見出し画像

うつ病体験記18:自分を責めて再びうつへ

職場に復職すればまた慣れてくるだろうーー

そう思っていたが、思考停止状態からなかなか抜け出せなかった。
そういう自分を責め、またうつ状態へと落ち込んでいく。
調子の良い時(一般的に普通な時)もあるが、基本的には思考停止だ。

上司や同僚から、「辛かったら早めにアラート出してね」と言われていたが、どうやってアラートを出せばいいのかがわからない。

在宅勤務なのでなおさら。
邪魔しちゃわないか、気を使わせないかと考えてしまう。
逃げ方や逃げ道がわからず、自分の気持ちをコントロールすることが難しかった。

上司や同僚は、休職前と同じように接してくれている。
心配いらないと迎え入れてくれていたと思う。

しかし、どうしても遠慮してしまう。
顔色を伺わないと働けなかった。
寛解した今だからわかるが、当時はまだ復帰するべきではなかったのだ。

・頭が回らず相手の言いたいことの本質が理解できない
・反対意見が出るとパニックになる
・論理的に考えられなくなり、喉が詰まる感じになる

他の人からこのような状態であったことがわからなかったらしいが、復職後もまたこのような状態と戦いながら仕事をしていた。

このような状態だから、仕事をすることがとても怖かった。

仕事は1人ではできない。
誰かと協力協業して物事が前に進む。
だから、時には自分と違う意見が出る。
また、人だからミスもする。

当たり前のことではあるが、頭ではわかっていても心が追いつかない。
「失敗したくない」、「否定されたように感じる」と考えてしまっていた。

ミーティングが怖くって、発言はとても緊張した。
周りが敵に見えた。
そんなわけないのに。

それと同時に自分を客観視する自分もいる。
「自分を正当化したい、守りたいだけだ」と、自分の小ささを責めた。

とはいえ、調子のいい時はポジティブに、将来に思いを馳せた。

仕事に前向きに取り組みたい。
努力したい、もっと仕事に夢中になりたい。
バリバリ働きたい!
働いている手応え感じたい!
転職したらいろいろ好転するかも!

自分に「もっともっと」と求めた。
そういうふうに考えられるときは、うつの反動でもあるのだろうか。
ハイになっていた。

しかし、体は追いつかない。

朝早く起きたい自分に対して、起きられないどころか調子が悪い。
そんな時はできない自分を責めた。

朝起きれないこと、すぐに疲れて寝ちゃうこと、何もせず時間を浪費したこと・・・

責めて、責めて、また不調になった。

脳が疲れているので、もう一度休むことの方が先決なのに、自分に期待をしては自分を裏切り、責める。

そうしていくうちにさらに朝起きられなくなっていった。

本当に悔しかった。
理想と現実のギャップ。
頑張りたくても言うことを聞かない体。

乗り越えたつもりでいた自分の理想は、簡単に崩れた。

そして、2020年10月8日。
復職からちょうど5ヶ月目。

またいよいよ布団から起き上がれなくなった。
1日中ベッドから起き上がれない。
不安にさいなまれ、悲しくなり、自分に腹を立てた。

このまま時が止まってくれればいいのに・・・
もうこのまま目を開けることなく生涯を閉じたい・・・

感情がぐちゃぐちゃになり、親に電話した。

何かを感じ取ったのか、車で迎えに来てくれることになった。

救われた。
悔しい思い。
情けない思い。
なぜ?なぜ?と働かない頭で逡巡した。

あとから振り返れば、手につかなかった理由は気圧の影響かと思う。
2020年の秋は大型の台風が連続して来ていた。

台風は低気圧の塊である。
乱高下する気圧は、自律神経に影響を与える。
気象病というものがあり、よく低気圧で偏頭痛になる人がいるが、自律神経も乱す。

言葉で描写しにくい絶望感、不安感に襲われる。
おそらく台風の影響かと思う。

寛解した今でも気圧は警戒する。
頭痛ーるというアプリで気圧チェックは欠かせない。

低気圧というより気圧変化が苦手で、やばそうなときは五苓散という漢方を飲んだり重要な仕事を極力避けたりもする。

春も夏も秋も気圧変化が激しく、冬は日照時間が少ない。
自然とうまく付き合っていくのは大変だということを実感するようになった。


10月8日からの1週間、もう仕事は何も手がつかなかった。
PCの前に座ると、ギアが噛み合わないエンジンのようになる。
限界だなと思い、再度休職することとなった。

むしろよかったよ、今は体を大事に休むべきなんだよ、と自分に言い聞かせて。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?