明らかに)して次に進めばいい。

いや、進まなくてもいい。
勝手に進むから。

元気になりたい、活動したいと自然に思えるその時までは何もしないが吉だ。

不安や気になったこと4:家族への申し訳無さ

家族にだいぶ迷惑をかけた。
心配をかけた。
生きていることが申し訳ないと思った。
金銭的援助もしてくれた。
兄は、「勝手に増えたと思って。返さなくていいから。使わないお金だから」と、大金の入った封筒をくれた。

できない自分に苛立った。
親不孝だなと思った。
このまま厄介になり続けるのは申し訳ないと不安に思った。

でも、当時の自分に、今ならこう言う。

自分は愛されている。
迷惑かけてもいい。
心配かけてもいい。
愛情を受け入れて感謝するんだ。
自分は末っ子だから甘やかされて育ったなんて冗談言っているけど、実際はけっこう自立心が強いと自覚している。
ちゃんとしようという意識が強い。
だから、申し訳無さが出てくる。
でも、甘えられるときは甘えとけ。

自分もいつか、誰か親しい人が本当に困ったら、
「いいからいいから〜」
と、お金を渡せるように蓄えよう。
数十万円くらいポーンと渡せるように。
そう思った。

不安や気になったこと5:友人の目、世間の目

うつ病になった、なんて言ったら友達はどう思うだろうか?

引かれるだろうか?
変な目で見られるだろうか?
実際にはそんなことなかったが。
世間の目は冷たいようだった。

というより、そういう冷たい意見のほうが目に入りやすい。

甘えだって思われるんじゃないか。
そう思って怖かった。
うつ病で生きていくことが不安だった。

でも、当時の自分に、今ならこう言う。

そんなんクソくらえだ!
うつ病も、他の病気も、そのほかどんな辛い経験も、経験した人にしか本当の気持ちはわからない。
その苦しみは、その辛さは、自分だけのもの。
自分が感じているものであり、他人には共有できない。
逆に他人は自分の苦しみや辛さを理解することはできない。
経験していても、感じる辛さや苦しみは人や時によって違うから、わからない。

だから、他人に理解を求めなくていい。
というか、理解できないことを理解してもらおうと思うほうがおこがましいのかもしれない。

うつ病の存在を知って、理解したい人には伝える。
うつ病の存在を知っても、受け入れられない人には伝えない。
それでもいいと思う。

まずは寛解させることに集中するんだ。
休むことに集中するんだ。
理解しようとしない人とは寛解するまで連絡取らなくていいし休んでいる間は関わる必要もない。

気持ち、感想は主観だ。
当事者にはなれない。
読書とかで追体験できても、追体験への感想しかもてない。

人には人の気持ちがあって、感情があって、感じ方も人によって違う。

コーヒーが美味しいと思う人、苦いと思う人がいるように。
苦いと思う人にコーヒーとチョコの相性を熱弁しても受け入れられないだろう。

甲殻類でアレルギー反応が出る人出ない人がいるように。
エビの美味しさを理解させようと無理やり食べさせるなんてことないだろう。

痛みも人それぞれ。
同程度の強度でも、叩かれて痛いと感じる人もいれば、気持ちいいと感じる人もいる。

赤ちゃんに大人が気持ちいい強度の肩たたきをしたら痛がるだろう。
そして、ある体験が辛いと感じてうつ病になる人がいれば、どうも思わない人もいる。

どうも思わない人は、他の人が何とも思わないところで特別な辛さを感じるかもしれない。

辛さは人それぞれ。
感じ方も人それぞれ。
価値観は人それぞれだから押し付けない。

自分の意見、人の意見、いろんな意見があるからいろんな商品が生まれる。

大事なことは、いろんな意見がある中で、自分にとって、その人にとって、人間にとって、世界にとって、一番いい選択をしていくこと。

自分だけの殻に閉じこもらずに、中道主義な考え方でいると、自分の平和が保てると思う。

不安や気になったこと6:本当に治るのか?

正直これが一番不安だった。

特に後半は、治ったと思ったらまた落ち込む。
特に「調子よくなった!」と思って予定を入れると、疲れて次の1週間はふさぎ込んでしまう。

なかなかよくならない、ちょっとよくなってもすぐにだめになるの繰り返し。
治るのか不安でたまらなかった。

でも、当時の自分に、今ならこう言う。

豪雨は小雨を経て曇りやがて晴れるし、冬は必ず三寒四温を通して春になる、と。

よく「止まない雨はない」とか、「冬は必ず春となる」というが、一気に変わるというわけではない。

「三寒四温」という言葉にあるように、「温かくなったと思ったらまた少し寒くなる」を繰り返し、だんだん春から初夏へと変わる。

気温がめっちゃ高まることもあるけど、冷えることもある。
だから、調子のいい悪いに一喜一憂せず、淡々と毎日を過ごすのだ。

自分を客観視して、調子悪い日は調子悪いことを受け入れて。
”自己観察”して無理しなければ、気づけば調子が良い日が多くなってくる。
そうやって春を迎えるのだ。


※今後も他に思い出したら追加していくかもしれない。

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