うつ病体験記4:出てきた症状
仕事ではだんだんと大きなことを任されるようになってきた。
2017年には1人企画を任され、生産性向上や戦略立案などいろいろな経験をさせてもらった。
ありがたいことに期待も大きいので、 承認欲求の塊としては嬉しい。
しかしその期待は、「期待を外してできないやつと思われたくない」という自分への変なプレッシャーに変換されていくのである。
仕事自体は楽しかったのだが、忙しさが増すにつれだんだんとおかしくなってきた。
前回書いた体の痒み以外にも、日常生活に支障が出始めた。
思考停止。
話すべき内容を話したいと思っても、言葉が出てこない。
文字を読みあげるだけでいいのに、言葉に変換されない。
頭が「話せ」と命令しているのに、口と声帯が動かない。
考えようとすると、脳内がテレビの砂嵐のようにじゃみじゃみしてフリーズするのだ。
意欲低下。
仕事に行きたくないし仕事したくない。
何もする気が起きず全てのことに無関心。
無気力症候群だ。
生きているということにも興味がわかない。
文字滑り。
文字を読むとき、字面をなぞって滑るだけ。
読んでもまったく頭に入ってこない。
人が話している内容も入ってこない。
超集中しないと理解できないが、そもそも集中力もなくなった。
浮遊感。
立ったり歩いていると、三半規管が揺さぶられるようにグラグラする。
地震だ!!と叫んでしまうくらい、僕の世界はぐらついていた。
不眠症。
全然眠れない。
今も睡眠導入剤がないと寝付けない。
睡眠計測をしたところ、ほぼ起きていたこともしばしば。
5時に目が覚めてしまって、仕事を始めたことも1度や2度ではない。
導入剤を飲んでからは、寝つきもよく、深く、一瞬で朝になる。
頭痛や吐き気。
頭が痛いというより、頭の中が詰まっていて重い感じ。
脳が締め付けられる感覚。
そこから吐き気や頭の締め付けなんかもある。
咽喉頭異物感症。
なんともいかつい名前だ。
のどを締め付けられたり、梅干しの種のようなものがつっかえている感覚。
息ができないわけじゃないが、苦しい。
…他にももっとある。
手が震えたり食欲がなくなった。
笑顔が作れず、姿勢を正していられない。
動悸がする。
こういった症状が出てくると、精神的にさらに苦しい。
そして、世間から、現実から、気持ちを閉ざしたくなるのだ。
物理的に目を閉じたい。
希死念慮が出てくる。
月曜日を迎えることが怖くなり、えづく。
振り返れば、半年くらいこういう症状が出ていてほったらかしていた。
始まりはちょっとした自律神経の乱れだったのかもしれない。
それをほっといて、さらに乱れ、HSP気質も相まってだんだんと立ち上がれなくなっていく。
そして完治するともしないとも言われ、何年も付き合わなくてはいけない病気になっていく。
だんだんと、朝起き上がることも辛くなる。
眠いからではない。
現実から夢の世界へ逃避しないと精神が保てないのだ。
朝の太陽は希望なんかじゃなかった。
今日も始まってしまうという絶望の光だ。
体は本来健康なのに、生きるという気持ちと希望を削ぐ、恐ろしい病気である。
うつ病は決して、甘えではないのだ。
HSPではあるが、心の強さとも違う。
自律神経を整えておかないと、誰しもなる可能性がある。
願わくばノルアドレナリンとドーパミンとセロトニンが、正しく働いてくれる日が早く来てくれますように。
世界中のうつ病の人の自律神経が、正しく働きますように。
つづく
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